東太平洋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 01:02 UTC 版)
海洋生物センサスのプロジェクトの一つCOMARGE(Continental Margin Ecosystems on a Worldwide Scale:大陸縁辺群集)により、チリ周辺の調査がなされ、メタン湧出帯や貧酸素環境の調査がなされた。それらの生態系の異質性は、局所的な動物相に影響されるということである。湧出帯の動物相は、ツキガイ科、ハナシガイ科、キヌタレガイ科(スエヒロキヌタレガイの仲間)、オトヒメハマグリ科(Calyptogena gallardoi)、また多毛類の一種ハオリムシ、さらにもう2種の多毛類などが含まれる。さらに、チリ周辺沖の貧酸素地域にある、柔らかい還元型の堆積物の中には、主に大型原核生物から構成される多様性に富む微生物生態系が構成されている。構成員はたとえば、大型でフィラメント状の「メガバクテリア」と言われるチオプローカ属、ベギアトア属や、「マクロバクテリア」と言われる様々な形質のもの)、原生生物(繊毛虫、鞭毛虫、有孔虫など)、小型の後生動物(線虫、多毛類など)が見つかっている Gallardo et al. (2007)。Gallardoら(2007) によれば、シアノバクテリアの化石と見られたものの一部は、これらの微生物の活動の後では無いかということである。 冷水湧出帯(海底窪地)はまた、カナダ・ブリティッシュコロンビアのHecate海峡でも見つかった。またはっきりしない動物相(冷水湧出帯としてもはっきりしない)がそこにあり、普通の動物相、たとえばアヤボラ(Fusitriton oregonensis)、イソギンチャクの一種 Metridium giganteum、外皮性のカイメン、キヌタレガイ属の Solemya reidi など。 化学合成生物群集を伴う冷水湧出帯は、アメリカ合衆国の太平洋岸、モントレー湾近くのモントレー海底谷の泥火山にもある。ここからはたとえば、シロウリガイ属の Calyptogena kilmeri やワダツミウリガイ(Calyptogena pacifica)、有孔虫の Spiroplectammina biformis などがある。 モントレー湾の冷水湧出帯の地図
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