銀河群とは? わかりやすく解説

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ぎんが‐ぐん【銀河群】

読み方:ぎんがぐん

数個から数十程度銀河集団星雲群


銀河群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/07 21:46 UTC 版)

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局所銀河群の想像図

銀河群[1](ぎんがぐん、Galaxy group[2], group of galaxies[1][3], GrG[4])は、各々がそれぞれ銀河系程度の明るさを持つ、50個程度かそれ以下の銀河が重力的に結びついた集合体である。これよりも銀河の数が多いと銀河団と呼ばれる[5]。また、銀河群や銀河団が集まったものは超銀河団と呼ばれる。

銀河系は、局所銀河群と呼ばれる銀河群の一部である[6]

特徴

銀河群は、最小の銀河の集まりである。銀河の数は50を超えず、典型的には直径は1-2Mpc、質量は約1013太陽質量である。ここの銀河の分散速度は約150km/sである。しかし、これより大きく重いものも銀河群とされることがある[7]

銀河群は、銀河の最も一般的な構造であり、局所宇宙の銀河の少なくとも50%は銀河群を形成する。銀河群は、非常に大きい楕円銀河と銀河団の中間の質量を持つ[8]。局所宇宙の約半数の銀河群が銀河団ガスから散乱性のX線を放射している。X線を放射する銀河群は、初期のタイプの銀河を含むものである。X線は、銀河群のビリアル半径の10-50%の通常50-500pcの領域から放射される[9]

タイプ

銀河群には、いくつかのサブタイプがある。

コンパクト銀河群

コンパクト銀河群は、小さな領域に銀河が近傍に密に集まった小さな銀河群である。通常5個程度の銀河が他の銀河から離れて存在する[10]。初めて発見されたのはステファンの五つ子銀河で、1877年に発見された[11]。ステファンの五つ子銀河自体は、4つの銀河からなる銀河群と、遠方の1つの銀河が含まれる[10]。天文学者ポール・ヒクソンは、1982年にこのような銀河群を集めたカタログを作った(ヒクソン・コンパクト銀河群[12]

目に見える物質の重力は、このように銀河をコンパクトに結び付けるには圧倒的に小さく、暗黒物質の効果を見ることができる。ハッブル時間を超えると、コンパクト銀河群は安定ではなく、銀河の合体等で進化する[10]

化石銀河群

化石銀河群は、古い銀河群の残骸である。ここでは、明るい銀河が合体して楕円銀河を形成している。このような系は、未だ祖先の銀河群程度の大きさのX線ハロを持っている。また、合体していない矮小銀河を含むことがあるが、より重いものは中央の銀河に凝集している[9][10]

原始銀河群

原始銀河群は、形成の途上にある銀河群である。原子銀河団の小さな形態である[13]。これらは、暗黒物質ハロに埋め込まれた銀河や原始銀河を含み、単一の暗黒物質ハロを持つ銀河群への融合の途上にある[14]

出典

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 『天文学大事典』地人書館、初版第1版、165頁。ISBN 978-4-8052-0787-1
  2. ^ Bärbel Koribalski. “The NGC 6221/15 Galaxy Group”. 2015年5月3日閲覧。
  3. ^ Hartmut Frommert. “Groups and Clusters of Galaxies with Messier objects”. SEDS. 2015年5月3日閲覧。
  4. ^ Object classification in SIMBAD”. SIMBAD. 2015年5月3日閲覧。
  5. ^ L.S. Sparke; J.S. Gallagher (2007). Galaxies in the Universe: an Introduction (2nd ed.). Cambridge University Press. pp. 278. ISBN 9780521671866 
  6. ^ Mike Irwin. “The Local Group”. 2009年11月7日閲覧。
  7. ^ UTK Physics Dept. “Groups of Galaxies”. University of Tennessee, Knoville. 2012年9月27日閲覧。
  8. ^ Muñoz, R. P.; Motta, V.; Verdugo, T.; Garrido, F. et al. (11 December 2012). “Dynamical analysis of strong-lensing galaxy groups at intermediate redshift”. Astronomy & Astrophysics 552: 18. arXiv:1212.2624. Bibcode2013A&A...552A..80M. doi:10.1051/0004-6361/201118513. A80. 
  9. ^ a b Mulchaey, John S. (22 September 2000). “X-ray Properties of Groups of Galaxies”. Annual Review of Astronomy and Astrophysics 38: 289–335. arXiv:astro-ph/0009379. Bibcode2000ARA&A..38..289M. doi:10.1146/annurev.astro.38.1.289. http://ned.ipac.caltech.edu/level5/Sept03/Mulchaey/frames.html. 
  10. ^ a b c d Paul Hickson (1997). “Compact Groups of Galaxies”. Annual Review of Astronomy and Astrophysics 35: 357–388. arXiv:astro-ph/9710289. Bibcode1997ARA&A..35..357H. doi:10.1146/annurev.astro.35.1.357. http://ned.ipac.caltech.edu/level5/Sept01/Hickson/Hickson_contents.html. 
  11. ^ M. Stephan. “Nebulæ (new) discovered and observed at the observatory of Marseilles, 1876 and 1877, M. Stephan”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 37: 334. Bibcode1877MNRAS..37..334S. 
  12. ^ Hickson, Paul. “Systematic properties of compact groups of galaxies”. Astrophysical Journal, Part 1 255: 382–391. Bibcode1982ApJ...255..382H. doi:10.1086/159838. 
  13. ^ Yujin Yang (2008). Testing Both Modes of Galaxy Formation: A Closer Look at Galaxy Mergers and Gas Accretion. ProQuest. p. 205. ISBN 9780549692300 
  14. ^ C. Diener; S. J. Lilly; C. Knobel; G. Zamorani et al. (9 October 2012). “Proto-groups at 1.8<z<3 in the zCOSMOS-deep sample”. The Astrophysical Journal 765 (2): 11. arXiv:1210.2723. Bibcode2013ApJ...765..109D. doi:10.1088/0004-637X/765/2/109. 109. 

銀河群

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/29 00:44 UTC 版)

銀河団」の記事における「銀河群」の解説

銀河団なかでも、より小さな領域数十程度規模で集まるものを銀河群、またはよりわかりやすくコンパクト銀河群と呼ぶことがあるPaul Hickson は1982年このような銀河群をヒクソン・コンパクト銀河群という銀河カタログまとめている。太陽系を含む銀河系天の川銀河)が属している銀河群は局部銀河群呼ばれ最大規模アンドロメダ銀河始め40個以上の銀河含まれている。 典型的な銀河群に含まれる銀河せいぜい50程度で、銀河群の直径は約2Mpc程度である。銀河群の質量はおよそ1013太陽質量である。銀河団内の銀河互いに重力拘束されており、銀河団サイズと各銀河の固有運動速度から、今後10億単位衝突合体して巨大銀河集約する考えられている。

※この「銀河群」の解説は、「銀河団」の解説の一部です。
「銀河群」を含む「銀河団」の記事については、「銀河団」の概要を参照ください。

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