ラニーニャ現象
別名:ラニーニャ
英語:La Niña
太平洋東部の赤道付近の海域において海水面の温度が平年よりも低くなる現象。同海域の海水面温度が異常上昇する「エルニーニョ現象」のちょうど逆の現象。
エルニーニョ現象およびラニーニャ現象は、ペルーとエクアドルの沖合から西方へ、太平洋のほぼ中心部まで伸びた海域で見られる。数年間隔でエルニーニョ現象とラニーニャ現象がほぼ交互に発生しており、セ氏温度で数度~十度弱ほどの温度差が同じ海域で発生していることになる。
ラニーニャ現象およびエルニーニョ現象は、周辺海域だけでなく世界各地の気候変動を伴う。日本でもラニーニャ現象およびエルニーニョ現象の発生に伴い、平年よりも気温が異常に上がったり、あるいは下がったり、雨量が異常に増えたり減ったりといった影響が観測される。
関連サイト:
エルニーニョ現象に伴う世界の天候の特徴 - 気象庁
ラニーニャ‐げんしょう〔‐ゲンシヤウ〕【ラニーニャ現象】
ラニーニャ現象(らにーにゃげんしょう)
南米のペルー沖で深海から冷水が湧き出て、太平洋で貿易風が強まって西向きの海流が発生する。ラニーニャとは、スペイン語で「女の子」の意味。
ラニーニャ現象とは逆に、ペルー沖の太平洋赤道付近で海面温度が上昇する現象のことをエルニーニョ(スペイン語で「男の子」の意味)現象と呼ぶ。
科学的なメカニズムが解明されているわけではないが、ラニーニャ現象が発生した年は、北大西洋でハリケーンが多く発生している。日本付近では、夏の気温は平年並みから高め、冬の気温は平年並みから低めとなる傾向がある。
アメリカの米海洋大気局(NOAA)は、今年に入ってラニーニャ現象が発生したとの見方を強めている。2000年から2001年にかけて発生して以来のこと。
(2006.02.06掲載)
ラニーニャ現象(らにゃーにゃげんしょう)
ラニーニャ現象はスペイン語で「少女」という意味で、東部太平洋赤道域の北緯4度~南緯4度、西経150度西経90度の海域をエルニーニョ監視海域とし、この海域での水温が低い状態(平年の-0.5度以下)で6ヶ月以上続く場合をラニーニャ現象と定義しています。数年に一度、ペルー、エクアドル海岸から東太平洋の赤道域にかけて、貿易風が普段よりも強まり、強い湧昇により、東太平洋の海面の水温が平年よりも低くなることがあります。これは、エルニーニョ現象により、東方へ追いやられた温水が西方に戻るときに発生するとされています。統計によれば、ラニーニャ現象が起こると、梅雨入りと梅雨明けが早まり、秋から冬にかけて気温が低くなる傾向がでています。中国の干ばつ、バングラディッシュの大洪水などは、ラニーニャ現象により引き起こされたといわれています。ラニーニャ現象がおこると、偏西風が蛇行して猛暑、渇水、寒冬など日本の気象にも影響が出るといわれています。1973年にラニーニャ現象が起きたときは、北陸や東北地方で大雪に見舞われました。
ラニーニャ現象
ラニーニャ現象 (らにーにゃげんしょう)
エルニーニョ・南方振動
(ラニーニャ現象 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/03 06:04 UTC 版)
エルニーニョ・南方振動(エルニーニョ・なんぽうしんどう、英語: El Niño-Southern Oscillation、ENSO、エンソ)とは、大気ではインドネシア付近と南太平洋東部で海面の気圧がシーソーのように連動して変化し(片方の気圧が平年より高いと、もう片方が低くなる傾向にある)、海洋では赤道太平洋の海面水温や海流などが変動する、各々の相が数か月から数十か月の持続期間を持つ地球規模での自然現象の総称である。
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ラニーニャ現象と同じ種類の言葉
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