雲仙・天草国立公園とは? わかりやすく解説

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雲仙天草国立公園

写真:高舞登山より望む天草諸島
[高舞登山より望む天草諸島

島原半島と雲仙

写真:仁田峠のミヤマキリシマ
仁田峠のミヤマキリシマ

長崎県島原半島雲仙地域と、八代やつしろ)海を隔てて九州本土向き合う天草地域からなる昭和9年雲仙国立公園として瀬戸内海霧島とともに最初に指定され国立公園である。その後31年天草地域追加して現在の名称になり、42年にはさらに天草5地域追加している。

雲仙岳複式火山で、九千部(くせんぶ)岳、妙見岳、野岳など10座以上の火山群からなるその中で普賢岳は、妙見カルデラ中央火口丘であり、近世活動の歴史が残るのはすべてこの山である。特に寛政4年(1792)の噴火では、同時に起こった強い地震により東部眉山(まゆやま)が大崩壊起こし島原の町を埋没させたうえ、有明海津波引き起こして死者15,000名を出した。「島原大変肥後迷惑」として伝えられる日本最大噴火災害である。島原九十九島そのとき流れ山名残である。

写真:雲仙地獄
雲仙地獄

雲仙温泉はこの地域利用中心である。普賢岳西方谷間にある平坦地で、大宝元年701)に行基ぎょうき)が大乗院満明寺開き中世には高野山と並ぶ真言宗霊場として、隆盛極めた伝えられる温泉古くから利用されていたが、明治以降香港上海などに居留する外国人避暑地として利用され国際的に知られるようになったこのため長崎県明治44年雲仙県営公園指定しゴルフ場なども整備して経営乗り出したのである洋風建築が多いのはこのような経緯からであり、今も公共建築などにそのスタイル継承されている。地区内には噴気、噴湯の活発な雲仙地獄があり、原生湿原白雲の池なども散策範囲である。

雲仙岳国見岳などには仁田(にた)峠から登山道があり、峠から妙見岳まではさらにロープウェイもある。初夏ミヤマキリシマ秋の紅、冬は地元で「花ぼうろ」と呼ばれる霧氷と、季節ごとに変化する自然を楽しめる登山禁止解除され普賢岳は、平成新山展望地点として人気集めている。また、千々石(ちぢわ)から登る九千部岳は、やや北西離れた静かな山である。

天草地域

天草地域沈降した山地であり、上島下島の2島を主に、大小合わせて120余り島々でつくる多島海リアス式海岸展開する

天草五橋は、九州本土宇土半島上島連絡する5本ので、天草パールライン一部構成し上島大矢野島の間にある天草松島通過する。ここは多く小島入り組んだ海岸線からなる多島海海域であり、上島千巖せんがん)山や高舞登(たかぶと)山は、この地区一望できる代表的な展望地点である。

下島西海岸天草灘面する北端にある富岡半島の曲崎(まがりざき)には、北方からの沿岸流により発達中の砂嘴(さし)がある。そこから南は出入り少な海岸線続き海食崖発達し、特に妙見浦岩礁洞門が多い。十三仏じゅうさんぶつ)崎からは荒々しいこの地区海岸展望できる。

これと対照的に南部羊角(ようかく)湾は湖沼のように深く湾入しリアス式海岸である。また、上島山稜下島六郎次山からは、御所浦島獅子島などの島嶼とうしょ)がある八代海不知火しらぬい)の海)を望むことができる。

天草といえば厳し弾圧受けたキリスト教信仰関わる歴史忘れることはできない下島本戸城跡には殉教公園整備され関係資料展示されている。また、石段十字彫り込んだ明徳寺、崎津や大江天主堂なども、この地の歴史と現在語っている。

普賢岳

写真:普賢岳火山ドーム
普賢岳火山ドーム

雲仙山岳のうち、噴火記録のあるのは普賢岳のみである。寛政4年活動本文のとおりだが、平成2年198年ぶりに活動始まり平成7年まで続いたこの間火砕流土石流多発し山麓大きな被害及ぼし平成3年には火砕流により死者行方不明44名を出す惨事起こった

この活動により普賢岳東方新たな溶岩円頂丘成長し普賢岳より197mも高い1,486mの平成新山誕生した日本で一番新い山である。

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