ボナパルト家・親族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 20:58 UTC 版)
「ナポレオン -獅子の時代-」の記事における「ボナパルト家・親族」の解説
レティツィア ナポレオンの母。男勝りの性格で熱心なコルシカ独立主義者で元女兵士である。自由な生き方を好む夫のカルロの代わりにボナパルト家を支えていた。信心深く、堅実な性格のためフランスの堕落した気風が肌に合わないと感じ、権力と富をほしいままにする子供達から一線を引いている。ナポレオンの結婚には強く反対しており、浮気に耽り、浪費を繰り返すジョゼフィーヌを激しく嫌っている。息子の皇帝即位に反対し戴冠式を欠席した。金と権力にとりつかれた我が子らに呆れている。 カルロ ナポレオンの父。コルシカ独立支持から親フランス派に転向する。自由に生きることを好み、人からは変節漢と呼ばれても意に介さない。息子ナポレオンが軍人を目指していることにいち早く気付き、彼を士官学校に入学させた。胃癌で早世。 ジョゼフ ナポレオンの兄。なにかと弟に欲しい物を奪われがちである。資産家二女のデジレ・クラリーと婚約していたが、ナポレオンの意向で姉のジュリー・クラリーと結婚。弟とジョゼフィーヌの結婚に反対しており、結婚後も義妹に敵意を抱いている。マレンゴの戦いでナポレオンが生死不明になると、家長の相続を巡ってリュシアンと言い争う。のちにスペイン王ホセ一世として即位するも、反乱が勃発しているため、強い不安を感じていた。情勢が不利になると、即座にスペインから逃亡し、ナポレオンを怒らせる。 リュシアン ナポレオンの長弟。ジョゼフィーヌの結婚にはジョゼフと共に不満を漏らしていた。聡明な性格の持ち主で、ブリュメールのクーデターでは兄を決死の覚悟で救い、功労者となる。マレンゴで兄が生死不明になると、執政に持ち上げた功績から家長を継ぐと言い出しジョゼフと争う。1800年、政治パンフレットが原因でスペイン大使に左遷された。 エリザ 三人の妹のうち、最も目立たない。13巻で登場するエリザはカロリーヌの誤り。 ルイ ナポレオンの二弟。ジョゼフィーヌの娘・オルスタンスの夫。夫婦仲は険悪で、ナポレオンとジョゼフィーヌが離婚した際に、この夫妻も離婚している。夫妻の間の子が、のちの ナポレオン3世となる。 ポリーヌ 声 - タザワリイコ ナポレオン二番目の妹でありルクレールの未亡人。兄への敬愛が強く、義姉ジョゼフィーヌに敵意を抱き、執拗にいやがらせを行う。かなりの美形であり、ジュノーはじめとする多数の男性のあこがれの的である。性に奔放であり、結婚後も兄の政敵であるモロー、部下のマクドナルドはじめ複数の愛人と関係している。 1801年、一連の不倫スキャンダルとジョゼフィーヌのナポレオンへの密告により、夫ともども黒人による反乱が勃発しているハイチに派遣されてしまう。この地で夫は黄熱病に倒れ、ポリーヌの献身的な看護の甲斐なく死亡。このときポリーヌは夫が死んだことに気付かず、死体となった夫を看病し続けていた。 カロリーヌ ナポレオンの末妹でありミュラの妻。可憐な美少女だが、外見と裏腹に野心家で腹黒い。ナポレオンからボナパルト一家の中で最も自分に似ていると評される。ランヌとミュラが彼女に求愛した際は恋の鞘当てが行われたが、ナポレオンのはからいによって本性をかいま見たランヌは幻滅。カロリーヌも傀儡にできる愚かな夫を求めたため、結果的にミュラの妻となった。兄・ナポレオンが戦死した場合に、夫のミュラを皇帝に即位させたいと画策し、そのための手段としてジュノーと密通した。夫を高い地位につけるため叱咤し、策謀をめぐらせる。 ジェローム ナポレオンの末弟(三弟)。ヴェストファーレン国王。ロシア遠征より登場。苦労知らず、無能なお飾りで、周囲からも軽んじられている。プライドが高く、兄以外の命令を聞こうとはしない。その軽率な行動は、兄ナポレオンを苛立たせている。 ジョゼフィーヌ 声 - 浅井晴美 ナポレオンの最初の妻。美貌、社交性、愛嬌、幸運に恵まれた「幸運の女神」。古参兵や国民から絶大な人気を誇る。 カリブ海のマルティニーク出身。最初の夫・ボアルネ子爵との間には2児をもうけるも離縁される。恐怖政治時代は元夫をギロチンによって失い、自身も投獄される。釈放後は一時バラスの愛人となるも、ナポレオンの熱烈なアプローチに押され再婚した。元はローズと呼ばれていたが、ナポレオンが自分だけの名前で呼びたいために「ジョゼフィーヌ」となった。結婚時は年齢を4つほど若く申告し、夫のナポレオンは2つ年齢を高くしていた。この結婚はボナパルト家から強い反対にあい、結婚後も義母や義妹から敵意を抱かれ、嫌がらせを受けている。 イタリア遠征ではなかなか夫に同行しようとせず、ナポレオンを苛立たせた。東方遠征中にシャルルとの浮気が発覚し、家から追い出されそうになるも我が子2人と3人がかりで謝罪し復縁に成功した。 激務に励む夫を励まし、人脈強化のために努力しているが、その反面大変な浪費家であり、常に金に困っている。コミックス15巻においては、(顔つきと服装が『ミナミの帝王』の主人公、萬田銀次郎に似た人物から)借金の返済を迫られたり、報酬目当てに夫の周囲の情報をフーシェにリークするシーンもある。 ナポレオンが世襲を意識しはじめたことから不妊に悩むようになり、その妥協案として娘オルタンスと義弟ルイとの結婚を受け入れた。1804年、フランス皇后に即位した。かつては不貞で夫を悩ませた彼女だが、だんだんと夫の浮気に悩まされることとなった。さらに夫の愛人マリア・ヴァレフスカの妊娠で自身の不妊が明らかになり、ますます追い詰められる。 ヴァグラムの戦いの後の1810年、ついにナポレオンとの離婚に合意。国民に惜しまれつつ、14年間の結婚生活に終止符を打った。 マリー・ルイーズ ナポレオンの二番目の妻であり、フランス皇后。オーストリア皇女。父はフランツ2世、大叔母はマリー・アントワネット。 幼いころ、ナポレオンの軍勢から避難した経験がある。そのためナポレオン、そして大叔母を処刑したフランスに恐怖と憎悪を抱いており、父の命により泣く泣く嫁いだ。しかし結婚は打ち解け、ナポレオン初の嫡出子ローマ王を授かる。 ウジェーヌ ジョゼフィーヌと、その前夫ボアルネ将軍の息子。母を愛しているものの、軽薄な行動を恥じる一面も。義父ナポレオン、妹、妻子らを愛する好青年である。 ヴァンデミエールの反乱鎮圧後、父の形見である剣の返却をナポレオンに嘆願し、度胸試しの後に剣の所持を認められる。母ジョゼフィーヌがナポレオンと結婚したため、ナポレオンの義息となる。イタリア遠征にも顔を出し、東方遠征からナポレオンの副官として本格的に再登場する。このときはまだ半人前扱いであり、ハーレムで贅沢三昧を送っていたが、ところが母の浮気が新聞で報じられているのを知り発奮。一人前の男、そして兵士になるために試練を求め奮闘する。兵士たちから「熱血バカ副官」と呼ばれるほどであり、若者らしいまっすぐな行動が目立つが裏目に出ることもある。試練を求めるあまり絶食するなど、多少のマゾヒズムを行動ににじませる。長じてからは誠実な軍人として、ナポレオンを支える。 1806年、バイエルン王女・アメリと結婚。夫婦は仲むつまじく幸せな家庭を築き、7人の子に恵まれた。 オルタンス ジョゼフィーヌの娘で、ウジェーヌの妹。ウジェーヌがナポレオンに剣の返却を嘆願しに行く際、「(ナポレオンが)ヴァンデミエールで市民の血を飲んだ」という噂を信じて会いに行くのを止めようとする。ジョゼフィーヌとナポレオンの結婚により、ナポレオンの義娘となった。母親思いでありその意向に逆らえず、初恋の相手であるデュロックへの思いを断ち切りルイ・ボナパルトとの結婚を承諾する。 しかし、母ジョゼフィーヌがナポレオンに離婚されたのと同時期に、ルイと離婚する。夫の間に3人の男子を授かっていたが、三男のシャルル・ルイ=ナポレオン・ボナパルト(後のナポレオン3世)のみを引き取った。 ジュリー・クラリー デジレの姉で容姿は妹より劣る。デジレと別れたジョゼフに乗り換えても構わないと迫り、結婚した。夫がスペイン王になったことに伴いスペイン王妃となったが、ナポリの方がよかったと感じている。 デジレ・クラリー もとはジョゼフの婚約者であったが、ナポレオンと恋仲になる。その後、ジョゼフィーヌに心惹かれたナポレオンに一方的に振られてしまった。ナポレオンを嫌うベルナドットに接近、結婚する。自分を捨てた元恋人への恨みが消えないらしく、夫にナポレオン打倒をささやいている。ナポレオンは彼女のことを思いやってか、夫のベルナドットの度重なる軍令違反に対して厳しい処断を下せずにいる。 夫ベルナドットがスウェーデン王太子となると、ナポレオンとの別れを惜しみながらフランスを旅立った。
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