銀河の一覧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/16 05:39 UTC 版)

以下は、著名な銀河の一覧である。
銀河の一覧
銀河 | 星座 | 備考 |
---|---|---|
M82 | おおぐま座 | 「葉巻銀河」とも呼ばれる。スターバースト銀河のプロトタイプ銀河である。 |
M87 | おとめ座 | おとめ座超銀河団の中心にあるおとめ座銀河団の中心銀河である[1]。 |
M102 | りゅう座 (おおぐま座) | この銀河は未だ確定されていない。最も確からしい候補はNGC 5866であり、M101の誤認の可能性もある。その他の候補も提案されている。 |
NGC 2770 | やまねこ座 | NGC 2770では近年3つの超新星が発生し、「Supernova Factory」とも呼ばれる。 |
NGC 3314
|
うみへび座 | 1対の渦巻銀河であるが、一方が他方に重なっており、相互作用はない。このような配置は非常に珍しい。 |
ESO 137-001 | みなみのさんかく座 | じょうぎ座銀河団の中にあり、銀河団の中を高速で移動しているため、星間物質の圧力でガスを剥ぎ取られつつあり、大量の星形成が行われる高密度の尾を形成している。この尾は、これまで銀河系以外で観測された最も大量の星形成である。この銀河は、尾を持った彗星のように見える[2][3][4][5]。 |
彗星銀河 | ちょうこくしつ座 | Abell 2667の中にある渦巻銀河で、銀河団の中を高速で移動しているため、潮汐力により恒星やガスを剥ぎ取られつつあり、彗星のように見える。 |
命名された銀河の一覧
以下は、カタログの登録番号などのシステム的な命名法以外の何らかのよく知られた名前を持つ銀河の一覧である。
銀河 | 星座 | 命名の由来 | 備考 |
---|---|---|---|
銀河系 (天の川銀河) | いて座 (中心) | 地球が含まれる銀河である。銀河系内の恒星の密度の濃い部分が夜空に霞がかかったように見え、微かな光でぼやけて見えることから、英語ではMilky Way、日本語では天の川銀河とも呼ばれる。 | |
アンドロメダ銀河 | アンドロメダ座 | 存在する星座の名前に由来する。単に「アンドロメダ」とも呼ばれる。 | |
ボーデの銀河(M81) | おおぐま座 | 1774年にこの銀河を発見したヨハン・ボーデの名前に由来する。 | |
車輪銀河 | ちょうこくしつ座 | 形がスポークのある車輪のように見えることから名付けられた。 | |
葉巻銀河(M82) | おおぐま座 | 形が葉巻のように見えることから名付けられた。 | |
彗星銀河 | ちょうこくしつ座 | 彗星のように見える特異な形から名付けられた。 | この彗星のような形は、銀河団Abell 2667の潮汐力のせいである。 |
ホーグの天体 | へび座 | この環状銀河を発見したアート・ホーグの名前にちなむ。 | 中心天体の回転平面にリングを持つ極リング銀河である可能性がある。 |
大マゼラン雲 | かじき座/テーブルさん座 | フェルディナンド・マゼランの名前に因む。 | 局所銀河群で4番目に大きい銀河であり、小マゼラン雲と対を作っている。最近の研究では、銀河系の伴銀河ではないことが明らかとなった。 |
小マゼラン雲 | きょしちょう座 | フェルディナンド・マゼランの名前に因む。 大マゼラン雲と対を作っている。最近の研究では、銀河系の伴銀河ではないことが明らかとなった。 |
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メイオール天体 | おおぐま座 | 発見者であるリック天文台のニコラス・メイオールに因む[6][7][8]。 | VV 32やArp 148とも呼ばれる。非常に奇妙な形の天体で、単独の銀河ではなく、紡錘形と環形の2つの銀河が衝突しているように見える。 |
風車銀河(M101) | おおぐま座 | 風車 (玩具)のように見えることから名付けられた。 | |
ソンブレロ銀河 | おとめ座 | ソンブレロのように見えることから名付けられた。 | |
ひまわり銀河(M63) | りょうけん座 | ||
おたまじゃくし銀河 | りゅう座 | オタマジャクシのように見えることから名付けられた。 | この形は、潮汐相互作用のために尾を引いているように見えるためである。 |
子持ち銀河 | りょうけん座 |
裸眼で見える銀河の一覧
以下は、裸眼で見える、または見えたとされる記録のある銀河の一覧で、視等級の高い順番に並んでいる。高度が高く非常に暗い環境の澄んだ空で、安定した気候の時に視力の良い人が見た場合である。
銀河 | 視等級 | 距離 | 星座 | 備考 |
---|---|---|---|---|
銀河系 (天の川銀河) | -26.74 (太陽) | 0 | いて座 (中心) | 我々の銀河である。銀河面吸収帯を構成する天の川を含め、夜空に裸眼で見える天体の大部分は、この銀河に属している[9]。太陽系が属しているため、自明ではあるが唯一の『昼間に見える銀河』『惑星の見える銀河』でもある。 |
大マゼラン雲 | 0.9 | 160 kly (50 kpc) | かじき座/テーブルさん座 | 南半球のみで見ることが出来、最も明るい銀河である[9][10][11]。 |
小マゼラン雲 (NGC292) | 2.7 | 200 kly (60 kpc) | きょしちょう座 | 南半球のみで見ることが出来る[9][12]。 |
アンドロメダ銀河 (M31, NGC224) | 3.4 | 2.5 Mly (780 kpc) | アンドロメダ座 | かつては、「アンドロメダ大星雲」と呼ばれていた。アンドロメダ座の中にある[9][13]。 |
Ω星団 (NGC5139) | 3.7 | 18 kly (5.5 kpc) | ケンタウルス座 | かつては恒星であると思われていたが、後に球状星団であることが分かった。2008年4月にΩ星団の中心にブラックホールが発見され、矮小銀河の可能性があるとされている[14]。 |
さんかく座銀河 (M33, NGC598) | 5.7 | 2.9 Mly (900 kpc) | さんかく座 | 希薄な銀河で、わずかの光害に強く影響される。真に暗い空では容易に見ることができる[15]。 |
ケンタウルス座A (NGC 5128) | 7.8 | 13.7 ± 0.9 Mly (4.2 ± 0.3 Mpc) | ケンタウルス座 | ケンタウルス座Aは、Stephen James O'Mearaによって裸眼で観測された[16]。 |
ボーデの銀河(M81, NGC3031) | 7.89 | 12 Mly (3.6 Mpc) | おおぐま座 | 非常に良い環境下で、経験を積んだアマチュア天文家であれば、見ることができる、という報告がある[17][18][19]。 |
NGC 253 | 8.0 | 11.4 ± 0.7 Mly (3.5 ± 0.2 Mpc) | ちょうこくしつ座 | ブライアン・スキッフによると、この銀河が裸眼で見えるか否かについて、1960年代末から1970年代初めにかけて、Sky & Telescopeの投書欄で議論された[20]。 |
M83 (NGC 5236) | 8.2 | 14.7 Mly (4.5 Mpc) | うみへび座 | M83は裸眼で見えたと言われている[21]。 |
最初に発見・観測された銀河
主題 | 銀河 | 星座 | 日付 | 備考 |
---|---|---|---|---|
銀河 | 銀河系 & アンドロメダ銀河 | いて座 (中心) & アンドロメダ座 | 1923年 | エドウィン・ハッブルは、アンドロメダ銀河までの距離を測定して銀河系の一部ではなく別の銀河であることを発見し、銀河系は宇宙全体ではないと認識した。最初に観測された銀河は、裸眼で見える全ての銀河であるが、20世紀までは銀河であると認識されていなかった。 |
電波銀河 | はくちょう座A | はくちょう座 | 1952年 | かつては「電波星」とされていたが、遠方の銀河であることが確認され、多々の電波星の中で最初に「電波銀河」とされた[22]。 |
クエーサー | 3C 273 3C 48 |
おとめ座 さんかく座 |
1962年 1960年 |
3C 273は最初に赤方偏移が観測され、クエーサーであると考える者もいた。3C 48は解読不能のスペクトルを持つ最初に発見された「電波星」であり、クエーサーと考えられた最初の天体。 |
セイファート銀河 | M77 (NGC 1068) | くじら座 | 1908年 | セイファート銀河の特徴は、1908年にM77で初めて観測されたが、分類として確立されたのは1943年である[23]。 |
低表面輝度銀河 | Malin 1 | かみのけ座 | 1986年 | Malin 1は最初に低表面輝度銀河であることが証明された銀河である。低表面輝度銀河はは1976年に理論化された[24]。 |
電波銀河 | はくちょう座A | はくちょう座 | 1951年 | [25] |
食われつつある銀河 | Ω星団 | ケンタウルス座 | Ω星団は、銀河系に食われつつある矮小銀河の核であると考えられており、1677年に星雲として初めてカタログに登録された。現在は、球状星団に分類されている。 | |
超輝度銀河ジェット | 3C 279 | おとめ座 | 1971年 | ジェットはクエーサーから放出されている。 |
超輝度セイファート銀河ジェット | III Zw 2 | うお座[26] | 2000年 | [27] |
渦巻銀河 | 子持ち銀河 | りょうけん座 | 1845年 | ウィリアム・パーソンズが「渦巻星雲」として発見した[28]。 |
プロトタイプ銀河
以下は、銀河の分類におけるプロトタイプ(原型)となった銀河の一覧である。
分類 | 銀河 | 星座 | 日付 | 備考 |
---|---|---|---|---|
とかげ座BL型天体 | とかげ座BL (BL Lac) | とかげ座 | この活動銀河核は、当初は変光星としてカタログに登録された。この型の「天体」は、とかげ座BL型とされている。 | |
ホーグ型銀河 | Hoag's Object | へび座 | ホーグ型環状銀河のプロトタイプ銀河である。 | |
巨大低表面輝度銀河 | Malin 1 | かみのけ座 | 1986年 | [29] |
FR II 電波銀河 (二重ローブ電波銀河) |
はくちょう座A | はくちょう座 | 1951年 | [30] |
極端な銀河
主題 | 銀河 | データ | 星座 | 備考 |
---|---|---|---|---|
最も近接する連星ブラックホール | 4C 37.11 | 24 ly (7.3 pc) | ペルセウス座 | OJ 287は、12年の周期で対になっていると推測され、そうであれば4C 37.11の連星より近接していることになる。 |
距離
主題 | 銀河 | 星座 | 距離 | 備考 |
---|---|---|---|---|
最も近い隣の銀河 | おおいぬ座矮小銀河 | おおいぬ座 | 2万5000光年 | 2003年に発見された銀河系の伴銀河で、ゆっくりと飲み込まれている。 |
最も遠い銀河 | z8 GND 5296 | z=7.51 | 分光観測によって銀河であることが証明された中で最も遠い天体。291億光年(見かけの距離130億光年)離れていると推測されている。 | |
UDFj-39546284 | ろ座 | z=11.9 | 分光観測されていないので、本当に銀河であることは確かめられていない。329億光年(見かけの距離134億光年)離れていると推測されている。値の不確かさがMACS0647-JDよりも大きい。 | |
z=10.3 | 分光観測されていないので、本当に銀河であることは確かめられていない。319億光年(見かけの距離133億光年)離れていると推測されている。既知の最も古く最も遠い天体であると報じられている[31]。値の不確かさがMACS0647-JDよりも大きい。 | |||
MACS0647-JD | きりん座 | z=10.7 | 分光観測されていないので、本当に銀河であることは確かめられていない。322億光年(見かけの距離133億光年)離れていると推測されている。値の確かさがUDFj-39546284よりも正確である。 | |
最も近いクエーサー | 3C 273 | おとめ座 | z=0.158 | 最初に確認されたクエーサーで、一般的に最も近いクエーサーとされる。 |
最も遠いクエーサー | ULAS J1120+0641 | うお座 | z=7.085 | |
最も近い電波銀河 | ケンタウルス座A (NGC 5128, PKS 1322-427) | ケンタウルス座 | 13.7 Mly | [32] |
最も遠い電波銀河 | TN J0924-2201 | うみへび座 | z=5.2 | |
最も近いセイファート銀河 | ESO 97-G13 | コンパス座 | 13 Mly | 最も近いセイファート2銀河でもある。最も近い最も近いセイファート1銀河は、NGC 4151である。 |
最も遠いセイファート銀河 | z= | |||
最も近いブレーザー | マルカリアン421 | おおぐま座 | z=0.030 | とかげ座BL型天体である[33][34]。 |
最も遠いブレーザー | Q0906+6930 | おおぐま座 | z=5.47 | 平らなスペクトルを持つ電波型ブレーザーである[35][36]。 |
最も近いとかげ座BL型天体 | マルカリアン421 | おおぐま座 | z=0.030 | [33][34] |
最も遠いとかげ座BL型天体 | z= | |||
最も近いLINER | ||||
最も遠いLINER | z= | |||
最も近いLIRG | ||||
最も遠いLIRG | z= | |||
最も近いULIRG | IC 1127 | へび座 | z=0.018 | [37] |
最も遠いULIRG | z= | |||
最も近いスターバースト銀河 | M82 | おおぐま座 | 3.2 Mpc | [38][39] |
最も遠いスターバースト銀河 | マウス銀河 | 髪の毛座 | 14.8g, 17.1g | |
最も遠いスターバースト銀河 | z= |
明るさ
主題 | 銀河 | データ | 備考 |
---|---|---|---|
見かけが最も明るい銀河 | オロチ | 実際には重力レンズ効果による増光が原因である。重力レンズ効果を考慮しないならばCOSMOS J100054.13+023434.9が最も明るい。 | |
見かけが最も暗い銀河 | |||
最も明るい銀河 | WISE J224607.57-052635.0 | 2015年に発見された全宇宙で最も明るい銀河 | |
最も暗い銀河 | うしかい座矮小銀河 (Boo dSph) | 絶対等級 -6.75 | 暗黒銀河ではない。 |
表面輝度の最も高い銀河 | |||
表面輝度の最も低い銀河 | アンドロメダ座IX | ||
視等級の最も高い銀河 | 大マゼラン雲 | 視等級 0.6 | |
視等級の最も暗い銀河 |
質量
主題 | 銀河 | 質量 | 備考 |
---|---|---|---|
最も軽い銀河 | Willman 1 |
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