人型機械
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 07:05 UTC 版)
作品中に登場する人型機械はすべて古代文明の遺産である。ガンドライバー、ディガーター、神像はそれぞれ異なる目的で製造されており、その目的の違いからディガーター・神像が保存されていたのに対してガンドライバーは放棄され朽ち果てて遺跡となっている。 ガンドライバー (GD) 軍や民間人が使用している人型機械。 古い地層から発掘される古代文明の朽ちた遺物であり、ワッシュの新大陸進出によるブラニアンとの戦闘でディガーターと交戦するまでソレが人が乗ることができる機械だとはわからず、ただの遺跡の置物として放置されていた。原型は惑星調査用に作られた機体「ガンドローン」。 現在は多数のガンドライバーが稼働しており、メーカーやガンスミスも存在するが、詰まるところ未知の古代文明の遺跡をどうにか修繕して無理やり動かしている状態であり、最上級とされるものですら保存状態が良かった機体をベースにして時間と金をかけて製作されたものにすぎず、良品は軍用に回されるため民間にはまず回ってこない。制御中枢(後述)は完全なブラックボックスだが、粗悪な改修にも拘わらず操縦者の意志を機体に伝える能力を持つ。 ガンドライバーは「金」と呼ばれる放射性同位体を動力として稼働しており、銃と同じ機構で金塊を機関部に「叩き込む」ことで動力を補給する。装填機構(劇中では「ガンギミック」と当て字される)はGDの股間に設けられており、その外観は拳銃のレシーバーとほぼ同じ。リボルバーやオートマチックなど、拳銃同様に様々である。なお、薬莢ができるまでは手作業で金を補充していた。 一般的なガンドライバー乗りが使用している機体は作業用に造られたものか、軍から払い下げられた旧型を改造したもの。 ガンドライバー製造の黎明期において、安定した二足歩行ができなかったためにケンタウロスのような四足歩行や二足から多足への可変機も作られている。多足歩行機は二足歩行機よりも動力薬莢を多く装填できたため長距離移動用としては成功したが、機動性が著しく悪いため、安定した二足歩行が可能な機体が作られるようになってからは作られていない。デッドマンズハンド ドクホリディー専用機であるウィンチェスターM73のカスタム機。 ベースとなったガンドライバーは友人であるワイルド・ビル・ヒッチコックがポーカー中に殺され形見として譲り受けたもの。 名の由来はワイルド・ビル・ヒッチコックが殺されたときのポーカーの役を肩に描いているため。 クセの強い機体と有名だが、ディックが乗ったときに「神像には劣るが反応が早い」と評しており、その反応の早さのために凡庸なガンドライバー乗りには扱い難い機体の模様。 奇兵隊 高杉晋作が率いるガンドライバー隊。元は日出る皇国の長州藩に属していた。 ナポレオン帝国製の旧世代ガンドライバー(黎明期の4足歩行機)で構成されており、隊長である高杉の機体は士官用の特別機(2足歩行から6足歩行への可変機)である。 日出る皇国においてのガンドライバー戦は剣術格闘が主体であったが、奇兵隊は戦術を伴った近代的集団戦闘を目的としているため、一般機は銃とサーベルを装備し、高杉機のみ刀を装備している。 ウィドー・メーカー ディックの父ジェロニモのかつての愛機。左腕に開閉式電動ガトリング砲を装備しており、ウィドー・メーカー(未亡人製造器)と呼ばれワッシュから恐れられていた。 ジェロニモが紅の神像の封印を解く際に比重の低い湖に沈められたが、後に紅の神像を奪われたディックが引き揚げ愛機とする。 ディック曰く、中量級の機体に必要以上の重りを積んでいるので機体のバランスが悪く、馬力やトルクは強いが実用域の操作性はスカスカのジャジャ馬。 外見は元になった機体がわからないほどカスタマイズされた旧式リボルバー機だが、実はリボルバー部はハリボテでありその正体は独立戦争で破壊された漆黒の神像のボディをベースとして製作された機体である。 読み切り版では「オヤジのガンドラ」「ダン・ウェッソン・カスタム」「紅の神像」として登場。ジェイムズ=ヤンガー・ギャング団によって左腕をはじめ、部品を奪われている。それを補うため左腕に装着されたガトリングは短銃身かつ手回し式で、他のガンドライバーの腕部の残骸を装着して隠蔽が施されている。 当時はその名の通り全身が赤い事に加え、かつリボルバー部に「金」を大量に装填しなければならないなど、本編登場時とは性能が異なる。そのため紅の神像のパーツを装着しただけの通常のガンドライバー(ワイルドバンチらが用いたものと構造上は同様)だと思われるが、その段階ですら他のガンドライバーや、神像のパーツを装着したガンドライバーを圧倒するパワーと性能を誇っている。 恐らく本編に登場するウィドー・メーカーはヤンガー兄弟からパーツを取り戻して完品状態に戻り、漆黒の神像を破壊し、紅の神像を封印した後、失われた紅の神像の部品を漆黒の神像の残骸によって補われた機体だと思われる。 守護像(ディガーター) ブラニアンの守り神として各部族が保管・使用している機体。本来はガンドローンを警護するために作られた機体「ガンドーベル」。 遺跡の粗悪修繕品である一般的なガンドライバーとは異なり、古代文明の時代から保管されてきたオリジナルの機体である。古代文明の本来の動力を装備しているため金による動力補給の必要もなく、性能はガンドライバーの比ではない(古代文明本来の動力源も補充する必要があるが、守護像は保管状況が良かったため動力源のエネルギーが十分残っている)。その反面、破損・消耗した部品は交換することが前提のガンドライバーと違い、ほぼすべてのパーツがワンオフの特注品となり、組み込みと調整も非常にシビアなものとなっている。 信仰の対象にされていたため各部族によって外装を宗教色を反映したものに改造されており、それぞれの部族を象徴するものとなっているが、これらの改修時にオリジナルの装甲を外してしまったパターンもあり、機体強度が低下した機体もある。レッド・クラウド(紅の雲) 機動力よりも戦闘力を重視した4本腕の機体。 ティートン・ラコダ族の族長である代々のレッドクラウドによって引き継がれてきたが、先代レッドクラウドには跡取りがいなかったため、エメラルドの息子が機体とレッドクラウドの名を引き継いでいる。 ブラック・エルク(漆黒のへら鹿) 装飾や修理のためにオリジナルの装甲を外してしまったものとは違い、本来の装甲を保持している。そのため守護象の中で最高クラスの防御力を持つ機体。 過去にワッシュ側に鹵獲されている。ブラック・エルク【改】 鹵獲したブラック・エルクに対ガンドライバー用大型火器を取り付け、チューニングを施した機体。守護象の防御力とワッシュの兵器による大火力を両立させた機体であり、神像の存在を除けば最強と言っても過言ではない。 地下闘技場のチャンピオンに所有権があるが、所有条件は「地下闘技場のチャンピオンであり続けること」であり、仮に所有権を得たとしてもこの機体を持ち出すことはできない。 地下闘技場の落盤により埋まったが、ワイルドバンチにより掘り出された。 陸奥守吉行(むつのかみ よしゆき) 梅太郎が使用する日出る皇国の守護象。 その名の通り、陸奥地方を守護する者(大名など)が引き継いできた機体である。 本来は大名や藩の所有物である守護象だが、梅太郎の姉の死に伴い柴田家を通して勝安房守から梅太郎が拝領している。 ガンドライバーによる剣術格闘戦に見切りをつけ始めた梅太郎が近代戦を意識してチューニングしたためワッシュのガンドライバーの雰囲気が漂っている。 両腕の他に2本の隠し腕を持っている。 シャカ・カーン デロンゴ・ゴワンゴが使用する機体。 暗き青の大陸を武力統一しようとしたシャカ族の英雄シャカズールーの愛機だったと噂される守護象。 腿の部分にドラムがあり、長柄の槍や顔の描かれた木の葉形の盾を装備するなど、新大陸の守護象とは違う雰囲気を纏っている。 ワッシュによって捕獲され、合衆国政府の管理下にあったが、ディックの交渉によりバッファローソルジャー部隊の戦力としてデロンゴ・ゴワンゴのもとへ返還される。 神像(ディバイナー) 紅、白、漆黒、翠緑、紺碧、琥珀、紫苑の7体が存在するとされている。 飛行能力を備え、プラズマ砲などの兵装を持つ強力無比な機体であり、ディガーターの攻撃・対ガンドライバー用大型火器の直撃であっても装甲に傷すらつかない。 現在までの長い歴史の中で数体が破壊されており、現存が確認されている機体はほとんどないとされている。 神像はそれぞれがこの世を欲望を司るとされており、ディックが父から託された紅の神像はカリスマ・出世・支配・物欲といった「力」の欲望を司っているとされている。 通常のGDに積まれたブラックボックスより遥かに高度な「アクセス権」を有しており、セレニックの環境を維持する重力制御システムに干渉する事も可能で、古代文明時代には「ガンドラグーン」と呼ばれていた。紅の神像(アーノンディガス) 新大陸の不死なる者の一族が保管してきた神像であり、ディックの父ジェロニモが使用していた機体。 ワイルドバンチの襲撃時にボディーのみの状態でディックに受け継がれた。ルビーによって既存のガンドライバーから手足を移植されるが、胴体から供給されるパワーに耐えきれず、すぐにガタガタになってしまう。その後のワイルバンチとの戦いで両腕を取り戻すが、サッターの部下に強奪され、大結社の手により完全復元される。 ワイルバンチは紅の神像の腕を強化パーツとしてガンドライバーへ組み付けていたが、ガンドライバーと神像は根本的な技術差から構造が全く異なるため「腕」としてしか使えず、兵装は使用できていない。ダミーの紅の神像(ガンドーベル) ディックの父がワイルドバンチへ引き渡した偽の神像。ボディー以外は本物の紅の神像のパーツで構成されている。 ダミーとはいえ運動性能はかなりのものであり、ワイルドバンチが総出で取り押さえることに成功している。 漆黒の神像(イロクォイス) 暗き青の大陸でガンドライバーの発掘をしていた大結社によって掘り出された神像。 独立戦争において獅子の王家により戦線に投入されたが、何者かによって破壊されている(神像を破壊するには神像と同レベルの火力が必要であり、破壊された漆黒の神像がウィドー・メーカーへ改修されていることからジェロニモが紅の神像を用いて破壊したものと思われる)。 純白の神像(カイユーダス) 日出る皇国に保管されていた神像。日出る皇国での呼び名は「草薙之神像(天叢之雲之神像)」。皇位継承の式典以外は門外不出とされ神域に封印されていた。 新政府を樹立した開国派が他国侵攻のための軍事費の借入金の代償として、幼帝とともに大結社側に引き渡している。 歩行用の足はなく、4本ある腕はプラズマ砲で、両肩の隠し腕に手がついている。3人乗りの機体である。 ウィドー・メーカー + 紅の神像 紅の神像のパーツをウィドー・メーカーへ移植した機体(ウィドー・メーカーは漆黒の神像を素体としているので紅の神像のパーツが機能する状態で移植することができた)。 紅の神像とウィドー・メーカー(漆黒の神像)の動力源を直結することで他の神像より高出力を得ているが、2体の神像を継ぎ接ぎして作った機体のため耐久力に問題がある。
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