TUNED編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/07 07:31 UTC 版)
ビゴット・アイゼンバーグ ザレム「地上監察局(Ground.Inspect.Bureau)」局長で「TUNED」運用の中心人物。 ガリィら“地上人(ちじょうびと)”を見下しており、また他人に対して誰にでも高圧的な態度で接するが、部下には人徳がない。ガリィに「ザレムの手先として戦うか、処分による死か」の二択を迫った。後にノヴァが洩らした「ザレム人の秘密」を知ったために発狂、悲惨な最期を迎える事になる。本人はホモ・セクシャルで女性に興味はないと言っている。 Dr.ラッセル G.I.Bに所属する科学者。ビゴットと比べるとロマンチストで人格者だが、あくまで「ザレム人としては」というレベル。量産型TUNED・GRシリーズ配備に伴い解任される。 『LO』以前の無印版では、ノヴァがザレムに持ち込み再生したガリィの面倒を看るが、ガリィが「エンド・ジョイ(公衆自殺機械)」を破壊した際には嫌悪を露わにし、ノヴァに「ザレム人の秘密」を見せられた際に錯乱して投身自殺した。 『LO』ではノヴァによって「ザレム人の秘密」を公開する材料とされ、ザレム中にその有様を放送された。 フォギア・フォア 血気盛んな若者で、ガリィの第2の恋人。珍しく生身の人間である。田舎育ちの海の男で、都会の空気に憧れてクズ鉄町に上京するも、肌に合わず帰郷する。対サイボーグ格闘術の一種『対サイバネ骨法』の使い手で、強靭な肉体は異常な打たれ強さを誇る。生身ながら掌打による「徹し」は機甲術の「周波衝拳」(ヘルツ・エア・ハオエン)と同じ効果を生む。 ファクトリー貨物列車の傭兵となるも、警護中「バージャック」の襲撃を受け、脱走防止用の仕掛けで危うく死にかけるが、ガリィの気紛れに助けられ、付きまとうようになる。最初の内は疎ましがったガリィも、二人三脚で持ちつ持たれつの関係により好感を寄せ始める。やがて一旦故郷に戻るためにガリィと別れる。 『LO』以前の無印版ではガリィを探し求め、5年後にイェールで見事彼女を見つけだし抱きしめた。 ヨルグ ファクトリー貨物列車の傭兵でフォギアの友人。傭兵としては(移動を兼ねた契約回数が多い意味で)経験豊富だが、気弱で吃音症のおとなしい性格の男。バージャックを恐れて仲間たちが傭兵を辞める中、妻子のいる農場(ファーム)22へ帰郷するため残留、フォギアともどもガリィに助けられる。 幼馴染で傭兵のボッズル大佐がバージャックに転身しており、命と引き換えに一度はバージャックへ寝返るが、ソケット兵に改造される。しかしボッズル大佐の部隊が農場22の襲撃を計画していることを知り、再度寝返ってガリィとフォギアの窮地を救うも、脱走防止装置によって致命傷を負い、「妻子にあわせる顔がない」と泣きながら死んでいった。 電(デン) ザレムへの反逆集団「バージャック(馬借)」の首領。ファクトリーからは「1億チップ」という破格の賞金が掛かっている。 その極めて巨大な体は、ほとんど対要塞戦闘装備で、巨刀「斬車刀」と豪槍「徹車槍」を振るう。巨体のみならず戦闘技術も際立って優れており、その「機」の練りの凄まじさと「機兆」を読む鋭さで一度はガリィを圧倒した。その脅威で「荒野の魔王」の異名をとる反面、虐げられた大衆の代行者として熱狂的な支持者を集め、彼と行動を共にする命知らず達は多い。ザレムを落とし、「鳥が飛ぶ世界」を目指すという。電の出生には大きな秘密がある。 ボッズル大佐 バージャックの幹部。最強の戦闘部隊「沸き立つ(ボイリング)メタル」の部隊長。 頭部にカメラ・アイ、胴体に本来の顔を埋め込んだ大柄のサイボーグ。電の熱烈な信者であり、部下からの信頼も厚く、冷静沈着な男。元は先祖にグリン・ベレ族(グリーンベレーのこと。作中では一つの部族だったように伝えられている)を持つ誇り高い傭兵で、2年前にバージャックと戦って戦死したと思われていた。武人としての気骨がある振る舞いを見せるが、勝つためには味方の心情やヨルグとの友情すら利用するなど、手段を選ばない。 ナックルヘッド バージャックの幹部。 スキンヘッドの生身の人間のように見えるが、それはフェイスカバーで、透過するケースに収めた脳髄を晒すサイボーグヘッドが素顔。輸送列車襲撃に失敗、ガリィに敗北したこともあってバージャック内での評価は失墜し「くるみ頭(ナッツヘッド)」と嘲笑される。しかし凶暴な戦闘狂でもあり、一瞬の隙を突いて造反、ボッズル大佐の部隊を壊滅させてガリィとの最終決戦に挑むが、生きていたフォギアの「徹し」を受けて脳が破裂し死亡した。 ケイオス ノヴァの息子。電とは因縁浅からぬ関係で、バージャックとは中立の立場にある。サイコメトリー能力を持つ(サイコメトリスト)で、過去の遺物に触れながら海賊ラジオ放送を行っている。得意技は立花竜鬼斎の愛刀から再現した秘剣。物品から読み取った情報に精神を左右されることもある一方、案外軟派な性格であったりもしている。異常者であるノヴァを嫌い、その息子という立場から逃げようとばかりしていた。しかしガリィとの接触や、そのボディに残されたイドのガリィへの愛情、また電やバージャック達との交流を経て、ある壮大な計画を胸に抱く。 『LO』以前の無印版では、メルキゼデクの発狂でファクトリー機能を停止したクズ鉄町をベクターと共に纏めた。 ルゥ・コリンズ ザレム「地上監察局」のオペレーター。 「TUNED」の工作員となったガリィにとって、ザレム人の数少ない理解者。ドジっ子な所があるが仕事には真面目で熱心。ガリィに対する様々な支援を通してザレムの遣り口に疑問を抱き始め、自分自身の立場を危うくした。イドを除いてガリィが唯一心を許したザレム人として友情すら抱いていたが、余りに地上人に肩入れし過ぎてしまい、地位を追われる結果となった。 『LO』以前の無印版では、ザレム人の“秘密”を知った際、それが丁度良いショックとなったのか「しゃっくりが止まった」とケロリとしており、逆にガリィを心配させた。その直後に“秘密”の阻止に向かうなど、ザレム人としては“バグ”入りだった可能性がある。メルキゼデクの発狂によるザレム崩壊以後は地上で暮らし、長年の片想いを実らせてケイオスと結婚した。 GRシリーズ 「ガリィレプリカ」の意。ガリィの活動データを基に作られた、量産型の「TUNED」戦闘ロボットである。ザレムの最新鋭装備で完全武装している上、格闘技の技量は「TUNED」加入時点のガリィと互角。機甲術奥義「遊撃功律動」までも使いこなし、ガリィを苦戦させた。全部で10体(続編の『LO』では12体)おり、バージャック鎮圧などに著しい成果を上げた。 作中に登場したのは2体のみ、GR-2はガリィと戦って破壊され、GR-10はバージャックを壊滅させたが、フューリーと相討ちになる。他のGRシリーズの末路は続編の『LO』で語られ、GR-6(ゼクス)によってGR-11、GR-12(エルフ、ツヴェルフ)の2体を除く全機が撃破された。 ケイナ 農場でサイバネ医師をするようになったイドの助手を務めるサイボーグの少女。 元々ノヴァのラボで働いていたらしいが、イドと共に離れた。記憶を消去する前のイドからメッセージを預かっており、それをガリィに手渡した。「カポエラ」の使い手であり、看護婦でありながらけが人を増やしてしまうという本末転倒な部分もある。また格闘技に長けているとはいえ、その精神はほぼ一般人のそれで、ガリィを拍子抜けさせた。 ビュイック バージャックでプロパガンダを担当するカメラマン。 外見は優しげな中年男性だが、元々はクズ鉄町で女性を殺害しその死体を撮ってコレクションする猟奇殺人者だった。ある日、他者に売ったコレクションが出回ったせいで賞金首となり町から脱出、その後バージャックに捕縛されるも記者であったことから特別捕虜として扱われ、組織に加わった。入隊後は取材を続ける中で夢と活力に生きるバージャックのメンバーに魅せられ、同時に自らの醜さを嫌悪していた。 GR-10によりバージャックが蹂躙される最中に再び狂気を開放するが、最期はコヨミを庇ってGR-10に撃たれ死亡する。死後、彼のカメラと撮影データはコヨミに受け継がれ、「馬借戦記」として出版された。
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