大気の流れ・エルニーニョに関する用語とは? わかりやすく解説

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大気の流れ・エルニーニョに関する用語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/26 14:47 UTC 版)

予報用語」の記事における「大気の流れ・エルニーニョに関する用語」の解説

大気流れなどに関する語用区分説明循環指数 大気大循環の状態をみるために、その特徴をよく表すように作られ指数。主に、500hPa高度を用いて作られる東西指数極渦指数をはじめ、亜熱帯指数沖縄高度指数オホーツク海高気圧指数小笠原高気圧指数、中緯度高度指数東方海上高度指数西谷指数などがある。 備考 循環指数用い極東東西指数などの「極東」とは90°Eから180°Eの範囲を指す。90°Eの値を含み180°Eの値は含まない東西指数 偏西風南北蛇行しているか(低指数)、あるいは東西流れ卓越しているか(高指数)を示す指数で、特定緯度圏間の高度差またはそれを換算した地衡風速で表す。 備考 季節予報では40°Nと60°Nの500hPa高度偏差から算出している。 極渦 北極付近の上空に形成される低圧部のこと。 西谷 地球をとりまく大きな流れの中で、日本の西に気圧の谷形成されている状態。日本付近に南西気流流入しやすくなる日本谷 地球をとりまく大きな流れの中で、日本付近に気圧の谷形成されている状態。 東谷 地球をとりまく大きな流れの中で、日本の東気圧の谷形成されている状態。日本付近に北西気流流入しやすくなる北暖西冷型 気温分布型のひとつ。日本大きく北と西とに分けて北が平年より高く、西が平年より低い状態をいう。冬期暖冬関連して用いる。 備考 「北冷西暑」など、暖(暑)、冷、並を組み合わせて用いる。ただし、「暑」は西が平年より高い場合のみ。全国一様のときは、全国高温または全国低温などと表現する北冷西暑型 気温分布型のひとつ。日本大きく北と西とに分けて北が平年より低く、西が平年より高い状態をいう。夏期着目される。 層厚換算温度 2つ等圧面の間の高度差を温度換算した量で、等圧面間の気層の平均気温を表す。 備考 季節予報では、北半球全体緯度別に帯状平均した300hPa面と850hPa面間の層厚換算温度算出しており、おおよそ対流圏平均気温とみなすことができる。 偏西風 中心にして西から東に向かって吹く地球規模帯状風。 備考 平均的には、赤道付近極地方の下層部を除く対流圏偏西風域である。 偏東風 東から西向かってほぼ定常的に吹く地球規模帯状風。 圏界面 対流圈成層圏境界である対流圏界面を単に「圏界面」とも呼ぶ。 強風帯 周囲比べて風速大きな帯状領域規模大きなものでは、圏界面付近風速最大になり、中緯度帯に沿ってほぼ地球一周するジェット気流があり、逆に規模小さなものでは、集中豪雨時に大気下層700850hPa付近によく出現する下層ジェットがある。 ジェット気流 対流圏上部または圏界面付近の狭い領域集中して吹いている帯状非常に強い風通常10kmくらい上空強風の軸があり、中心風速寒候期には50~100m/sに達する。 備考 北半球では、緯度30付近にある亜熱帯ジェット気流と、その北側の中緯度帯にあり、寒帯前線をともなう寒帯前線ジェット気流とがある。後者はポーラー・ジェット気流ともいわれる強風軸 高層天気図などで強風帯中心連ねた線。ジェット気流中心線典型的な強風軸である。 偏西風の軸 ある高度で偏西風の最も強いところ。前線帯地上低気圧位置と密接に関連する偏西風の蛇行 極の周り西から東に流れ偏西風は、南と北の温度差減少させるように南北に波を打ち蛇行する偏西風の蛇行様子は、地上高・低気圧動向および天気経過と密接に関連する備考 a) 蛇行大きな流れ南北の熱の交換大きく、強い寒気南下することがある南北流型あるいは低指数循環という。b) 蛇行小さな流れ南北の熱の交換小さく、強い寒気南下することは少ない。東西流型あるいは高指数循環という。 ブロッキング現象 長波振幅大きくなり、その位相長期間停滞する現象。同じ天候長く続くことから、異常気象の原因ともなる。長波気圧の尾根ブロッキング高気圧という。 貿易風 赤道付近定常的吹いている対流圏下層偏東風エルニーニョ現象発生時には貿易風弱まるハドレー循環 低緯度における子午面方向南北直接循環。この循環の上気流域は対流活動活発な熱帯収束域に、下降気流域は亜熱帯高気圧域に対応する北半球が夏の時は赤道付近対流圏下層では南風が、上層では北風吹き、冬の時はその逆となる。 ウォーカー循環 太平洋赤道域で見られる東西循環通常対流圏下層東風が、上層西風吹いており、インドネシア付近上昇流域に、太平洋東部下降流になっているエルニーニョ現象時にはこの循環弱くなることが知られている。 テレコネクションパターン ある特定の季節において、遠く離れた地域例え500hPa高度偏差が同じ(あるいは全く逆の)符号となる分布統計的にいくつか見られる。その高度偏差パターン総称のこと。北東太平洋から北米大陸にかけてのPNA太平洋北米パターンユーラシア大陸から日本付近にかけてのEUユーラシアパターンなどがある。 熱帯の対流活動 季節予報気候監視では、熱帯収束帯前線に関する用語参照)に沿った積雲対流群など、熱帯における大規模な積雲対流群の活動を、熱帯の対流活動と呼ぶ。熱帯域積雲対流活動に伴う潜熱放出は、地球規模視点見た大気流れ駆動する重要な熱源のひとつである。 備考 熱帯の対流活動ENSOエンソ)や季節内変動モンスーンなど熱帯域大気と深い関係があるほか、中緯度大気流れ大きな影響与える。 北極振動AO大規模な海面気圧偏差パターンテレコネクションパターン)の一つで、北極域と中緯度域のあいだが逆符号となるほぼ同心円状偏差パターン北極域が平年より高い(低い)とき、中緯度域で平年より低く高く)なる。 冬季には成層圏にまで及ぶような背の高い構造をしており、極渦強さ関係している。日本天候左右する要因一つとして注目されているArctic Oscillation 季節内変動 季節変化より短く10日程度より長い周期強弱繰り返す大気変動総称このうち赤道域を3060日の周期対流活動活発域等が東進する現象赤道季節内振動、あるいは発見者の名前に因み、Madden-Julian振動MJO)と呼ぶ。 モンスーン 季節的交替する卓越風系、すなわち季節風いろいろな風に関する用語参照)を意味する。 広い意味では、この季節風伴う雨季含めてモンスーン定義される季節風卓越する地域モンスーン季節風気候帯呼ばれる代表的なものとしては、アジア・モンスーン(インド・モンスーン)を含む)、 オーストラリア・モンスーン、アフリカ・モンスーン、南アメリカ・モンスーンなどがあり、アジア・モンスーンに伴う対流活動変動日本天候大きな影響与える。 エルニーニョ現象に関する語用区分説明エルニーニョ現象 東部太平洋赤道域で2~7年おきに海面水温平年より1~2ときには2~5高くなり、半年から1年半程度続く現象この影響地球全体に及び、世界各地異常気象引き起こす傾向がある。 備考 a) 気象庁では、エルニーニョ監視海域のうちNINO.3海域北緯5度南緯5度西経150度~90度)の月平均海面水温用いてエルニーニョ現象ラニーニャ現象次のように定義している。 世界的に統一された定義はない。 エルニーニョ現象:NINO.3海域の月平均海面水温基準値(その年の前年までの30年間の各月平均値)との差の5か月移動平均値が6か月以上連続して0.5以上になった場合ラニーニャ現象同じくか月移動平均値が6か月以上連続して0.5以下になった場合。b) 「エルニーニョ」は狭義には、クリスマスのころエクアドルからペルー沿岸暖水進入する現象を指すが、広域的な現象として「エルニーニョ現象」と同じ意味で用いられることもある。 季節予報などの解説広域的な現象を指す場合は「エルニーニョ現象」を用いる。 ラニーニャ現象 エルニーニョ現象とは逆に東部太平洋赤道域の海面水温平年より低くなる現象備考 季節予報などの解説では「ラニーニャではなくラニーニャ現象」を用いる。 南方振動指数 南太平洋上のタヒチオーストラリアダーウィン地上気圧偏差を基に、その差を指数化したもので、貿易風強さ目安となる。エルニーニョ現象発生時にはマイナス(負値)となることが多い。 ENSOエンソエルニーニョラニーニャ現象南方振動とは、同じ現象海洋大気側面からとらえたものと考えられエルニーニョEl Nino)と南方振動Southern Oscillation)のそれぞれの頭文字取ってENSOエンソ)と呼ばれている。 エルニーニョ監視海域 気象庁エルニーニョ現象監視するために太平洋赤道域に設けた監視海域で、NINO.1+2、3、4、WEST海域がある。単に「エルニーニョ監視海域と言う場合エルニーニョ現象シグナルとして最も重要な「NINO.3海域」を指す。 別図 参照備考 米国海洋大気庁(NOAA)では、エルニーニョ現象ラニーニャ現象の定義にはNINO3.4(北緯5度南緯5度西経170度~120度)の月平均海面水温用いている。 OLR指数 OLR気象衛星に関する用語参照)を使って求めた指数で、正の値は積乱雲が多いすなわち対流活動平年よりも活発であることを、負の値は対流活動平年より不活発であることを表す。 備考 気象庁指数計算する領域には、フィリピン付近インドネシア付近日付変更線付近3つがある。月毎変動の他に、ENSO状況あわせて数年周期変動を示す。詳細はこちらを参照赤道東西風指数 赤道付近東西循環指数1つで、正(負)の値は西風東風偏差であることを示す。 備考 気象庁指数計算する領域は、対流圏下層850hPa)の西部太平洋赤道域、中部太平洋赤道域、東部太平洋赤道域と対流圏上層(200hPa)のインド洋中部太平洋赤道域がある。月毎変動の他に、ENSO状況あわせて数年周期変動を示す。詳細はこちらを参照海洋データ同化システム 数が少なく空間的時間的に偏在している海洋観測データから、空間的時間的に均質なデータ生成するシステム暖水の蓄積 太平洋赤道付近において、貿易風によって海面近く相対的に暖かい海水(暖水)が、西部吹き寄せられ厚く蓄積すること。一方東部太平洋赤道域では、通常暖水厚さ薄くなっている。エルニーニョ現象などに伴って、この水温構造大きく変動する西風バースト 対流圏下層太平洋西部から中部にかけて赤道上で吹く強い西風のこと。 赤道挟んで北半球南半球それぞれに熱帯低気圧発生する(ツインサイクロン)ことに伴って吹くことが多い。エルニーニョ現象発生結びつくような海洋表層変化もたらすことがあるエルニーニョ予測モデル エルニーニョ現象等の予測使用する気象庁大気海洋結合モデルエルニーニョ監視速報 エルニーニョ現象等の監視予測に関して毎月1回発表する情報予測情報として、 向こうか月までの「エルニーニョ現象等の今後の見通し」を記述している。

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