原作とリブレットとは? わかりやすく解説

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原作とリブレット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/26 09:23 UTC 版)

ウェルテル (オペラ)」の記事における「原作とリブレット」の解説

リブレットゲーテの『若きウェルテルの悩み』(1774年)を原作としてエドゥアール・ブロー(フランス語版)、ポール・ミリエ(英語版)、ジョルジュ・アルトマンの3人の共同により、フランス語制作された。原作との相違原作ではウェルテル拳銃自殺をした後、翌日の朝になって召使いによって発見されるオペラではシャルロットがまだ息のあるウェルテルを見つけてドラマティック二重唱となる。『新グローヴ オペラ事典によれば「このオペラでは原作の筋をなしていた不幸に周囲人々までが深く巻き込まれていることが分かるアルベールの歌は少ないが、力量あるバリトンであれば、いかに冷酷さが心に忍び込むかを、つまり、単純で高潔そして妻への愛を確信していた男が妻にその恋人の死をもたらす道具を渡すよう命令できると夫へ変わっていくかを表現できるはずである。同様にソフィー人生も姉とその放逸極めて自己本位情熱のために、取り返しのつかぬ程にくじかれてしまう」と指摘している。加えて、「『ウェルテル』は表面的には単純でほとんど平凡な愛と死物語である。しかし、作曲家洞察力人間の醜い心理作用光を当てて見せる。その手腕は驚くべきことに、ゲーテ原作恥じるものではない」と結論付けている。

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原作とリブレット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/26 09:52 UTC 版)

タイス (オペラ)」の記事における「原作とリブレット」の解説

教権反対主張するアナトール・フランス小説舞姫タイス英語版)』を原作としている。リブレットはルイ・ギャレ(英語版)によってフランス語脚本化された。『タイス』はビザンチン帝国統治下のエジプト舞台である。そこでは修道僧、アタナエル (Athanaël) がアレクサンドリア高級娼婦クルチザンヌ)でヴィーナス信者であるタイス(聖タイス英語版))をキリスト教改宗させよう試みるが、しかし彼の彼女へのこだわり欲望由来していることが後に露呈する。すなわち高級娼婦の心の真の純潔明らかにされるとき、宗教人のさもしい性質明らかにされるのである。本作はしばし一種宗教的なエロティシズム内在すると書かれ、多く物議かもした。なお、原作小説との大きな違い修道士パフニュスがアタナエルに変更されている点とタイスとアタナエルの過去の経歴に関する記述省略されている点、幕切れでアタナエルが自らが醜い吸血鬼のような形相になっていることに気づいて驚愕するところが「慈悲を!」と叫んでタイスのもとに倒れるという結末変更されている。また、原作記述されているタイス生い立ちでは幼少のころ面倒見てくれていた奴隷アーメースによってキリスト教洗礼受けていた。『新グローヴ オペラ事典によれば「ギャレの手腕は見事で、二人主役中心的状況巧みに描いている。二人精神は全く反対方向進んで行きながら、すれ違いざまに一瞬邂逅するのである二人の魂が出会うオアシス場面3幕第1場)はまさにこの作品となっている」。また、このリブレットは「心理的かつ哲学的あるよう意図されているため、動作欠如指摘される」という見解もある。

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原作とリブレット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/26 10:27 UTC 版)

ラ・ジョコンダ」の記事における「原作とリブレット」の解説

原作:ヴィクトル・ユーゴー戯曲パドヴァ僭主アンジェロ』(Angelo, tyran de padoue, 1835年発表)を基にする。 リブレット:アッリーゴ・ボーイトイタリア語訳リブレット作成ボーイト筆名として「トビーア・ゴッリオ」という名で使用していた。

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原作とリブレット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 05:53 UTC 版)

ロメオとジュリエット (グノー)」の記事における「原作とリブレット」の解説

リブレットはジュール・バルビエ(Jules Barbier)とミシェル・カレ(Michel Carré)によりシェイクスピア同名原作を基にフランス語作成されている。『シェイクスピア劇のオペラ楽しもう』の著者である福尾芳昭によると本作は「本筋でも細部でも原作下敷きにしてほぼ忠実に要領良くドラマ展開されている。原作オペラ重大な相違一箇所指摘するならば、原作では墓地駆けつけロメオジュリエット仮死実の死と思い込み悲嘆絶望のあまり服毒死する仮死から覚めたジュリエットロメオ亡骸接してやはり悲嘆絶望の末、彼のの上短剣自決し悲劇完結する一方オペラでは服毒したロメオの息のある間にジュリエット仮死から覚め、彼との再会欣喜雀躍する。しかし、彼から服毒知らされて彼との恋の最後至福陶酔の後、彼の服毒絶望して、彼女は短剣でわが身を刺し欣然として彼と死を共にする恋愛悲劇オペラでは恋人同士二重唱歌って悲劇完結するのが必要であり、二重唱は聴かせどころでもあるので原作とのこういう変更措置講じられるのは止むを得ないし、必要でもある」。

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原作とリブレット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/09 22:05 UTC 版)

お菊さん (オペラ)」の記事における「原作とリブレット」の解説

ピエール・ロティによる小説については、『お菊さん』の翻訳者である野上豊一郎は〈訳者あとがき〉にあたる部分で「訳者はこれにより読者次のことを感じてもらえば満足である。即ち、一人正直な異国文芸家が我々の間に入り込んで、いかに我々を理解しよう努めたか、いかに我々の文化理解しよう努めたと言うことを。不幸にして彼はそのことに於いて十分に成功したとは思えないが、それでも、なお我々の信頼すべき一個批評家であったことを失わないと書いている。つまり、『お菊さん自体成熟した大人恋愛小説ではなく、「日本との地理的精神的文化的な距離そのものテーマ」である。このため主人公淡々と両国文化風俗民族違い語ってオペラ作品としては感情的な盛り上がり欠ける。そこで、台本作者たちイヴお菊さん仲が良いことに着目しピエール嫉妬からイヴとの三角関係設定し愛憎劇仕立て上げている。お菊さん設定自体オペラでは音楽学校勉強した教養ある女性として描かれているため、お菊さん人形のような存在ではなく自分意志をもち、愛について語れ存在のである。これにより「原作よりよほど真っ当なメロドラマになっており、観客共感しやすくなっている」。小説ではお菊さん芸者とは明確に区別され当時日本式結婚のための存在で、彼女の両親には月決め金銭的報酬支払われていた。当時事情について『オペラで楽しむヨーロッパ史』の著者加藤浩子によれば長崎の〈現地婚〉は実際に日本訪れた数少ない外国人男性一部にはよく知られ習俗だった。その背景には軍港としての長崎存在がある。当時長崎には〈外国人居留地〉が設けられており、そこで欧米軍艦乗組員数カ月滞在し日本発って行った。彼らの滞在中の憂さ晴らしとして人気だったのが、性的な関係を目的とした一時的な日本式結婚であった」と解説している。また、お菊さん最後の手紙に関するくだりも原作には存在せず主人公淡々と日本立ち去っている。

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