ジム・スナイパーII
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「ジム・スナイパー」の記事における「ジム・スナイパーII」の解説
OVA『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』などに登場。メカニックデザインは出渕裕。 ジム・スナイパーカスタムの設計コンセプトを、ジム・コマンド系列機に反映させた機体。精密射撃用センサーと高倍率カメラ(精密射撃用レーザーと光学複合センサー)を備えた開閉式バイザーを持ち、頭部バイザーを下ろして頭部全体を冷却することで超長距離の狙撃を可能としている。非戦闘空域での突発戦闘時には専用のスナイパー・ライフルによって敵旗艦や敵指揮官機を仕留め、戦闘を短期に決着させる。 純粋なMSとしての性能はカタログスペックにおいてRX-78ガンダムを凌駕する水準を誇り、脚部に増設したスラスターと新型のバックパックによって推力を増強。ジオン軍のMSゲルググに単機で対抗できる数少ない量産機でもある。その基本設計や機構の多くは、後発のネモやジェガンなどに多大な影響を与えたといわれている。しかし、生産開始が戦争末期だったことと高コストのために少数しか生産されておらず、一年戦争に間に合った機体はごく少数に限られる。標準塗装は濃淡ブルーを基調とする。 武装 本機は汎用性も高く、一年戦争当時におけるほとんどの連邦軍MSの武装を使用できる。ジム・コマンドとは、ブルパップ・マシンガン、ビームサーベル、曲面型シールドが共通する。 陸戦型ガンダムと共通のビーム・ライフル、100mmマシンガン、ロケットランチャーについては陸戦型ガンダム#武装・装備を参照。 75ミリスナイパー・ライフル 型式番号:Franz EF-KAR98K モーゼル・ボルトアクションライフル"Kar98k"を元に開発された実弾ライフル(無反動砲)。開発者はドイツ人。口径はオリジナルの7.92ミリの拡大ではなく、陸軍の75ミリ砲を転用している。液体装薬を使用しており、弾丸のみを装填する。Kar98kと同じく中央部のボックスマガジンにクリップされた5発を装填した。標準装備として10×350(対物レンズ径)エレクトリック・サイトがあり、トリガーでジム・スナイパーIIのコンピューターと連結し、高い命中率を誇る。運用コンセプトとしては、後方の敵指揮官機や戦艦を一撃で沈めることで、戦闘を早期終了させるために用いられる。プラモデルのステンシルには、「ZIONIC」の文字とジオン軍マークが確認できる。ボルトアクション式ゆえに次弾装填で時間を要するために迎撃や近接戦闘には不向きであり、通常の出撃ではビームライフルなどの予備火器を携帯する。 なお、本機専用の装備というわけではなく、精密射撃を行わないのであれば一般機においても近距離から中距離までの無反動砲として利用できる。 『0080』発表当時にデザインそのものは存在したが、作中では登場しなかった装備である。後発のゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズや『ギレンの野望』シリーズなどに登場する。 長らくビームであったり実弾であったりと、その設定が曖昧だったが、『マスターアーカイブ モビルスーツ ジム』ではフランツ社で開発された75ミリの実弾式狙撃ライフルとされている。一方、テレビアニメ『ガンダムビルドファイターズ』でジムスナイパーK9が使用したものはビーム・ライフルとして描かれている。 ビーム・ライフル 型式番号:XBR-M-79S 対MS戦において携行する。エネルギーCAPデバイスは特徴的な形状をしており、カタツムリに似ていることから「スネイル (Snail)・タイプ」と呼ばれ、型式番号末尾の "S" はこの頭文字である。次世代を見据えた斬新な基本設計であるが、当時の技術レベルでは設計者の構想を十分に実現できず、高い評価を得られず少数が試作されずに留まっているが、リド・ウォルフ専用機での使用も確認されている。0087年にEパック方式に改良し出力を強化したBR-M-87が開発され、百式の専用武装となっている。 ロングレンジ・ビーム・ライフル ジム・スナイパーと同型の大型ビーム・ライフル。2000年に発売されたPS2専用ゲーム『機動戦士ガンダム』にてホワイト・ディンゴ隊仕様機の装備として登場して以降、『機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles』などの後発のゲームや模型でもロングレンジ・ビーム・ライフル装備機の登場機会は多い。『ガンダム戦記』の漫画版では、連続使用には機体を外部電源機器に接続する必要があり、冷却剤とエネルギーパックなしでの発射は1回のみとなっている。 漫画『機動戦士ガンダム オレら連邦愚連隊』に登場したネメシス隊所属の「エイプ」ことジャン・ディベビエ機も同型のライフルを使用しており、こちらはチャージにある程度の時間を要するが、連続での使用が可能とされている。 L-9ビーム・ライフル 型式番号:BOWA BR-M-82L-9 小説『機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ』が初出。ボウワ社がガンキャノンのビーム・ライフルを基に開発したロングバレルの狙撃型ビーム・ライフル。バレルにはバイポッドを装備。Eパック式で、1回の射撃でカートリッジ1つを丸ごと消費する。 バルカン砲 本機の頭部に60mmバルカン砲は内蔵されていないが、『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』のホワイト・ディンゴ隊仕様機は、右側頭部にパック方式のバルカン砲を追加装備している。他にも『ガンダム戦記』などの地上を舞台としたゲーム作品でも装備した機体は多く、カードビルダーではホワイトディンゴ隊以外の機体も装備している。 ミドル・シールド 『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』のホワイト・ディンゴ隊が装備。陸戦型ガンダムの小型シールドの上に、下半分にしたジムのシールドを重ねている。 個人・部隊用カスタム機 迷彩塗装機 書籍『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』に登場する機体で、グリーンのタイガー・ストライプ迷彩がほどこされている。森林の中、ネットなどによってカモフラージュされている。撮影時期は宇宙世紀0079年10月とされているが、パイロットや所属部隊などは不明。携行しているライフルは作画を担当したアニメーター、岩滝智によるオリジナルデザインである。 リド・ウォルフ専用機 書籍『機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』の文字設定が初出で、ゲーム『ギレンの野望 ジオン独立戦争記』でカラーリングが設定された。連邦軍のエース「踊る黒い死神」ことリド・ウォルフ少佐が最後に使用した機体とされ、黒とライト・グレーを基調に塗装されている。 ホワイト・ディンゴ隊仕様 ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』に登場。オーストラリア戦線の特殊MS小隊「ホワイト・ディンゴ」の戦闘スタイルや任務内容に合わせて、デリケートな狙撃用の各種機構や宇宙用装備をオミットし、陸戦能力と状況適応能力の向上を目指した現地改修機。同隊の配備機は部隊カラーである濃淡グレーに塗り分けられているが、本機のみ青と白を基調とする。左肩にはディンゴをモチーフにした部隊章が描かれているほか、右側頭部にバルカン砲ユニットが追加され、陸戦型ガンダムの小型シールドに追加装甲を貼り付けた、ミドル・サイズのシールドが装備されている。実戦的で優秀なカスタム機となっており、部隊内では「ジム・スナイパーカスタムII」と呼ばれていたともいわれる。 ジャン・ディベビエ専用機 漫画『機動戦士ガンダム オレら連邦愚連隊』に登場する教導団「ネメシス」隊のジャン・ディベビエ中尉が搭乗する機体。ネメシス隊の部隊カラーである濃淡ブルーとオレンジで塗装されている。 カイン・ラグナード専用機 小説『機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ』に登場する特殊部隊「シャドウズ」チーム5の隊長、カイン・ラグナード大尉が搭乗する機体。「シャドウズ」の部隊カラーであるダーク・グレーに塗装され、左肩に漢字の「影」をモチーフにした部隊章が描かれているほか、頭部の狙撃センサーの変更やバルカン砲ユニットの追加、左大腿部には携行武装のL-9ビームライフルの交換用Eパックを装備する。ジオン軍残党が潜伏する「ヘルズゲート」攻略の際に中破するが、パイロットは脱出し基地内に侵入している。 ティターンズ仕様 ウェブ小説配信サイト「矢立文庫」の企画『アナハイム・ラボラトリー・ログ』に登場。光学式カメラシステムを新型のものに換装するなどの近代化改修が施されており、L-9ビームライフルを装備している。カラーリングはダーク・ブルーを基調としたティターンズ・カラー。アレキサンドリア級重巡洋艦「アル・ギザ」に所属している。 劇中での活躍 連邦軍の強襲揚陸艦グレイファントム所属の「スカーレット隊」に配備されている。これはサイド6周辺での度重なる戦闘が問題になり、戦闘の早期決着が求められたためである。サイド6「リボー」コロニー内に現れたジオン軍サイクロプス隊のケンプファーの迎撃に、ジム・コマンド数機と量産型ガンキャノン2機とともに本機2機が、ジム・コマンドと共通のプルバップ・マシンガンを装備して出撃するが、スカーレット隊は全滅する。なお、一部のジム・コマンドは脚部に本機と同様の特徴が見られ、「ジム・コマンド(コロニー内仕様)カラーのジム・スナイパーII」であるとの見方もある。 『マスターグレード』の本機の説明書では、「スカーレット隊」ではなく、同じくグレイファントム所属の「ディープブルー隊」に配備されたとしている。スカーレット隊がジム・コマンド3機と量産型ガンキャノン1機、ディープブルー隊が本機3機と量産型ガンキャノン1機の編成であるとされ、映像に登場しない本機1機はグレイファントムに1丁のみ支給されたスナイパー・ライフルでデッキからケンプファーを狙撃しようとするが、動きが早く照準が定まらないまま終わっている。 ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』では、終盤にホワイト・ディンゴ隊に配備される。ジオン軍のHLV発進を阻止する緊急特別任務に際し、ジャブロー基地でロールアウトして間もない本機が急遽ホワイト・ディンゴ隊へ届けられ、陸戦型ゲルググやライノサラスと交戦する。小説版では小隊長のマスター・ピース・レイヤー中尉機のみビーム・ライフルを装備し、ほかの2機は100mmマシンガンを装備している。 ゲーム『機動戦士ガンダム スピリッツオブジオン』、ステージソロモン攻防戦に登場、不死身の第四小隊隊長サウス・バニング搭乗の機体。 漫画『機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles』では、MS特殊部隊第3小隊へ1機配備され、射撃を得意とするラリー・ラドリー少尉が搭乗する。ジャブロー防衛戦の際にはロングレンジ・ビーム・ライフルによる狙撃任務につくが、隊長であるマット・ヒーリィ中尉の判断ミスによりザクIIの攻撃がコクピットに被弾し、機体は小破で済むがラリーは戦死する。修理後は同僚のアニッシュ・ロフマン曹長が搭乗し、100mmマシンガンを携行して戦線に復帰している。
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