引き揚げられた艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 01:53 UTC 版)
「トゥーロン港自沈」の記事における「引き揚げられた艦」の解説
自沈以降の来歴が判明している艦を以下に列挙する。もちろんこれが全てではない。 戦艦 ストラスブール:1943年7月17日浮揚。修理されず艦砲のみ砲台に転用されたが、1944年8月18日の連合国軍の空襲で再び着底。1944年10月再浮揚。 ダンケルク:乾ドック内でメルセルケビール海戦の損傷を修理中に自沈。その後少なくとも終戦までは修理も解体もされていない模様。 プロヴァンス:1943年7月浮揚。修理されずそのまま解体。 重巡 アルジェリー、フォッシュ、デュプレ、コルベール:いずれも自沈時の爆破と火災による被害が大きく修理不能。その場で解体。 軽巡 マルセイエーズ:艦隊で最も自沈訓練の習熟度が高かった艦の1隻。一週間に渡って激しく炎上し全損。 ラ・ガルソニエール(FR12):浮揚されたが(時期不明)イタリアの降伏でドイツの手に渡り、その後1943年11月と1944年8月の連合国軍の空襲で全損。 ジャン・ド・ヴィエンヌ(FR11):ラ・ガルソニエールと同時期に浮揚されたが、ドックで修理中の1943年11月24日、連合国軍の空襲で全損。 駆逐艦 ゲパール:浮揚されたが、1944年3月11日、連合国軍の空襲で再び沈没。 リオン(FR21)、パンテール(FR22):損傷軽微。1943年3月に浮揚されるが、修理中の9月9日にイタリアが降伏。2隻ともラ・スペツィアで自沈。 ティーグル(FR23):ほぼ無傷で接収される。イタリア降伏後、フランスに返還され1954年まで就役した。戦後まで残った唯一のシャカル級である。 ヴァルミ(FR24):損傷軽微。しかし再就役後1945年にジェノアで自沈。 トロンブ(FR31):ほぼ無傷で接収される。イタリア降伏後、自由フランスに移籍し地中海沿岸で作戦に従事。1945年にはドイツ海軍と交戦した。 シロッコ(FR32):損傷軽微。浮揚後ジェノアで修理されるが、工事中にイタリアが降伏。43年10月28日、同港の閉塞船として沈められた。 ラドロワ(FR33):1943年4月20日浮揚。修理の進まないまま9月にドイツ、44年8月にはフランスに接収されたが、状態が悪くスクラップになった。 ランスクネー(FR34):1943年8月31日浮揚。直後にイタリアが降伏しドイツが接収。1945年4月24日自沈(場所不明)。 ビゾン(FR35):自沈時未完成。浮揚直後にドイツに接収され、トゥーロン港の煙幕展開ハルクとして使用される。1944年6月25日閉塞船として処分。 フードロワイヤン(FR36):1943年5月29日浮揚。9月にドイツに接収され、1944年8月にトゥーロン港の水路閉塞のため沈められる。 ル・アルディ(FR37):浮揚後、ジェノアに向う途中でイタリアが降伏。ドイツに接収され、1945年4月24日、修理未了のままジェノアで自沈。 水雷艇 ラ・バヨネーズ(FR44/TA13):再就役後イタリアからドイツへ移管され、バリストや1942年12月にビゼルタで接収された同型艦3隻と共に運用される。 1944年8月25日、おそらくトゥーロンで自沈。 バリスト(FR45/TA12):再就役後はラ・バヨネーズと共に運用される。1943年11月24日、連合国軍の空襲で沈没。 給油艦 フィルーズ:損傷軽微。ドイツ軍に接収され「フリードリケ」として再就役。ボスポラス海峡で損傷した記録がある1943年8月には稼働状態だった模様。 ガロンヌ:1944年4月浮揚。しかし同年6月、トゥーロン港閉塞のため再び沈められた。 設網艦 グラディアトゥール:浮揚されたが(時期不明)1943年3月末、連合国軍の空襲で全損。 潜水艦 ルドゥタブル、ガラテ、シレーヌ、ディアマン:いずれも浮揚されたが(時期・状態不明)、1944年前半に連合国軍の空襲で相次いで全損。 水上機母艦 コマンダン・テスト:終戦後の1946年、フランス軍の手によって浮揚。ハルクとして使用され、1950年解体。
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