G350.1-0.3とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > G350.1-0.3の意味・解説 

G350.1-0.3

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/19 04:02 UTC 版)

G350.1-0.3
超新星残骸G350.1-0
星座 さそり座
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α) 17h 21m 01s[1]
赤緯 (Dec, δ) -37° 26.0′[1]
距離 1.5万光年[2]
4600パーセク
物理的性質
直径 8光年[2]
2パーセク
Template (ノート 解説) ■Project

G350.1-0.3は、銀河系超新星残骸であり、恐らく中性子星XMMU J172054.5-372652と同じ超新星爆発によって形成された。かつては、遠い銀河に誤分類されていた[2][3]

G350.1-0.3は、銀河系内部の明るい電波源であり、モロンゴ天文台統合望遠鏡とパークス天文台の比較観測によって発見され、1973年[4]から1975年[5]に超新星残骸に分類する論文が発表された。しかし、1980年代中盤の高解像度画像で、他の超新星残骸の形態とはかなり異なった不規則な形であることが明らかとなった[5][2]。その後、G350.1-0.3は、電波銀河銀河団ではないかと議論され、その結果、超新星残骸のカタログでは、「超新星残骸候補」に格下げされるか、完全に抹消された。その後、G350.1-0.3は、いわば忘れられた[5]

かつてのデータとXMM-Newtonの新しい画像を用いた2008年の研究で[5]、G350.1-0.3は超新星残骸であることが示され[3][2]、この奇妙な形は、地球から約15000光年の濃いガス雲のすぐそばで爆発が起こったためであり、そのため拡大できず、長細い形態になったと説明された[2]。また、近くにある熱X線源XMMU J172054.5-372652は、超新星の中心部のコンパクト星であるとされた[5]

G350.1-0.3の直径は約8光年で、900歳から1000歳と、銀河系で最も若く明るい超新星残骸であると推測される。しかし、恒星間塵で隠され、地球からその爆発は見えなかったと考えられている[2]

出典

  1. ^ a b c MSC 350.1-0.3 -- SuperNova Remnant Candidate”. SIMBAD. 2018年4月18日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g "Detective astronomers unearth hidden celestial gem", European Space Agency, 10 June 2008
  3. ^ a b "XMM-Newton Discovers Strange-Shaped Supernova Remnant", Universe Today, 11 June 2008
  4. ^ "New Galactic Supernova Remnants", Nature 246, 28-30, 2 November 1973 doi:10.1038/246028a0
  5. ^ a b c d e The (Re-)Discovery of G350.1−0.3: A Young, Luminous Supernova Remnant and Its Neutron Star, The Astrophysical Journal Letters, 680:L37–L40, 2008 June 10, doi:10.1086/589650

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「G350.1-0.3」の関連用語

G350.1-0.3のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



G350.1-0.3のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのG350.1-0.3 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS