ルシュ王国編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 02:53 UTC 版)
「ジャングルの王者ターちゃん」の記事における「ルシュ王国編」の解説
原作ラストエピソード直前の長編。梁師範は中国に帰ったため登場はしない。 アンリ・ノート 天才考古学者。60年前、偶然見つけたルシュ王国の遺跡で不老長生の水(墓の保存液に象の糞が混ざった物)を飲み、老化が止まった。 メアリー ノート博士の助手。ノート博士を利用してアペデマスを復活させてしまい、アペデマスを操ることにより力を得ようとした。しかし自身も従順を装ったアペデマスに利用され、用済みになるとアグニによって焼き殺されてしまう。 アペデマス 五千年前にアフリカを支配していたルシュ王国の軍神。ターちゃんと敵対するが、一概に悪と言える存在でもない。 肉体から産みだされるスピードやパワーは高く、完全体では幾度もパワーアップをしていたターちゃんすら凌ぐ戦闘力を有する。その上若干の予知能力を持ち、相手の1 - 2秒程度先の動きを読むことができる(たった1 - 2秒でも、闘いにおいては充分に強い)。 配下に五戦士を持っていた。人一倍愛国心が強く、いち戦士としてルシュ王国を侵略から守り(国力的には侵略相手のエジプト軍のほうが上だったが、アペデマスと五戦士の働きで追い返していた)、国のために命がけで働き国王をも凌ぐ人気を得た。当初、本人は武人として生涯を全うしようと考えており、謀反を起こす気は無かったが、その人気に嫉妬した国王の策略にはめられ、野心が爆発。ヴァーユ、アグニを率いてルシュ王国軍と戦争をしたが敗北。その際処刑を受け入れる覚悟をしていたが処刑されず、本懐を果たせぬまま永久保存されるが、世界征服を狙うメアリーにより蘇った。美形で、メアリーをその美貌により魅了させて利用するだけした上で最終的には処刑させるなど、したたかで残酷な面を見せている。 高い言語獲得能力を持ち、ターちゃんたちの会話を聞いていただけで現代の言葉をマスターした(アペデマスに限らず、他の蘇った戦士たちも短期間で現代の言葉を習得している)。 国王に裏切られた一件で大陸征服への野心が芽生え、利用できるものは利用し尽くす性格に豹変したが、真に信用できる同胞に対しては、どんな苦境に立たされても決して裏切らない仲間思いな一面もあり、ヴァーユと袂を別った際は号泣しながら手にかけ、彼の意志に免じてノート博士に戦争の真実を語り見逃し、一晩中泣き崩れていた。 幾度もターちゃんを圧倒してきたが、最終決戦で大地の怒り(ヌーの大群をはじめとする動物たちによる無限に近い動物パワー)に触れて敗れた。最後は戦士として同郷のメロエの手にかかる覚悟をしていたが、純粋に国を愛していたことをメロエにテレパシーで知られ、ノート博士から戦争の真実を聞いたメロエが苦悩の末に赦したことにより五体満足で生き残った。その後本編には登場していない。 ナパ アペデマス五戦士の一人、別名「森の剣聖」で巨体の持ち主。アペデマスをも凌ぐ予知能力者で、五千年前にアペデマスを倒した。この世に切れぬ物など無いと言われる巨剣「なでしこの剣」を容易に扱える。50年前に洞窟の中で様々な偶然が重なって蘇生し、ヴァーユが永久保存されている墓を守り続けてきた。孫のルナがいることから、作中では詳細に書かれていないものの家族を持っていたようである。そのためターちゃんたちと会ったときは老人の姿となっていた。老齢で身体能力が衰えていたため相討ち覚悟で切りかかったが、アペデマスの手刀によって両断されて殺され、ヴァーユとメロエに蘇生させないようアグニにより灰塵となった。 アグニ アペデマス五戦士の一人、別名「火神」。五千年前にエジプト人との戦いにおいて瀕死の重傷を負い死を待つだけだったが、円頭人の手術を受けパンチパーマのような頭のサイボーグとなって一命を取り留めた。肩の照準で相手を捕らえ、百歩神拳にも似た生命パワーによる攻撃をする。ヴァーユによって完全体となったが、死んだナパの助言によるターちゃんに三角締めで絞め殺されてミイラに戻り、ノート博士にジッポーで焼却されて死亡した。改造後はギャグを解しない性格にされたとナパに嘆かれた が、ルシュ内戦の回想シーンではギャグキャラクターになっていた。 ヴァーユ アペデマス五戦士の一人、別名「風神」。メロエの弟。風を操り攻撃や妨害を行えるほか、あり余る生命エネルギーで仲間を回復させることができる。ただし自分の体は治せない。完全体になると肉体そのものが尽きることのない生命エネルギーを生み出すことができるため、ほぼ無限に回復できることと等しい。 アペデマスが最も信頼していた忠臣で、蘇生後も彼の大陸制覇の夢のために自ら付き従ったが、かつて動物で溢れかえっていたアフリカが、人間の環境破壊と乱獲により数が激減していたことに驚愕。その上でノート博士の話を聴いたことで、人間の行動とアペデマスの行動が同一だと悟る。アペデマスの選択が間違っていると感じ、「もうあなたには従えない」と糾弾し裏切って闘うも、片腕を切り落とされてしまう。それでもなお生きており、最終決戦に乱入して最後の力でアペデマスを倒そうとしたが、アペデマスの方が体力が勝っており、攻撃のエネルギーを吸収されて死んだ。 バルカン 故人。アペデマス五戦士の一人、別名「獣人」。メロエの夫で、動物を自在に操ることができる。また戦闘時では獣人化し、その力は倍化され、アペデマスの予知能力を越えるほどの速さを誇る。獣人化した状態でアペデマスに勝ったこともあった(王国内の闘技場で行われた試合では、アペデマスは一度もバルカンに勝てなかった)が、子供が生まれてからは醜い姿を見せたくないがため(メロエが「生まれてくる子供には醜い獣人の姿を見せないで」とうっかり言ってしまったことも原因)に変身するのをやめ、五千年前の戦いではアペデマスに敗れて死んだ。ターちゃんの父親とされていたが、アペデマスとの決戦では父親と能力が違うことから血のつながりはないのかもしれないとメロエに言われた。 メロエ アペデマス五戦士の一人、別名「智将」。バルカンの妻にしてヴァーユの実姉で、彼女も風を操れる。ただしヴァーユと違いあくまで攻撃や妨害のためにしか風は操れず、復元・蘇生はできない。そのためバルカンの死を傍観するだけしかできなかったことを悔いている。風の強さそのものも、ヴァーユに比べると弱い模様。 輝くばかりの美貌と知力を持ち、わずかな期間に現代の知識を学習した。アペデマス打倒のためターちゃん一家に加勢する。バルカンとはかつて非常に仲のいい夫婦であり、彼のすべてを愛していたはずだが、愚かなことをしてしまったと悔恨の涙を流していた(バルカンの項を参照)。 アペデマスに対する復讐心から徐々に苛烈さを醸し出していくが、最終的に国王の裏切りやアペデマスの真意を知ったことで復讐心を抑え彼を見逃した。その後、アペデマス同様最後まで生き残り、戦いの決着後、ターちゃんらと一緒にその場から立ち去ったが、その後の本編には登場していない。 バルカンとの間に一人息子「タヒム」を生み、当初はターちゃんをそのタヒムとして見ていた。しかしアペデマスとの決戦でターちゃんが見せた「動物から力を借りる」能力はバルカンにはないものだったので、「タヒムではないのかもしれない」と述べている。 タヒム バルカンとメロエの息子。ナパと同様、数十年前に保存装置から蘇った。そのまま生きていれば成人となっているはずだが消息は不明(作中ではターちゃんがタヒムだと思われる描写が多々あり、メロエもターちゃんを息子のタヒムとして接していたが詳細が明らかになることはなかった)。アペデマスとの最終決戦ではターちゃんが見せた「動物から力を借りる」能力を見たメロエが「(バルカンとは能力が違うから)ターちゃんはタヒムではないのかもしれない」と述べている。 ルナ ナパの孫でレプリカのなでしこの剣を持つ。ナパから剣の手ほどきを受けていたようで、ターちゃんでもちょっと本気にならないと避けられないほどの剣の腕前。ナパとは異なり体は大きくない。なかなかの美人で、作中ではひたすらアナベベにナンパをされていた。ナパが死んだ時は、その場にいなかったのにもかかわらず瞬時に祖父の死を認識していた。 円頭人(えんとうじん) ルシュ王国に高度な文明をもたらした宇宙人たち。イメージ回想でのみ登場。ナパいわく、気まぐれで文明をもたらし、気まぐれで地球を離れたとのこと。 ルシュ国王 回想中にのみ登場。人により評価が分かれ、自然を愛し「文明を捨て、自然に還る」ことを提唱した善き国王という意見もあれば(ナパ、バルカン、メロエはこの意見に賛成していたため、「ルシュ国王は素晴らしい人だ」と言っている)、自身の権力を守るために人気者であったアペデマスと五戦士に対し策謀を巡らせた老獪な悪党という意見もある。アペデマスは唯一この策謀を見抜いていたが、心理を読んでいた国王に謀反人にされ、敵対したバルカンたちに真実を伝えることができなかった。そしてアペデマスを処刑してもアペデマスの次に民衆からのカリスマ性を持つ5戦士に脅かされる可能性を考え、「アペデマスの監視」という名目で4戦士とタヒム(バルカンは死亡していた)も封印した。 ノート博士の推察では、ルシュ国王が「文明を捨て、自然に還る」ことを実行した形跡が見られなかったことを主な理由として、後者の悪党説を真実と見ており、両者の意見を聞き比べたヂェーンも「いつ復活するか分からないアペデマスと一緒に(四戦士が)封印されるなんて、ほとんど謀反人と同じ扱いだ」と国王の欺瞞性を看破していた。作中アペデマスがナパたちをたびたび「裏切り者」と言ったのも「苦楽を共にした心友よりも国王を信じた薄情者」という意味であり、メロエも冷静に考えれば察することができたものの、夫・バルカンをアペデマスの手により失ったことで冷静さを欠いていた故に恨み余って真相を考えようとはしなかった。 結局この判断が原因で、「アペデマスたち五戦士無きルシュは落とすに容易き」と半年後のエジプト軍の侵攻に成す術なく大敗。主戦力であったアペデマスたちの謀反を恐れ切り札として使うこともできず、打つ手を完全になくし滅亡した。
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