小ポーランド地方の特色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/12 13:58 UTC 版)
「ポーランドの民族衣装」の記事における「小ポーランド地方の特色」の解説
かつての首都クラクフを中心に発展した南部の地帯。ポーランドの民族衣装ではこの地方のものがもっとも有名。他の地方でもここの民族衣装が着られることが多い。 クラクフの衣装 かつての首都であり服装も豪華。男子はクヤヴィの部で述べた子ヒツジの毛皮で縁どった帽子を「マギェルキ」と呼んで着用する。色は赤で孔雀の羽根が付いている。「スクマナ」というケープ付きの長い外套の他に、トルコの影響を受けた大きな後部が三角になった襟のついた「キュレヤ」という白やベージュや紺の外套をまとう。襟をくつろげたシャツの上に襟を立てた袖のない膝丈ジャケットを着る。ジャケットは飾りボタンや房飾りで装飾され、その上から様々な鳴り物を提げたベルトを締めた。ズボンはデニム地で細い縞模様、冬季は紺のウール。革のブーツを履く。 女性は既婚女性はスカーフを被る。白いブラウスに、アンダースカートで可能な限り膨らませた無地の踝丈のスカートをはいて、白か細かい花模様のエプロンを締めた。エプロンは刺繍などで飾り、裾をギザギザ模様に飾り断ちしていることもある。ボディスはビロードや緞子で出来ていて未婚女性はスパンコールや刺繍などで非常に華やかに飾り立てる。大きなショールを好んで用いる。 ソンデンツキェの衣装 黒いフェルト帽、紺に赤い裏地を付け腰を絞って裾を四枚接ぎにして優美に広げた17世紀の貴族の乗馬服に似た膝丈の外套と、同じ紺色のズボンにはたっぷりと刺繍が施されている。靴も乗馬靴のように先が反り返った黒いブーツである。これは、17世紀にこの地方の住民がスウェーデンの侵攻を食い止めたために、王から記念としてスウェーデン兵の衣装を着ることを許されたという来歴の伝説がある。 女子は赤糸で刺繍した白いスカーフ、大きな襟と裾に22もの襞を畳んだジャケット、スカート、エプロンの一揃いである。 ルブリンの衣装 子ヒツジ縁の帽子をこの地方では「ドゥウバンギ」「ジャルナ」と呼ぶ。もっと一般的には麦わら帽子とフェルト帽を被り、青いウールのジャケットとズボンを穿く。婚礼などでは赤糸刺繍をした茶色の「スクマナ」を着て、シャツは赤いアップリケの付いたズボンや金属ボタンで飾った革ベルトの外に出す。ヴェストの上に赤いアップリケと小さな赤い立ち襟が特徴的なジャケットを重ねる。 女子はクラクフに準じる。 小ポーランド地方の位置 西クラクフ 東クラクフ クラクフ 小ポーランド地方 ポトハレ地方(英語版)ザコパネ ポトハレ地方(英語版)ザコパネ ポトハレ地方(英語版)ザコパネ ラヒ・ソンデツキェ (lachy Sądeckie (英語版))の男性の衣装 ラヒ・ソンデツキェの既婚女性の衣装 ラヒ・ソンデツキェの未婚女性の衣装 ルブリン ルブリン ルブリン県ビウゴライ(英語版) ルブリン県ビウゴライ(英語版) 高地民族 高地民族 ポトカルパチェ県リマヌフ(英語版)の高地民族 ポトカルパチェ県ジェシュフ サノク モクレ(英語版)のレムコ人(英語版)、サノク プシェムィシルのレムコ人(英語版)
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