小マゼラン星雲
名称:小マゼラン星雲(小マゼラン銀河)
小分類:不規則銀河
属する銀河群:局部銀河群
属する星座:きょしちょう座(巨嘴鳥座)(南天)
小マゼラン星雲は、大マゼラン星雲とともに南半球の空に見える不規則銀河です。16世紀初頭に、マゼランが世界周航の途上で発見したことからこの名が付きました。大きな大マゼラン星雲の近くに、小さく広がる小マゼラン雲を確認できます。大小マゼラン星雲と私たちの銀河系は、マゼラン流といわれるガスの糸でつながっています。マゼラン雲が銀河系の周囲を回るうちに異常接近し、両方の周辺部のガスが引きずり出されたものと見られています。
1.見つけ方のポイントは?
小マゼラン星雲が属する、きょしちょう座という星座は天球の南極付近にある小星座で、日本からはまったく見えません。秋の夕方に、南に低く見える、つる座のすぐ南にある暗い天体です。しかし、きょしちょう座の一部とされ南天の奇観として知られている小マゼラン雲は、南半球では天の川の近くに大マゼラン雲とともに、はっきりと見ることができます。暗い空では肉眼でも見ることができますが、星雲の北側の複雑な構造を知るには、望遠鏡(低倍率でも可)が必要です。
2.どのような特徴があるの?
小マゼラン星雲は不規則銀河の一種で、銀河系の1/6の大きさ、全体の明るさは2.4等です。大マゼラン星雲とともに連銀河を形成しています。マゼラン星雲はガス量が豊富で、現在でも新しい星が作られ続けています。
※参考文献:河島信樹・監修/三品隆司ほか編「スペース・アトラス」PHP研究所、パトリック・ムーア編/中村士ほか訳「ギネスワールド天文と宇宙」講談社、小平桂一ほか編「平凡社版天文の事典」平凡社、原恵「新装改訂版星座の神話」恒星社厚生閣
小マゼラン雲
名称:小マゼラン雲(小マゼラン銀河)
小分類:不規則銀河
属する銀河群:局部銀河群
属する星座:きょしちょう座(巨嘴鳥座)(南天)
小マゼラン雲は、大マゼラン雲とともに南半球の空に見える不規則銀河です。16世紀初頭に、マゼランが世界周航の途上で発見したことからこの名が付きました。大きな大マゼラン雲の近くに、小さく広がる小マゼラン雲を確認できます。大小マゼラン雲と私たちの銀河系は、マゼラン流といわれるガスの糸でつながっています。マゼラン雲が銀河系の周囲を回るうちに異常接近し、両方の周辺部のガスが引きずり出されたものと見られています。
1.見つけ方のポイントは?
小マゼラン雲が属する、きょしちょう座という星座は天球の南極付近にある小星座で、日本からはまったく見えません。秋の夕方に、南に低く見える、つる座のすぐ南にある暗い天体です。しかし、きょしちょう座の一部とされ南天の奇観として知られている小マゼラン雲は、南半球では天の川の近くに大マゼラン雲とともに、はっきりと見ることができます。暗い空では肉眼でも見ることができますが、星雲の北側の複雑な構造を知るには、望遠鏡(低倍率でも可)が必要です。
2.どのような特徴があるの?
小マゼラン星雲は不規則銀河の一種で、銀河系の1/6の大きさ、全体の明るさは2.4等です。大マゼラン星雲とともに連銀河を形成しています。マゼラン星雲はガス量が豊富で、現在でも新しい星が作られ続けています。
※参考文献:河島信樹・監修/三品隆司ほか編「スペース・アトラス」PHP研究所、パトリック・ムーア編/中村士ほか訳「ギネスワールド天文と宇宙」講談社、小平桂一ほか編「平凡社版天文の事典」平凡社、原恵「新装改訂版星座の神話」恒星社厚生閣
小マゼラン雲
(小マゼラン銀河 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/05 01:46 UTC 版)
小マゼラン雲 Small Magellanic Cloud |
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![]() |
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星座 | きょしちょう座 | |
見かけの等級 (mv) | 2.7m[1] | |
視直径 | 5°20′× 3°5′[1] | |
分類 | SB(s)m 型[1] | |
位置 元期:J2000.0 |
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赤経 (RA, α) | 00h 52m 44.8s[1] | |
赤緯 (Dec, δ) | -72°49′43″[1] | |
距離 | 19±0.7万光年 (60.6 ±1.0 kpc)[2] |
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物理的性質 | ||
直径 | 1.5万 光年 | |
太陽との相対質量 | 10 ×1010 | |
他のカタログでの名称 | ||
NGC 292、PGC 3085 | ||
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
小マゼラン雲(しょうマゼランうん、NGC292、Small Magellanic Cloud 、SMC)[3][4][5]は、きょしちょう座に位置する Sm 型の棒渦巻銀河[4]。不規則銀河に分類されることもある。大マゼラン雲とともに銀河系の伴銀河となっており、アンドロメダ銀河などとともに局所銀河群を構成している。小マジェラン雲と表記されたこともある[6]。
呼称
小マゼラン星雲と呼ばれることもある[7]が、英語名の the Small Magellanic Cloud (SMC) の訳語に当たるため、「- 星雲」ではなく「- 雲」である。日本変光星観測者連盟 (VSOLJ) では、さらにこの星雲を銀河に置き換えた小マゼラン銀河という表記が行われている[8]。ラテン語名 Nubecula Minor。
歴史
小マゼラン雲は、南半球の人たちにとっては先史時代から知られていた。したがって、発見者は特定できない。
「- マゼラン雲」の名は、ポルトガルの航海家フェルディナンド・マゼランが1519年の世界周航において記録していたことにちなむ。それ以前の航海者は「ケープの雲」と呼んでいた[9]。イタリアの航海家アメリゴ・ヴェスプッチが1503年から1504年にかけて行った第3の航海において言及している「3つのカノープス[注 1]」の1つが小マゼラン雲ではないかと考えられている。
1603年ドイツの法律家ヨハン・バイエルは星図『ウラノメトリア』において Nubecula Minor としており、1679年フランスの宮廷建築家オギュスタン・ロワーエの星図には Nubes Minor とある。1801年ドイツのヨハン・ボーデは星図『ウラノグラフィア』においてバイエルを踏襲して Nubecula Minor とし、なおかつ独立した星座として扱っていた[10]。
中国の伝統的な星座体系における扱いについては、中国では見えないので古代からの三垣二十八宿には含まれておらず、後に南天の星座が近南極星区の星官として追加された中では、小マゼラン雲(こぐも座)に相当するものは「附白」の名で採用された。
概説
南天にあるため、日本からは見ることができない。南半球では、きょしちょう座にぼんやりとした雲のように見える。太陽系からおよそ20万光年の距離に位置し、質量は銀河系の6分の1程度とされる。
ギャラリー
-
小マゼラン雲。ハッブル宇宙望遠鏡撮影。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e “NASA/IPAC Extragalactic Database”. Results for Small Magellanic Cloud. 2008年11月28日閲覧。
- ^ Hilditch, R. W.; Howarth, I. D.; Harries, T. J. (2005). “Forty eclipsing binaries in the Small Magellanic Cloud: fundamental parameters and Cloud distance”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 357 (1): 304–324. arXiv:astro-ph/0411672. Bibcode: 2005MNRAS.357..304H. doi:10.1111/j.1365-2966.2005.08653.x.
- ^ 国立天文台 編『理科年表 2008年版』丸善、2007年、131 (天55)頁。
- ^ a b 川崎渉『天文年鑑 2009年版「主な星雲・星団」』誠文堂新光社、2008年、309頁。
- ^ 三上孝雄『天文観測年表 2008年版「銀河」』地人書館、2007年、197頁。
- ^ 鈴木敬信『天文学辞典』地人書館、1986年、293頁。
- ^ 渡辺和郎「星図」『天文年鑑 2009年版』誠文堂新光社、2008年、329頁、図8。
- ^ 山岡 均 「VSOLJ ニュース」#249[1]
- ^ Allen, R. H. (1963). Star names: Their Lore and Meaning (rep. ed.). New York: Dover Publications. pp. 294-295
- ^ Bode, Johann Elert. “Uranographia Sive Astrorum.”. Linda Hall Library, LHL Digital Services.. 2014年5月10日閲覧。
参考サイト
- SEDS - The Small Magellanic Cloud, SMC 2008-11-28 閲覧。
関連項目
- 小マゼラン銀河のページへのリンク