小ロシア主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 14:50 UTC 版)
「小ロシア」の地名に由来し、ウクライナ人の間に見られるロシアに対する劣等感、「小ロシア主義」(ウクライナ語: Малоросійство)という社会的・心理的現象が存在する。その現象の原因は、ウクライナが長い間にロシアに支配されて、政治・社会・学問・文化などの多面において抑圧されてきたことにあると考えられる。小ロシア主義の信奉者は、ウクライナ人でありながら、ウクライナの政治・社会・文化・伝統に対し偏見あるいは敵意を抱いて発展の必要性を否定しており、ロシアの社会を崇めてロシアの文化を優先し、ウクライナをロシアの政治文化圏の不可欠な国あるいは地方として位置づけている人である。19世紀のウクライナ知識人ムィハーイロ・ドラホマーノウは、小ロシア主義者はロシアの文化的影響によってウクライナの国民性が屈折されてロシア化したウクライナ人であると定義している。また、20世紀前半のウクライナ政治論者ヴヤチェスラーウ・ルィプィーンシクィイは、小ロシア主義が「無国の民の病」・「奴隷の心理」であると述べている。 小ロシア主義の反対語としてマゼッパ主義という用語が用いられることがある。 小ロシア主義の信奉者には、コサックの為政者イヴァン・イースクラとヴァスィーリ・コチュベーイ、作家ニコライ・ゴーゴリ、政治家パウロー・スコロパードシクィイ、学者ウラジミール・ベルナドスキー、技術者のセルゲイ・コロリョフなどが数えられる。
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