受信機の構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 00:47 UTC 版)
受信機の基本的な構成は、以下からなる。まず、アンテナ(およびアース)で電波を受け、同調回路により目的の電波信号を取り出す。ここまでをRadio Frequency段、略してRF段ともいう。RFの信号から復調(検波)により音声信号を得る。ここから先をRF段に対してAudio Frequency段、略してAF段ともいう。AFの信号をスピーカーなどに出力し音声を得る。 鉱石ラジオはこの基本構成のみによる受信機である。実用的な受信機では、適宜増幅などを挟む。 図は、アナログ時代のオーソドックスな受信機の構成である。高周波1段、スーパーヘテロダイン方式で中間周波2段増幅のもので、無線従事者試験の問題等でも見かけられる。主として真空管時代には「高1中2」とも称ぜられた。 高周波増幅器 入力された信号を選択および増幅する低雑音増幅器である。信号が微弱な場合、初段に増幅段を設けると信号対雑音比(SN比)の良い装置にすることが可能である。現在ではUHF帯などでは低雑音のHEMTなどのトランジスタが用いられる。UHF帯以上の受信機では、LNA (Low Noise Amplifier) と呼ばれることが多い。入力信号が十分大きい場合や要求仕様によっては、フロントエンドの高周波増幅段は省略可能である。なお、ローノイズなトランジスタとロスの小さなBPFを組み合わせてミクサを設計すれば、LNAがある場合と同等の受信感度が得られることから、1980年代の自動車電話ではLNAは使われていない。高周波増幅器の隠れた役目として、ローカルリークと呼ばれるアンテナからの不要電波放射(局部発振器(ローカル)→ミキサ→高周波増幅器→アンテナ)を抑える役目がある。増幅器は順方向にはゲインがあるが、逆方向に対してはマイナスゲインとなり、逆流してくるローカル信号を減衰させる。 周波数変換器 局部発振器と混合器(ミキサまたはミクサとも言う)から構成される。受信信号を、その周波数に関係なく一定の低い周波数(中間周波数、IF。図の例の中波帯 (531 - 1602kHz) の場合は455kHzの中間周波数が多い)に変換する回路である。ここで周波数変換する理由は、以下の通りであり、受信回路の中でも特に重要な意味を持つ。受信対象信号の周波数のままで復調可能なレベルまで増幅しようとすると正帰還が生じて発振するなど増幅器が不安定になりやすい。 受信対象信号以外の信号を狭帯域のフィルタで減衰させないと、混信や後段アンプの飽和が発生してしまうが、高選択度の狭帯域フィルタの同調周波数を可変するのは容易でないこと、低い周波数の方が高選択度の狭帯域フィルタ作りやすいことから、一定の低い周波数(=中間周波数)の信号に変換する必要がある。 後段の受信処理回路はある程度低い周波数の方が作りやすいため、一定の低い周波数(=中間周波数)に変換する必要がある。 これをスーパーヘテロダイン(俗にスーパーと略された。周波数変換1回のものをシングルスーパーという。2回のものはダブルスーパー)方式と呼ぶ。1918年、エドウィン・アームストロング によって発明された。周波数は、入力信号と局部発振器出力の差の周波数に変換される(最近では中間周波数が受信周波数よりも高い場合もあり、その場合には和の周波数という構成もありうる)。なお、スーパーヘテロダイン方式では、受信対象の周波数以外にイメージ周波数も受信する(イメージ混信)。イメージ周波数の信号を受信しないためには、ミキサに入る前に、フィルタでイメージ周波数を十分に減衰させる必要があるが、最近の受信機、例えば、Bluetoothの受信回路ではイメージリジェクション型のミキサが使われるようになってきており、その必要が無くなってきている。 中間周波増幅器 この増幅器の目的は、1.復調可能なレベルまでの増幅、2.隣接した周波数の不要信号を除去するためのフィルタ機能、3.入力信号の強弱によって増幅率を可変して復調器への入力信号レベルを一定に保つ自動利得制御 (AGC) 機能などである。 復調器 受信する通信方式によって必要な復調機能を備える。ここでは包絡線検波器を仮定した。 低周波増幅器 検波器の出力である可聴周波数信号をスピーカーを鳴らせるレベルまで電力増幅する。
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受信機の構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 02:53 UTC 版)
機器の接続方法と信号の流れ データ放送の受信機器は以下の「サテラビューセット」に加え、スーパーファミコン本体、スーパーファミコン用のAVケーブル、テレビ・ビデオデッキなどを含むBSアナログチューナー内蔵機器、BSアンテナ、テレビと数多くの機器で構成された。 サテラビュー本体 型番 - SHVC-029 スーパーファミコン本体底面の28ピン拡張コネクタに接続するデータ放送受信モデム。BSアナログチューナーのビットストリーム端子から出力されたプログラムデータおよび音声データを受信し、スーパーファミコン本体へ送る。本体下部に設置するという構成は、かつてのファミリーコンピュータ ディスクシステムのそれに近いが、以下の点において機械としての進歩を見ることができる。 ・専用カセットとサテラビュー本体は独立しており、通常のカセットへの差し替えが容易。 ・スーパーファミコンとは底面のビス2本で固定。 ・後述の電源中継ボックスによってACアダプタを一本化。 内部には拡張コネクタが用意され電話回線やハードディスクを繋ぐ構想もあったが、この端子へ接続する機器は発売されなかった。 衛星放送専用カセット『BS-X -それは名前を盗まれた街の物語-』 型番 - SHVC-028 データを受信し実行するためのメニューアプリケーションを搭載したロムカセット。BS-Xカセットと略される。スーパーファミコン本体に挿し込み電源を投入するとタイトル画面に続き、コンピュータRPGに出てくるような「名前を盗まれた街」が現れる。プレイヤーは自分の分身となる少年または少女を動かし、街の中に点在する建物に入ることでデータの受信や実行を行うことができた。受信したゲームの進行状況や得点などのセーブデータはこのカセットのバックアップSRAMに記録される。 8Mメモリーパック 型番 - SHVC-031 受信したデータ放送番組を記録するためのメモリーカートリッジ。メモリーパックと略される。BS-Xや衛星放送対応カセットの上部に用意されたコネクタに差し込んで使用する。容量8Mビットのフラッシュメモリを搭載しており、データの書き換えや半永久的な保存が可能。音声放送の記録はできない。このメモリーパックを介することによるゲームボーイ・バーチャルボーイ・NINTENDO64など他機種へのゲームデータ配信も構想されたが実現はしなかった。 本体セットには1つ同梱された。1995年7月からはサテラビューサービスセンター経由での通信販売が開始され、後にサテラビュー取扱店や任天堂ホームページでの販売もされた。単品での税別販売価格は5,000円。いずれにも記録した番組名などを記入しメモリーパックへ貼り付けるためのインデックスラベルが1シート同梱された。 アスキーが発売したツクールシリーズの『RPGツクール2』『音楽ツクール かなでーる』『サウンドノベルツクール』では、セーブデータを保存する外部記憶装置として8Mメモリーパックを使用することができた。さらに『音楽ツクール かなでーる』で作成した曲データを8Mメモリーパックに記録させ、『サウンドノベルツクール』または『RPGツクール2』で使用することもできた。これらの機能を利用する場合サテラビュー本体を接続する必要はない。 同形状の周辺機器にROMパックが存在する。対応カセットへのデータ追加を目的としたロムカセットで、同梱または別売りされたソフトには『鮫亀』『SDガンダムGNEXT』がある。 AVセレクタ 型番 - SHVC-030 BSアナログチューナーまたは内蔵ビデオとスーパーファミコン本体の映像・音声を自動で切り換える機器。通常はBSアナログチューナーからの映像・音声をテレビに中継しており、スーパーファミコン本体の電源投入動作と連動してゲーム画面をテレビに表示させる。この他電源とビットストリーム信号をサテラビュー本体へ中継し、各機器の接続を容易にする役割も持つ。スーパーファミコン本体からの映像・音声の中継にはステレオAVケーブルまたはモノラルAVケーブルを使用する。RFスイッチ、S端子ケーブル、RGBケーブルは接続できないため、これらのケーブルを使用する場合はAVセレクタを経由せずにテレビと直接接続する。この機器の製作はホリ電機(現・HORI)が担当した。 ACアダプタ 型番 - SHVC-032 サテラビュー本体とAVセレクタ、スーパーファミコン本体へ電源を供給するための機器。AVセレクタへ接続し、コンセントへの常時接続と通電が推奨された。プラグの形状が異なるためスーパーファミコン本体には直接接続できない。全ての電源はこのサテラビュー用ACアダプタで供給されるため、スーパーファミコン用のACアダプタ HVC-002は必要としない。 電源中継ボックス 型番 - SHVC-033 サテラビュー本体の電源出力からスーパーファミコン本体へ電源を供給するL字型の機器。これによって使用する電源コンセントの数を一本のままに出来る。この機器を使用せず、スーパーファミコン本体にはこれまで通りのACアダプタを使うということも一応は可能だが、この場合、使用コンセントの数は二つになってしまう。 サテラビュー本体セットと本体基板(MAIN-BSA-01)に実装されているLSIの例。 サテラビュー本体 DCD-BSA 松下 MN88821BS/CS PCMデコーダD/Aコンバータ内蔵 AVセレクタ ACアダプタ 電源中継ボックス サテラビューセットにはこれらの機器の他、各機器の機能を説明した「取扱説明書」、BS-Xの内容と操作方法を解説した「BS-X取扱説明書」、サテラビューセットと各種BS機器との接続方法を解説した「接続説明書」の3冊が同梱された。
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