大気の組成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 06:15 UTC 版)
地球の大気は窒素、酸素のほか多数の微量成分で構成される。1cm3あたり3×1019個の分子が含まれる。以下に国際標準大気(1975)における、海面付近(1気圧)の、エアロゾル等の微粒子を除いた清浄な乾燥空気の組成を解説する。 (*)を付けた成分は、呼吸や光合成などの生物の活動、車や工場の排気ガスなどの産業活動、空気中で起こる光化学反応に伴う合成・分解により、場所により大きく変動する。 実際の空気中で最も変動するのは水蒸気であり、最大で4%程度、低いときは0%近くまで低下する。全球地表平均では約0.4%となる(下表には含まない)。 (+)をつけた成分は、人為的に排出される成分であり、濃度が近年著しく変化しているものである。主に産業革命以降完全に人為的に排出されて大気中に残存した成分と、もともと自然界で排出されていたが産業革命以降人為的に大量に排出されて濃度が高まった成分とがある。 数値の右の(>)は、その値が通常の空気における最大値であることを示す。「1ppm>」であれば、最大1ppm、通常はそれ以下であることを意味している。 表1: 乾燥空気の主な組成(国際標準大気、1975年)成分 化学式 体積比 割合(vol%) ppm ppb 備考 窒素 N2 78.084 780,840 - 酸素 O2 20.9476 209,476 - アルゴン Ar 00.934 009,340 - 二酸化炭素 CO2 00.041 000,410 - +*2018年の値 ネオン Ne 00.001818 000,018.18 - ヘリウム He 00.000524 000,005.24 - メタン CH4 00.000181 000,001.81 1813±2 +2011年の値 クリプトン Kr 00.000114 000,001.14 - 二酸化硫黄 SO2 00.0001> 000,001> - * 水素 H2 00.00005 000,000.5 - 一酸化二窒素 N2O 00.000032 000,000.32 0324.2±0.1 +*2011年の値 キセノン Xe 00.0000087 000,000.087 0087 オゾン O3 00.000007> 000,000.07> 0070> * 二酸化窒素 NO2 00.000002> 000,000.02> 0020> * ヨウ素 I2 00.000001> 000,000.01> 0010> * 表2: 乾燥空気の微量成分成分 化学式 体積比割合(vol%) ppm ppb ppt 備考 クロロメタン CH3Cl 約0.000000055 - 0.55 約550 +* 2008年の値 ジクロロジフルオロメタン(CFC-12) CCl2F2 - - - 約540 + 2008年の値 トリクロロフルオロメタン(CFC-11) CCl3F - - - 約245 + 2008年の値 クロロジフルオロメタン(HCFC-22) CHClF2 - - - 約200 + 2008年の値 一酸化炭素 CO - - - 約91 +* 2008年の値 四塩化炭素 CCl4 - - - 約90 + 2008年の値 トリクロロトリフルオロエタン(CFC-113) C2Cl3F3 - - - 約75 + 2008年の値 1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a) C2H2F4 - - - 約50 + 2008年の値 1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン(HCFC-142b) CClF2CH3 - - - 約20 + 2008年の値 1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン(HCFC-141b) CCl2FCH3 - - - 約20 + 2008年の値 1,1,1-トリクロロエタン CH3CCl3 - - - 約10 + 2008年の値 1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a) C2H4F2 - - - 約4-9 + 2008年の値 六フッ化硫黄 SF6 - - - 約6.5 + 2008年の値 ブロモクロロジフルオロメタン(ハロン1211) CClBrF2 - - - 約4 + 2008年の値 ブロモトリフルオロメタン(ハロン1301) CBrF3 - - - 約3 + 2008年の値 アンモニア NH3 痕跡量*[要出典] - - - 地球大気がこのような成分に至った経緯については「地球の大気」を参照
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