小マゼラン銀河の国家・勢力
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「無限航路」の記事における「小マゼラン銀河の国家・勢力」の解説
エルメッツァ星間国家連合 小マゼラン銀河最古の国家で、通称「エルメッツァ連邦」。首都星はツィーズロンド。 およそ80の惑星国家の連合体で成っている。物語の最初の舞台となるロウズ自治領も、エルメッツァに所属する。 中央政府と地方政府がそれぞれ艦隊を持っており、エルメッツァの全軍で1万5,000隻の軍艦を所有する小マゼラン銀河の最大勢力。小マゼラン全体では民間船を含めて3万隻とされており、小マゼランでも圧倒的に群を抜く保有艦船数を誇るが、個々の性能については可もなく不可もなくといった平凡なもので、他国ほど重視されていない。艦載機の運用は余り重視していないが、国産の艦載機を輸出しており、一般的に小マゼランで流通している艦載機はエルメッツァ製が主である。 カルバライヤとの友好関係を構築しつつ、ネージリンスの移民支援も行うことにより、小マゼラン銀河の盟主としての影響力を維持しようとする、巧みな外交力を発揮している。 一方でその保有戦力が国土の広さに対して足りておらず、辺境宙域を中心に領内の治安維持に大きな問題を抱えている。また、政府および軍内部の腐敗が進んでおり、特に地方軍はそれが顕著で、海賊へ内通・転向する者が後を絶たない始末となっている。こうした状況を打破して腐敗を正そうと画策する改革派と古くからの制度を重んじる保守派に分かれ、更には地方軍を巻き込んでの勢力争いを繰り広げており、それによって生ずる統制の乱れから、却って治安の悪化に拍車を掛けている。 接近するヤッハバッハ先遣艦隊を最初に発見、交渉にあたるが決裂、交戦状態に入るが衆寡敵せず首都星まで攻め込まれ、小マゼランで最初にヤッハバッハに滅ぼされた国となった。以降はヤッハバッハによる小マゼラン掌握の拠点として機能する。スカーバレル海賊団 エルメッツァの宙域で活動する宇宙海賊団。一般的な海賊団のように一人の首領に率いられるのではなく、複数の幹部によって運営される海賊ギルドのような組織形態で活動しており、作中に登場したバルフォスとアルゴン・ナラバタスカ以外にも幹部が存在するらしい。要塞クラスの規模と設備を備えた拠点を持ち、軍の艦船の設計図を盗用した独自の艦船の開発・改修・量産を行えるなど、その勢力および組織力は強大である。また、軍人を買収して内通させることで海賊活動をやり易くするなど、好き勝手に暴れ回っている。 イスモゼーラ社 惑星フィオンに本社を構える兵器企業。ミサイルなどの実弾系兵装を得意とする。スカーバレル海賊団の一味により会長が殺害されて社長も追放され、事実上乗っ取られてしまっている。 カルバライヤ星団連合 大マゼラン暦2121年にエルメッツァ連邦から独立戦争を経て独立した国家。元々はエルメッツァ辺境の開拓地域だった。首都星はバルバウス。 資源産出国であり、開拓者精神に溢れる国民性が特徴だが気性の荒い性格の持ち主が多い。 全体的に貧しい国だが軍事技術は高く、独自開発のディゴマ甲を用いた艦船の装甲は頑丈で、その強度は小マゼラン随一である。艦隊運用は対艦砲撃戦を主体戦術としており、保有艦船には高火力・重装甲なものが多い。 100年前にカルバライヤが見つけた豊かな資源惑星の多くを、後から来たネージリンスに先に占拠されてしまい、今の貧しい生活のフラストレーションの矛先をネージリンス人に向けている。 国防の任に当たる正規軍とは別に、海賊対策に当たる宙域保安局が設置されている。また、小規模だが政治委員直属の艦隊もある。 ゼーペンスト自治領のあるゼーペンスト領域は、カルバライヤ星系に所属する。 ヤッハバッハによる小マゼラン制圧には最後まで抵抗したが、多数の居住可能惑星を失い抵抗に失敗した。グアッシュ海賊団 カルバライヤ宙域で活動する宇宙海賊団。首領グアッシュの指示により、宙域保安局と激しく対立する。本拠地は"クモの巣"と呼ばれる暗礁宙域にあり、そこに小惑星を利用した大規模な拠点を築いている。ユーリがカルバライヤを訪れる1年ほど前に首領のグアッシュが捕まり収監されたにもかかわらず、その勢いは衰えるどころか勢力を拡大し続けており、保安局によって一部宙域への進入が制限される事態にまで発展している。 宙域保安局 海賊対策を中心にカルバライヤ領内の治安維持を行う公的組織。ネージリンスとの対立が激化したことで、軍の役割をその対応へ専念させるために結成された。その性質上独自の大規模な戦力を有しており、速力を重視した専用の戦闘艦を数多く保有する。首領が逮捕されたにもかかわらず、勢力を拡大し続けるグアッシュ海賊団に対して対応が追い付かなくなっている。 ネージリンス星系共和国 大マゼラン銀河のネージリッドが超新星爆発に見舞われた際、難民となり小マゼラン銀河に流れ着いた人々によって建国された国家。首都星はアークネージ(建国当初はシェルネージだったが、カルバライヤとの関係が悪化したことにより遷都した)。 母国であるネージリッドと同様に軍事面では空母および艦載機を主力としており、その技術力と運用ノウハウは小マゼランでも群を抜く。また、小マゼランで唯一重力カタパルトを備えた純粋空母を保有し、独自の国産艦載機(性能は一般に流通しているエルメッツァ製の輸出品を遥かに凌ぐ)までも備えている。 エルメッツァ連邦の支援を受けており、カルバライヤ星団連合とは領域争いのため関係は険悪で、彼らのことをカードゥという蔑称で呼んでいる。 他文化人にはいい顔はされていないが、恩義を金という形で返す事を是としている。 大マゼラン銀河と小マゼラン銀河を繋ぐ唯一のボイドゲートがあるため、航路となるマゼラニックストリームでは自治領カシュケントを中心に交易が栄える。 ヤッハバッハによる小マゼラン侵攻ではいち早く侵略者に鞍替え、銀河内での地位確保、戦力温存に成功している。セグェン・グラスチ 惑星シェルネージに本社を構える小マゼラン最大の造船会社。ネージリッドから大マゼラン銀河の技術も入っているため、高い技術力を誇る。
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