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ジルコニウム【zirconium】

読み方:じるこにうむ

チタン族元素の一。単体銀白色硬い金属粉末空気中で発火しやすい。熱中性子吸収金属最小なので原子炉材料に、また合金材料などにも用いられる元素記号Zr 原子番号40原子量91.22。


ジルコニウム


物質名
ジルコニウム
英語名
Zirconium
元素記号
Zr
原子番号
40
分子量
91.224
発見
1789年
原子半径(Å)
1.62
融点(℃)
1852
沸点(℃)
3578
密度(g/cm3
6.53
比熱(cal/g ℃)
0.066
イオン化エネルギー(eV)
6.84
電子親和力(eV)
0.5


ジルコニウム

(Zirconium から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/29 03:55 UTC 版)

イットリウム ジルコニウム ニオブ
Ti

Zr

Hf
40Zr
外見
銀白色
一般特性
名称, 記号, 番号 ジルコニウム, Zr, 40
分類 遷移金属
, 周期, ブロック 4, 5, d
原子量 91.224
電子配置 [Kr] 5s2 4d2
電子殻 2, 8, 18, 10, 2(画像
物理特性
固体
密度室温付近) 6.52 g/cm3
融点での液体密度 5.8 g/cm3
融点 2128 K, 1855 °C, 3371 °F
沸点 4682 K, 4409 °C, 7968 °F
融解熱 14 kJ/mol
蒸発熱 573 kJ/mol
熱容量 (25 °C) 25.36 J/(mol·K)
蒸気圧
圧力 (Pa) 1 10 100 1 k 10 k 100 k
温度 (K) 2639 2891 3197 3575 4053 4678
原子特性
酸化数 4, 3, 2, 1,[1]
(両性酸化物)
電気陰性度 1.33(ポーリングの値)
イオン化エネルギー 第1: 640.1 kJ/mol
第2: 1270 kJ/mol
第3: 2218 kJ/mol
原子半径 160 pm
共有結合半径 175±7 pm
その他
結晶構造 六方最密充填
磁性 常磁性[2]
電気抵抗率 (20 °C) 421 nΩ⋅m
熱伝導率 (300 K) 22.6 W/(m⋅K)
熱膨張率 (25 °C) 5.7 μm/(m⋅K)
音の伝わる速さ
(微細ロッド)
(20 °C) 3800 m/s
ヤング率 88 GPa
剛性率 33 GPa
体積弾性率 91.1 GPa
ポアソン比 0.34
モース硬度 5.0
ビッカース硬度 903 MPa
ブリネル硬度 650 MPa
CAS登録番号 7440-67-7
主な同位体
詳細はジルコニウムの同位体を参照
同位体 NA 半減期 DM DE (MeV) DP
88Zr syn 83.4 d ε - 88Y
γ 0.392 -
89Zr syn 78.4 h ε - 89Y
β+ 0.902 89Y
γ 0.909 -
90Zr 51.45% 中性子50個で安定
91Zr 11.22% 中性子51個で安定
92Zr 17.15% 中性子52個で安定
93Zr trace 1.53×106 y β- 0.060 93Nb
94Zr 17.38% > 1.1×1017 y β-β- 1.144 94Mo
96Zr 2.8% 2.0×1019 y[3] β-β- 3.348 96Mo

ジルコニウムラテン語: zirconium[4] ラテン語発音: [zɪrˈkoː.ni.ʊ̃ˑ] ズィルコーニウム、英語発音: [zɜːɹˈkoʊniəm])は、原子番号40の元素元素記号Zrチタン族元素の1つ、遷移金属でもある。常温で安定な結晶構造は、六方最密充填構造 (HCP) のα型。862 ℃以上で体心立方構造 (BCC) のβ型へ転移する。比重は6.5、融点は1852 ℃。銀白色の金属で、常温でアルカリに対して安定。耐食性があり、空気中では酸化被膜ができ内部が侵されにくくなる。高温では、酸素窒素水素ハロゲンなどと反応して、多様な化合物を形成する。

名称

元素名は、宝石のジルコンアラビア語で金色を表す zarqun)が語源[5]

用途

原子力

ジルコニウムは金属の中で熱中性子吸収断面積が最小のため、ジルカロイと呼ばれるジルコニウム合金が原子炉燃料棒の被覆材料(燃料被覆管)や沸騰水型原子炉燃料集合体のチャンネルボックスの材料として利用される。燃料被覆管を形成する際には、原子炉に入れたときにα相(稠密六方格子)の底面に水素化物が析出しやすく、それが原因で被覆管が破損する可能性があるため、ロールダイスにより管を回転往復させながら圧延するピルガー式圧延法を用いる。沸騰水型軽水炉ではα領域内の高温 (580 ℃) で最終真空中で焼鈍した再結晶材を使用し、加圧水型軽水炉では再結晶が生じていない450 ℃程度真空中で焼鈍を行った歪み取り焼鈍材を使用する。

セラミックス

二酸化ジルコニウムは、白色顔料などに使われている他、圧電素子コンデンサーガラス差し歯や歯のブリッジボールベアリング、セラミックの刃物など、あるいは陽極酸化によって発色する特性を活かして宝飾品などに使われている。

歴史

1798年マルティン・ハインリヒ・クラプロートがジルコンから発見[5]1824年イェンス・ベルセリウスにより、フッ化カリウムジルコニウム(正確にはヘキサフルオロジルコニウム酸カリウム英語版)をカリウムで還元することによって初めて金属分離された[5]1944年福島県塙町真名畑鉱山でジルコニウムの鉱脈が初めて発見される。第二次世界大戦中のことでもあり、国内で希元素が確保されたという点で話題となった[6]

ジルコニウムの化合物

酸化反応

高温での酸化反応、および陽極酸化反応は次式で表される。



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