ロシア国内
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 17:02 UTC 版)
「ロシアにおけるドーピング」の記事における「ロシア国内」の解説
ロシア国内では、ドーピングの申し立ては反ロシア工作の一つである、「他国と同じ事をしているだけだ」という見方が一般的である。ウラジーミル・プーチンは、「国家レベルで後援した事は一回もなく、今後もなく、我々はスポーツを壊すような真似をした事はない。報道は西側の反ロシア工作の一つである」と述べた 。 アレクセイ・プシュコフは国際陸上競技連盟が追放を続ける事実に対して「国家から独立した機関であるはずなのだから我が国に対する叛逆である」と述べた。ヴァディム・デンギンは「全てのドーピング・スキャンダルは単なる捏造で、ロシアを扱下ろすための工作である」と発言した。スポーツ仲裁裁判所がイシンバエワの訴えを棄却すると、イシンバエワは「他国の似非潔白アスリートどもの吐息を検査してみろ、我々が不在の間に偽金メダルを取るがいいさ。奴らは本物の強さにビビっているんだ。」と綴った。ロシア外務省は裁定に対して「スポーツに対する犯罪」と表明した。レヴァダ・センターの調査によれば、ソチオリンピックでロシア人選手がドーピングしていたと思うと回答した者は14%、WADAの報告は虚偽であるとする者は71%、15%は無回答という結果であった。 プーチン側はステパノワをユダであると名指しで批判した。同国メディアもまたステパノワを批判している。ステパノワはこれに対し「どのメディアも私を叛逆者と言うが、ただの叛逆者ではなく、"母国の"叛逆者と呼ぶ。」と述べ、夫のステパノフも「私がしたかったのはロシアを晒す事ではなく、スポーツを滅茶苦茶にする関係者を晒す事であって、ロシア国内のみならず世界中にいる人間である。」と述べた。フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングは、ロシアメディアはドイツで放送されたドキュメンタリーについて「ウラジーミル・プーチンを引き摺り落とし超大国の地位を下げようとする西側の策謀の一つである」と報じていると報じた。 パウンドはロシアの受け止め方を「スピード違反で警察に止められた時に「なんで俺だけ?」と言っている人間のようだ。そして(国として)返答に時間をかける事によってリオデジャネイロオリンピックに易々と出場、嫌疑をかけられている被害者面でプレーする算段だった。」と表現した。ブルームバーグ・ニュースのロシア人記者であるレオニド・ベルシドスキーは、「(ロシアの)関係者はwhataboutismは調査を止めさせるものではない事に気付くべきだ。」と記した。ドイチェ・ヴェレのモスクワ特派員はロシア国内の反応を見て「別の世界線にいるようだ」と記した。ニューヨーク・タイムズは「特に西側では根據もない反ロシアの策謀に対して抗議する文化があり被害者であると思っているようだ」と記した。同紙はソビエト連邦時代から受け取り方が変わっていないと指弾し、「毎回毎回、政治的な陰謀だ、これは挑発だ、断じて許されない行動だ。冷戦はとうに終わったのにウラジーミル・プーチンはまだ同じ事をやっている、ロシアのファールプレーに対して何ら省みることなく被害者面である。」とも指摘した。ロイターも「ロシアが国際社会に戻ってくる事を妨げているという冷戦下の西のやり方を引き合いに出す事で、上手く責任転嫁している。」と述べた。これに対するロシアの反応はお約束の「政治的な~」であり、WADAのロバートソンは「リーディーがロシア政府に対して仲裁のメールを打った時」にこの定型句を見たという。 マッチTVはこのスキャンダルを主導したのは米国であると主張し、アレクサンダル・レスンは「ドーピングはどの国もやっているし、違反者なんてどこにでもいる。」と述べた。マクラーレン・レポートに対してロシアの出場を認めた国際オリンピック委員会の決定が出ると、ムトコは「我々が望むのはただ一つ、全ての連盟が公平な決定をする事だけである。ドーピングが罪であるのはロシアだけではない、世界共通なのだから。」と述べ、同国メディアの反応もまた「陶酔しているかのようであった」と記された。 ロシア国営放送の記者はバッハに対し「あなたの人間性によって我々は助けられた」と述べ、ドーピングの調査自体が「政治的な」案件だったのではないかと質問した。ロシア人選手がマクラーレン・レポートを スポーツというより「政治的」であったと主張し出すと、英国バイアスロン協会がこれに噛みつき、「洗脳、詐欺、不正直」と宣言、ロシア国内で行われる大会のボイコットを決定した。ムトコはこのボイコットに対して「(選手が従えば)天誅が下る」と発言した。 4年の追放が決まるとロシア側は当然嚇怒した。ウラジーミル・プーチンはこの決定的に対し「政治的な~」の文言を使い、「オリンピック憲章に矛盾する」と述べ、「ロシアオリンピック委員会に咎められるべき点は無く、本当にないなら国旗の下に参加できるのが道理だ。」と付け加えた。ドミートリー・メドヴェージェフも政治的な策謀であると認識しており、「今回もまた反露ヒステリーであり、(彼らは)とっくに慢性だ。」と語った。
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