他の銀河群・銀河団との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 08:18 UTC 版)
「局所銀河群」の記事における「他の銀河群・銀河団との関係」の解説
局所銀河群に最も近い距離にある銀河群のひとつにちょうこくしつ座銀河群 (Sculptor Group) やIC 342/マフェイ銀河群 (IC 342/Maffei Group) があり、700万–1000万光年ほど離れている。その他、近隣にはおおぐま座のM81銀河群 (M81 Group)、M101銀河群 (M101 Group)、りょうけん座のM51銀河群 (M51 Group)、ケンタウルス座A/M83銀河群 (Centaurus A/M83 Group) などがある。5000万–7000万光年ほど離れたところにおとめ座銀河団があり、これら全てがおとめ座超銀河団に含まれる。 1990年代中ごろまで、局所銀河群はおとめ座銀河団に取り込まれつつあるという説が有力だった。しかし、1990年代後半、宇宙の膨張速度が加速的に増加していることが確認された。この現象を加味すると、前述の銀河系を含む局所銀河群がおとめ座銀河団に取り込まれるという予想は、覆ってしまう可能性がある。 この説では、実際に銀河団同士が引き合う引力は、まだ総量が確定されていないダークマターの質量を含めても宇宙の膨張による離間速度差を埋めるまで至らず、宇宙の膨張に準じて、それぞれの銀河団と銀河団の空間が大きくなり、最終的には重力と斥力のバランスが落ち着く程度の総量を含む銀河団が、個々に安定的な系を成すことが予想される。その際、安定した個々の銀河団は光速の壁に阻まれ、一つの安定した銀河団単位に孤立した宇宙(空間)として切り離されるものと予測されている。 遠い将来の宇宙の姿について、実際の銀河団による小さな宇宙になるのか、それとも、ビッグクランチを起こすのか、あるいは永遠の膨張を続けるような宇宙になるのかという結論は、今後、大統一理論 (TOE) の登場とその理論による解析を待たなくてはならないと考えられている。
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