日本の国会議員
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/05 19:50 UTC 版)
特権
国会議員や国会議員の属する各議院の活動等を保障するため、憲法により国会議員には3つの特権が認められている。
- 不逮捕特権
- 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない(憲法第50条)。各議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、会期中その院の許諾がなければ逮捕されない(国会法第33条)。
- 免責特権
- 議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問われることはない(憲法第51条)。
- 歳費特権
- 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける(憲法第49条)。歳費や手当については国会法や国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律などに規定がある。
なお、その他の待遇として、
- 個人給与を国費で負担する公設秘書として、公設第一秘書、公設第二秘書、および国会議員政策担当秘書の3人を置くことが第132条により認められること
- 議員会館に事務室が与えられる(第132条の2)。
- JRが全線無料となる「鉄道乗車証(通称:JR無料パス)」が支給される[5]。新幹線・特急・グリーン車等の料金も含む。ただし、東北・北陸・北海道の各新幹線のグランクラスのみ特急料金・グランクラス料金について適用除外である(国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律第10条)。
- 航空機は月4往復分無料(その場合、JR無料パスは支給されない)もしくは月3往復分無料(その場合、JR全線無料パスも支給される)の選択
- 家賃が安価な議員宿舎(選挙区が東京特別区外で議員会館に通勤出来ない人に限る)
- 競馬場、競輪場、競艇場の入場料が無料(競馬法施行規則、自転車競技法施行規則、モーターボート競走法施行規則)
- 身分証明としての議員記章贈呈(総選挙ごとに新しく製作されるため失職・辞職しても返還する義務はない)※2005年からはクールビズのため、議員身分証も出るようになった
などがある。
JR無料パスや航空運賃の無料分は、民間でいう通勤手当に相当するとの主張がある一方[6]、選挙区に関係なく一律定額支給である点を挙げて異論もある。
なお、身分を喪失した際に返還すべき議員パスが返還されないまま使用され続けた結果、他人の名前を使って新幹線特急券・グリーン券をだまし取ったとして2022年に元参議院議員の山下八洲夫が逮捕される事件が起きている[5]。
また、議員宿舎については、地方選出議員の通勤や有事における国会の緊急召集などの観点から存在意義を認めつつも、立地や設備等の面で世間の相場や社会通念に照らし合わせて著しく廉価である点について批判されることが多い[要出典]。
注釈
- ^ ちなみに、通常選挙が行われる年の西暦年は必ず3で割り切れる年になる。
- ^ 2014年12月14日の第47回衆議院議員総選挙で被選挙権を得た平成元年生まれは、1989年1月8日〜同年12月15日生まれ。平成元年の358日間のうち、1989年12月16日〜同年12月31日の16日間の間に生まれた者を除く342日間に生まれた者が被選挙権を得た。
- ^ それ以前は、2013年(平成25年)6月3日の鈴木貴子(1986年(昭和61年)1月5日生まれ)の繰り上げ当選以降、2014年の第47回・2017年(平成29年)の第48回を経て鈴木が最年少衆議院議員の座を維持し続けていた。
- ^ なお、参議院議員通常選挙において平成生まれが立候補可能になるのは2019年(令和元年)夏に実施された第25回からであったが、同選挙に平成生まれの候補者は立候補しなかった。
- ^ これにより、平成時代に平成生まれの国会議員は一人も誕生しなかったことになる。
- ^ 国会議員であることが、内閣総理大臣の選任要件かつ在職要件になっている。
- ^ 2010年10月29日の参議院議院運営委員会で、参議院法制局長は『「非常勤」及び「通常の行政事務の処理を任務とするものでないこと」の要件を満たす職であり、また「内閣の管轄する行政各部における国家公務員に限られ、地方公務員については例外が認められていない」と解されている』と答弁している。
- ^ ただし国会議員資格を前提として就任した場合、衆議院解散時の前衆議院議長・前衆議院副議長を除いて国会議員資格を喪失した場合は失職となる。
- ^ ただし国会議員資格を前提として就任した場合、衆議院解散時の前衆議院議員を除いて国会議員資格を喪失した場合は失職となる。
- ^ a b c d e f g h 国会議員資格を前提として就任した場合、国会議員資格を喪失した場合は失職となる。
- ^ 宇垣一成も同じく87歳8か月であるが8日差で市川が最高齢となる。
- ^ 1975年から1981年まで20万円、1981年から1991年まで25万円、1991年から2003年まで30万円。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 国会議員以前も歴任 (前身の市町を含む)。
出典
- ^ “選挙権年齢「18歳以上」に 改正公選法が成立”. 47NEWS. (2015年6月17日). オリジナルの2015年6月17日時点におけるアーカイブ。 2015年6月18日閲覧。
- ^ “衆院憲法審査会 緊急事態への対応など自由討議”. NHK NEWS WEB. (2022年3月17日). オリジナルの2022年3月17日時点におけるアーカイブ。
- ^ “衆院憲法審査会、扱うテーマ議論”. 朝日新聞. (2022年3月18日)
- ^ “2022年3月17日 (木) 憲法審査会”. 衆議院インターネット審議中継. 2022年3月22日閲覧。
- ^ a b 彩希, 前原 (2022年5月10日). “元参院議員の悪用で注目 「JR無料パス」は不正の温床か”. 産経ニュース. 2023年2月12日閲覧。
- ^ 中田宏が著書『国会の中はこうなっている』で述べたところに拠る
- ^ 県議当選の元国会議員、副大臣や党幹部経験者も2015年4月13日 日本経済新聞
- ^ 【統一地方選】地方に「再チャレンジ」の元国会議員11人当選 民主多数 離党組とは明暗も(1)2015年4月13日 産経新聞
- ^ 【統一地方選】地方に「再チャレンジ」の元国会議員11人当選 民主多数 離党組とは明暗も(2)2015年4月13日 産経新聞 「産経新聞の調べでは、少なくとも16人が今回(前半戦)、新人・元職として地方選に挑戦し、11人が当選した。党派別では、民主党在籍経験者が出馬と当選双方とも最多で、11人が出馬して6人が当選。活動の場を地方に移すことになった」とある。2015年の統一地方選挙の前半戦で地方議員に当選した11人は浅野貴博・大久保潔重・小原舞・熊代昭彦(2011年統一地方選も当選、その後辞職)・向山好一・佐藤夕子・新原秀人・高井美穂・高橋英行・平賀高成・百瀬智之。後半戦で大島令子が当選。一方落選した5人は笠原多見子・斉木武志・中野渡詔子・橋本勉・山村明嗣。この他これ以前に地方議会に転身した元国会議員の荒巻隆三・岩下栄一・岸本健・田中英夫・谷口和史が2015年の統一地方選挙に現職として臨み当選している。
- ^ 元衆院議員の小林氏、千歳市議に当選、異例の転身北海道新聞 2017年5月29日、閲覧:2017年5月30日
- ^ “<道議選 注目の候補>千歳市・小林千代美氏 女性の少なさに危機感:北海道新聞デジタル”. 北海道新聞デジタル. 2023年4月10日閲覧。
- ^ 統一地方選挙2023>開票速報・候補者一覧>石川県議選 金沢市(定数:16)石川県の選挙ニュース 石川県議選 2023年4月9日 朝日新聞デジタル
- ^ 2020年、公職選挙法が改正され、同年12月から町村議会議員選挙についても供託金制度が導入された。総行選第37号 公職選挙法の一部を改正する法律の施行について(通知)2020年6月12日 総務大臣
- ^ 港南区市議選 5議席に7人名乗りか 現職5人、新人2人が表明タウンニュース 港南区・栄区版 2015年2月19日号 タウンニュース社
- ^ 神奈川県議・横浜・川崎・相模原市議選-2015統一地方選2015年4月4日 朝日新聞横浜版21面(第三神奈川)13版
- ^ 統一地方選2015 開票結果-政令市議選・神奈川県 横浜市議選 横浜市港南区 定数5-候補8(選管確定)読売新聞
- ^ 統一地方選2015首都圏 神奈川 横浜市議選東京新聞
- ^ 横浜市議会議員選挙(2015年4月12日投票)港南区選挙区|政治山政治山
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