ロシアを支持・賛同する動き
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「2022年ロシアのウクライナ侵攻に対する国際社会の反応」の記事における「ロシアを支持・賛同する動き」の解説
「#ロシア支持の国家」も参照 3月2日の第11回国際連合緊急特別総会でのウクライナ侵攻への非難決議案に反対したのはロシア以外ではベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、シリアであった。この4か国以外ではミャンマー軍事政権がロシア支持を表明し、ニカラグア、キューバ、ベネズエラはウクライナ東部の親ロシア派地域の独立を支持した。ただし、侵攻後の国連非難決議ではキューバは棄権し、ベネズエラは欠席した。 日本広島県呉市の市議会では、2022年3月4日の本会議にて、ロシアのウクライナ侵攻を「暴挙」と非難し、平和的解決を求める決議案が賛成多数で可決された。しかし谷本誠一市議(会派:自然共生党)はこの決議案に唯一の反対票を投じた。その理由として、谷本市議は採決の前に行われた反対討論の中で「現地の人々はロシア軍により解放されたと喜んでいるとの情報も届いている」と述べた。 外務省の元外交官で駐ウクライナ兼モルドバ大使、防衛大学校教授を歴任した作家の馬渕睦夫は「ブチャの虐殺はウクライナ軍の自作自演」「ロシアによるウクライナ侵攻にもディープステート(DS)が関与している」などとロシア政府側を擁護するような主張を繰り返している。馬渕は2022年4月より出身地の京都府南丹市の文化観光大使を務めているが、「侵攻したロシアを擁護するかのような馬渕さんの言動は、観光大使の適格性を欠く」として南丹市議会の日本共産党市議団が馬渕の解任を行うように市に申し入れを行った。 政治経済評論家の池戸万作は3月17日、自身のTwitterに「ロシア軍には、まず大阪から上陸して欲しいな。自分が大阪人だったら、思わず「解放軍がやって来た!」と喜んでしまうわ。反グローバリズムで国際連帯する思想。」「国内の酷い圧政と国外から侵略、どちらがよりマシかという究極の選択です。」と投稿した。 伊藤貫は、保守系思想誌『表現者クライテリオン』2022年7月号に掲載した「三十年間、ロシアを弄んできたアメリカ」において、第43代アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュが2008年のNATO首脳会合で、フランス大統領ニコラ・サルコジとドイツ首相アンゲラ・メルケルの反対を押し切り、ウクライナとジョージアを北大西洋条約機構(NATO)加盟国とすると決定し、これにロシアが何度も抗議したにもかかわらずアメリカ政府が受け入れなかったことに紛争の淵源を求める。2008年8月、ロシア軍はジョージアに侵攻した。2010年、親露派のヴィクトル・ヤヌコーヴィチがウクライナ大統領選挙に勝利すると、第44代アメリカ大統領のバラク・オバマは即座に、ウクライナの反露派陣営に50億ドル以上の資金を注ぎ込み、ヤヌコーヴィチを失脚させる秘密工作を実行し、2014年2月、アメリカ国務省とCIAはウクライナの首都キーウでクーデターを起こすことに成功したと主張している。伊藤はドンバス戦争の舞台になったウクライナ東部ドンバス地域についても、住民の大半がロシア語を話し、ロシア正教を信奉している親露派であると主張。事態を憂慮した仏独両国政府は2014年と2015年、ミンスク協定を成立させた。この協定では、ドンバス地域に住む親露派住民に一定の自治権を与えることを条件として、武力紛争を停止することになっていたが、ウクライナ側が協定の実施に激しく抵抗したため、無効になった。アメリカは2014年のクーデター以降、数百名のアメリカ軍将校をウクライナに常駐させて、ウクライナ軍の兵士などにアメリカ製兵器の供与と軍事教練を行うとともに、アメリカ本土にウクライナ兵を滞在させて、アメリカ軍と共に戦う訓練も実施された。この動きはロシアにとって脅威となった上、2021年にバイデン政権が発足してから、ドンバス地域に駐留しているロシア兵が、アメリカ軍に訓練され、製のドローンを使用するウクライナ兵によって殺害され始めたと主張している。 神奈川県鎌倉市では3月下旬以降、鶴岡八幡宮の参道付近など、少なくとも4カ所以上の東京電力の分電盤にウクライナ侵攻への支持を意味するとされる「Z」の落書きが発見されている。さらに5月1日には江ノ島電鉄長谷駅にある案内板と、東へ50メートル離れた線路沿いの変電設備にも同様の落書きが発見された。鎌倉署は器物損壊罪の容疑で捜査している。 日本における反ワクチン団体・Qアノンの派生団体である神真都Qは「ウクライナやNATOはディープステートの手先で、プーチンは正義の味方」「(ロシアのウクライナ侵攻は)小児人身売買や毒ガス製造のための地下施設を攻撃しているだけ」と主張した。 アメリカ合衆国 - 「ウクライナには、米国が支援する生物兵器の研究所がある」というロシア政府の主張をアメリカ国内で活動するQアノンがインターネット上に拡散している。 中華人民共和国 - ロシアのウクライナ侵攻後、中国ではロシア産の物産を買ってロシアを応援しようという動きがある。ロシア大使館公認の「ロシア国家館」というオンラインショップでは2022年3月上旬の時点で売り切れが続出した。この動きに際して、ロシア側の関係者が「我々は中国の友情を目にしている」という動画をサイトに投稿した。中国のインターネット上には「ロシアを応援するために買う」「中国人民の購買力を見くびらない方が良い」などという書き込みがみられた。 セルビア - ベオグラードでは、2022年3月4日にロシアのウクライナ侵攻への支持を表明するデモが開催された。セルビアの右派グループが主催したとされる。このデモには約1000人が参加した。参加者はプーチン大統領の顔写真をプラカードにして掲げたり、ロシア国旗を振りながらEU旗を踏みつけるなどした。デモ隊から「セルビア人とロシア人は永遠の同志」とシュプレヒコールが上がったり、デモ参加者の一人は「ウクライナはネオナチから解放されつつある。われわれの同志ロシア人がウクライナを解放している。願わくば世界も」と語ったともAFP通信は報じた。 キルギス - ビシュケクで2022年3月22日、ロシアを支持するデモが行われた。プーチンの肖像に「われわれはあなたと共に」と書かれたプラカードが登場したり、キルギス国旗とロシア国旗が並んで掲揚される場面もあったとAFP通信は報じた。 ドイツ - 2022年4月上旬にドイツ国内各地で親露派デモが行われたとAFP通信が報じている。ハノーバーではロシア語を話す人々の呼びかけで親露派の車両が600台集まったと当地の警察は発表した。親露派デモへのカウンターデモとして、ウクライナ支持のデモも行われている。ドイツ政府当局はドイツ国内でロシア系の市民とウクライナ系市民の対立が激化することを懸念しているという。 エチオピア - 首都アディスアベバのロシア大使館の前には「ロシアのために戦いたい」というエチオピア市民が行列を作っている。ロシア軍の傭兵としてウクライナで戦うことで高額な応酬を得ることが出来る、ロシア国内で就労できる等のSNS上での噂が流れているという。エチオピア国内の政情不安、物価の高騰がその背景にあるとされる。また、エチオピアは元々親露的な国でありロシアとの連帯を訴える世論が強いという。ロシア大使館はこの事態に対して2022年4月19日に「ロシア連邦への連帯と支持」を表明するため善意で集まったものだとする声明を発表した。エチオピアからロシアへ傭兵が流れ込んでいる実態は確認できていないが、ロシア大使館の近くで数百人のエチオピア市民がエチオピア国内の警備員登録をしている姿を目撃したとロイターは報じた。 シリア - 6月29日、シリア政府は、ウクライナ東部の親ロシア派勢力のドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の独立をロシア以外で初めて承認した。ウクライナはシリアと断交した。 朝鮮民主主義人民共和国 - 7月13日、在ロシア北朝鮮大使館がドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を国家として承認したと発表した。これに対しウクライナは北朝鮮と断交した。
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