space Shuttleとは? わかりやすく解説

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スペース‐シャトル【space shuttle】

読み方:すぺーすしゃとる

1981年から2011年にかけて運用されたNASA(米国航空宇宙局)の有人宇宙往復機。人工衛星の軌道投入や惑星探査機の放出、国際宇宙ステーション(ISS)への人員・資材輸送などに利用された。それまでのロケットとは異なり反復利用が可能で、実用機としてコロンビア・チャレンジャー・ディスカバリー・アトランティス・エンデバーの5機が建造・運用され、30年間に135回の飛行を行った。離陸時は巨大な外部燃料タンクと一対の固体ロケットブースターを使用して発射台から垂直に打ち上げられ、帰還時はオービター(軌道船)がグライダーのように滑空しながら着陸する。

[補説] 1977年に試験機エンタープライズによる滑空着陸試験が繰り返された後、1981年4月12日にコロンビアが打ち上げられ、地球の周回軌道を36周して帰還(スペースシャトルとして初の有人宇宙飛行)。1982年11月、コロンビアが通信衛星2機を放出し軌道に乗せることに成功(初の実用飛行)。1986年1月、チャレンジャーが打ち上げ直後に爆発。2003年2月、コロンビアが帰還時に大気圏内で空中分解。2011年7月9日に打ち上げられたアトランティスがISSへ補給物資や実験装置を運搬したのを最後に、スペースシャトルの運用は終了した。


【スペースシャトル】(すぺーすしゃとる)

Space Shuttle.
アメリカ航空宇宙局(NASA)が運用していた宇宙船。
任務ごとの使い捨てではなく、機体総重量の約90%が再利用可能となっている点が特徴だった。
人工衛星の打ち上げや衛星軌道上での学術実験、宇宙ステーションの建設及び人員・資材の搬送に用いられていた。

実験機のEnterprise(エンタープライズ)、実用機のColumbia(コロンビア)、Challenger(チャレンジャー)、Atlantis(アトランティス)、Discovery(ディスカバリー)、Endeavour(エンデバー)の計6機が建造された。
このうちコロンビア号・チャレンジャー号は事故により喪失(後述)、他は運用寿命により2011年に退役したため、稼働状態のスペースシャトルは現存しない。

後継機としてロッキード・マーチン社のX-33Venture Star(ベンチャースター)など数種類の機体が提案されたが、開発費の高騰から挫折。
現在も新たな後継機の開発は進められているが、見通しはまだ不透明である。

関連 オービター エンタープライズ NASA ブラン

略史

1960年代
NASAが「再利用が可能な宇宙船」についての構想を計画。
1972年
プロジェクトが始動。
1977年
エンタープライズ号による滑空試験を開始。
1981年4月12日
コロンビア号(STS-1)が打ち上げ成功。以降、本格的なミッションがスタートした。
1986年1月28日
チャレンジャー号(STS-51L)が打ち上げの上昇中の事故により爆散。乗員は全員死亡。
1992年
最終号機「エンデバー」号がロールアウト。
2003年2月1日
コロンビア号(STS-107)が大気圏再突入時の事故により空中分解。乗員は全員死亡。
2011年3月
ディスカバリー号が運用寿命を満了し、退役。
2011年5月
エンデバー号が運用寿命を満了し、退役。
2011年7月
アトランティス号が運用寿命を満了し、退役。
最後の一機が退役に至ったため、これをもって全プロジェクトが終了。

構造・性能

オービター1機、固体燃料ロケットブースター2基、外部燃料タンク1基で構成される。
オービターは100回、ブースターは10~20回程度の再利用を想定して設計されているが、外部燃料タンクだけは使い捨てで、衛星軌道への上昇中に切り離され、大気との摩擦で燃え尽きる。

任務終了後、オービターは大気圏へ突入し、グライダーのように滑空・着陸が可能だったが、上昇用エンジンの燃料が外部燃料タンクからしか供給されないため、着陸後、単体での再離陸は不可能だった。
そのため、着陸後は専用の輸送機に載せ、発射地であるケネディ宇宙センター(フロリダ州・ケープカナベラル所在)に空輸されていた。
ただし、実際にはケネディ宇宙センターとカリフォルニア州・ロジャース乾湖のNASAドライデン飛行研究センター付属飛行場にしか着陸できなかった。

これは、大気圏再突入時の摩擦熱が設計時の想定を越えており、専用の強制冷却装置が必要になったためである。
理論上は滑走路と冷却装置さえ設置すれば着陸可能なのだが、上記二箇所の飛行場以外には設置されなかった。
また、機体の輸送コストが余分にかかるため、ドライデンへの着陸も忌避されており、プロジェクトの後期にはケネディ付近の天候が不順の場合、地球への帰還を出来る限り延期してケネディに着陸させるようにしていた。

構成

オービター
スペースシャトル・システムの核となる部分。大気圏への再突入が可能。
前部に乗員の生活・生命維持設備、中央に貨物室、後部にエンジン・飛行制御部品を配置。
外部燃料タンク(ET)
オービターのエンジン用推進剤、液体酸素・液体水素が入っている。
打上げ9分後(高度約150km)に切り離され、唯一再利用されない部分。
発射台上でオービターとロケットブースターを繋ぐ役割も果たす。
固体ロケットブースター(SRB)
推力偏向装置を搭載。
外部燃料タンクに2本取り付けられ、打上げ2分後(高度約45km)に切り離される。
落下後回収され、再利用される。
発射台上ではボルトで固定され、発射の瞬間までスペースシャトル全体を支えている。
全長全高全幅重量推力
オービター37.2m17.2m23.8m78~79t170t(大気圏)/213t(真空)
ET47.0m-8.4m35t(自重)/720t(推進剤)-
SRB45.5m-3.7m88t(自重)/502t(推進剤)1200t

スペースシャトルの事故

チャレンジャー号(STS-51L)の事故

1986年1月28日、チャレンジャー号(STS-51L)が打ち上げの上昇中に爆発、乗員全員が死亡した。

推定される原因は、ロケットブースターのつなぎ目を密封するOリングの低温硬化であった。
これによって、隙間からガスが漏れ出してブースターの固定具が溶解し、不安定になったブースターが燃料タンクに突き刺さり爆発に至った。

当日の打ち上げ延期を求める現場の声もあったが、それを無視したNASAの管理体制を問題視された。
また、この事故の教訓から、大気圏内の事故を想定した緊急脱出装置が装備されることとなった。

そしてこれにより、スペースシャトルの安全性そのものに疑問が投げかけられ、爾後しばらくの間、人工衛星の打ち上げなど、宇宙へ物資を輸送する交通手段は従来の使い捨て式ロケットに回帰することになった。

コロンビア号(STS-107)の事故

2003年2月1日にコロンビア号(STS-107)が大気圏再突入時に空中分解を起こし、乗員全員が死亡した。
推定される原因は、発射時に外部燃料タンクから脱落した断熱材の破片が衝突したこと。
これにより、左主翼の強化カーボン製パネルが損傷し、大気圏突入時にその断面から高温のプラズマが侵入し、左翼の構造材が溶解・強度低下したことにより空中分解に至った。



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