ボナベナの騎士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 02:18 UTC 版)
17歳のスークは貧しい馬丁だった。鋼馬(ドルー)と呼ばれる機械馬の手入れに明け暮れていた。馬丁仲間のさそいに乗って泥棒の手伝いをし、たまたまスークは盗んだ大金を独り占めすることになった。その金でスークは夢にまで見ていた自分の持ち馬を手に入れる。片耳の古馬で名前をヴァロと付けた。ツァロという小村で、スークとヴァロの活躍により山賊を蹴散らした。これを機に村長の娘フィオと愛が芽生え婚姻の段を迎える。しかし、以前の仲間がたまたま村を訪れ、盗みが露見しそうになるのを恐れてスークは秘かに村を出る。それからベーメという馬買い商人に会う。聞けばベーメは馬市でヴァロを競り合った相手である。奇遇にも二人を結びつけた。だがベーメの隊商は盗賊団に襲われてしまいスークは捕虜となる。賊は名だたる女首領エルロラの率いる義賊団(アスラート)を名乗る一団だった。荒くれ者たちとの争闘、領主軍との激しい戦い。幾度か生死の危難を乗り越えスークは日々逞しく成長し、エルロラとの間にも不思議な信愛の念が生まれる。やがて義賊団は追討を受けて散り散りになる。スークは別途、帝国の都ブハラを目指す。退廃の都ブハラでスークは闘騎士(ドルーク)として名をあげる。無情な闘技、ベーメとの再会、そして仲間の死・・・。帝国軍に捕縛されたエルロラが護送されて来る。スークはすぐさま救出を決意する。ベーメが策を廻し、ボナベフ皇帝の臨席する闘場で計画は決行された。三人は都を脱出する。折しも、土岐は闇の一年に向う炎のような日没の季節。「・・・何時かまた、もっと立派な男になったお前と会いたい」街道での別れの際にエルロラはスークに言った。
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