被災と対応の動き
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「東日本大震災における放送関連の動き」の記事における「被災と対応の動き」の解説
3月11日NHKでは緊急地震速報発表直後から、民放各局では発生直後より放送予定番組をほぼ休止し、報道特別番組に差し替えて対応した。テレビ東京系では12日23:55まで、テレビ朝日系では14日16:53まで、他の民放3系列の各局では早いところでも14日4:00までいずれもCMなし、早いところでも15日1:10まで一部CMをACジャパンの公共広告差し替えで放送した。 災害対応のため、各局共番組内にL画面で最新情報を表示。アナログ放送では4:3サイズにL画面を表示し、枠内にレターボックス映像を入れる措置。通常編成復帰後も一部時間帯を除きL画面で対応。また、デジタル放送のデータ放送では一部番組で実施している連動データ放送を休止した(以降段階的に再開)。 なお、各局で放送された報道特別番組は停電でテレビを視聴できない視聴者への配慮から、インターネット動画サービス(Ustream、ニコニコ動画など)にも同時配信された。 あまり報道特番を行わない独立局(前述の千葉テレビ放送など)も、関東地方の放送局を中心に発生直後から随時編成を開始。地域に密着した情報を伝えた。12日未明以降、順次通常放送に復帰している(L画面で災害情報を表示。通常テレビショッピングや再放送を行う枠などで、計画停電や給水所などの情報を伝える報道特番を放送。)。また、東北地方に系列局のないテレビ東京系も報道特別番組を放送したが、12日深夜より一部通常番組の放送を再開している(随時報道特番、L画面で災害情報を表示)。BSデジタル各局は14日より段階的に通常放送に復帰(随時報道特番を編成)。また、テレビ東京系以外の民放各局も15日未明から段階的に通常放送を再開(随時報道特番を編成、L画面で災害情報を表示)。 東京タワーにおいて、アナログ放送の専用アンテナに不具合が発生し、映像の乱れを救済するため、電波の出力を落として放送(減力放送、後日修理済み)。 大きな被害を免れた中・西日本地域でも、東京発の報道特別番組が放送された。しかし、これらの地域でも津波の恐れがあったにも関わらず、13日夜までほとんどのテレビ局ではローカル枠がなくなり、地域によって一時的な情報過疎に陥った。こうした地域放送の役割は、都道府県域のラジオ局やコミュニティFMが事実上代行した。これにより、被災しなかった地域でも緊急時におけるラジオの重要性が改めて認識される契機ともなった。 3月14日 - 19日NHKは輪番停電(計画停電)実施に伴い、5年間の取り組みの延長線上として節電に協力するため、15日から5日連続で、NHK教育と非常措置としてこれをサイマル放送しているBS2について午前0時から5時間放送を休止し、教育テレビについてはアナログのみならずデジタルの送信機も全国で電源を落とす措置を実施する事を決めた。また18日までは状況を見つつ特別編成を実施していたが、教育・BS2共に19日より通常編成に復帰(BS2は終夜放送を再開)。 なお、教育テレビは震災報道と並行する形で、視聴者確保の観点から午前7-8時台と午後4-5時台の児童向けの番組については3月14日より通常通りの放送に戻したが、それ以外の教育・教養番組は引き続き18日まで休止し19日から再開した。 3月15日NHKが、震災被災者が災害・安否情報を確認できるよう、避難所にテレビを設置する事を発表。 同じくして、NHKワールドTVの番組を日本国内のケーブルテレビ局に提供開始した事も発表。日本国内在住の外国人への配慮から、当面はケーブルテレビ各局からの申し出により、正式契約しなくても番組提供に応じる方向。 3月17日日本民間放送連盟(NAB)会長の広瀬道貞(テレビ朝日顧問)は会見で、震災被災地における地上デジタル完全移行について、予定通り7月24日の実施を目指す事を明言。また、被災地への地デジ対応テレビの配布を日本政府に求めていく意向も表明。 3月17日 - 31日放送大学学園が、計画停電に伴う節電に協力するためテレビ・ラジオ共7:30開始・21:30終了と1日の放送時間を大幅に短縮。21:30から翌7:30まで10時間の放送休止の措置を実施。 電子情報技術産業協会(JEITA)が被災地にテレビ750台、UHFアンテナ400本、BSアンテナ100台を送る事を発表。JEITAが会員企業に提供を依頼し、各社の賛同を得ている。 3月19日 - NHK総合テレビ・教育テレビ・BS1・BS2が段階的に通常編成に復帰(随時、震災報道番組を編成)。 3月24日 - 日経ラジオ社の「ラジオNIKKEI」第2放送を、福島第1原発事故による電力不足への懸念を考慮し、省エネの一環として5月31日までの平日の放送を休止すると発表。(その後5月26日にこの期間を9月30日まで延長、さらに10月1日には同年内いっぱいまで再延長された。土・日曜は中央競馬実況のため通常通り開局) 3月25日まで - NHK総合テレビにおける震災報道が発生当日の3月11日からの2週間で300時間以上となった。 4月1日 - 日本政府が東北地方太平洋沖地震による災害の公式名称を「東日本大震災」に決定。これにより「東北関東大震災」の名称を用いてきたNHKもこれに従ったが、日本赤十字社などと立ち上げた募金受付口座はこれより前に開設したため、相乗りしたフジテレビなども含め口座名は「東北関東大震災」のままである。 4月7日 - 総務省とデジタル放送推進協会(Dpa)が、被災地域において、BSによる地デジセーフティネット放送を半年を目安として視聴できるよう特例を決定、即日実施。 4月20日 - 総務省が、被害が大きかった東北地方の岩手・宮城・福島の3県での地上波のデジタル完全移行を、7月24日予定から最大1年延期することを発表。総務副大臣の平岡秀夫がこの日明らかにした。なお、関東の茨城・千葉の2県での地上波のデジタル完全移行は、従来通り7月24日となる。 5月2日 - 東北被災3県の民放12局(テレビ岩手・岩手朝日テレビ・IBC岩手放送・岩手めんこいテレビ・ミヤギテレビ・東日本放送・東北放送・仙台放送・福島中央テレビ・福島放送・テレビユー福島・福島テレビ)の社長らが総務省東北総合通信局で地上デジタル放送の移行延期について総務省幹部らと意見交換。各局共、7月24日の完全移行を予定通り進めるよう要望した。 5月10日 - 日本政府はこの日、東北被災3県(岩手・宮城・福島)に限定し、7月24日の完全デジタル化に伴うアナログ放送の終了を最長1年間延期する電波法特例法案を閣議決定し、国会に提出した。また、総務省が3県も含む被災世帯に簡易チューナーの無償提供などの支援策を発表。 5月30日以降 - テレビ東京は大震災に伴う節電策の一環として、報道番組に出演する男性アナウンサーがノーネクタイで出演。同局では初の試み。なお、同局では16日より全社員にクールビズを奨励している。 6月8日 - 福島・宮城・岩手3県のNHK6局と民放12局の計18局(親局ベース)における完全地デジ化を最大1年間猶予する電波法の特例法が参議院本会議にて全会一致により可決・成立。 6月15日 - 日本政府はこの日、東日本大震災に伴う地上デジタル放送に係る電波法の特例に関する法律を施行。 7月6日 - 総務省はこの日、福島・宮城・岩手3県の地上デジタル放送への最終的な完全移行を2012年3月末とする方針を明らかにした。 7月24日 - この日正午、福島・宮城・岩手3県を除く44都道府県においてアナログ放送終了。同日24時までに停波。 12月22日 - 福島・宮城・岩手3県のアナログ放送終了まであと100日となり、3県でデジタル移行を呼び掛けるイベントが行われた。 2012年1月4日 - 日経ラジオ社「ラジオNIKKEI」第2放送の平日の放送を再開。 2012年3月31日 - この日の正午、福島・宮城・岩手3県においてアナログ放送停波、同日24時までに停波。これで日本全国で地上デジタル放送へ完全移行した。
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