デジタル移行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/06 03:51 UTC 版)
「デジタルアニメ」も参照 日本においてアニメ産業が成立して以降、1990年代までの商業アニメ作品には基本的にセル画が用いられていた。 セル画を用いず、専用機材を導入のうえ全編デジタル彩色での製作が開始されたのは、1997年4月放送分以降の『ゲゲゲの鬼太郎(アニメ第4作)』や1997年4月放送開始の『超特急ヒカリアン』などからである。しかしながら同時期に開始された『ポケットモンスター』などは放送開始後の約5年間はセル画による製作となり、アニメ制作会社毎に機材導入の進捗状況次第で導入の有無が分かれる時期でもあり、『ロスト・ユニバース』など過渡期の一部作品ではCGとセル画のパートをそれぞれ用意して編集して一本の作品に仕上げる手法も取られた。デジタル彩色の導入により、色数の制約も事実上なくなった。 このうち、東映アニメーション作品については1998年に『金田一少年の事件簿』第69話を最後にセル画制作を打ち切り、ほぼデジタル彩色に移行。他社の長期放送継続中の作品に関しても、1999年に『ちびまる子ちゃん』、2002年に『ドラえもん』と2000年代前半までにほぼデジタル彩色による製作へ変更された。また、長編アニメーション映画では1997年公開の『もののけ姫』などが3DCG描画と融合する一部分のシーンにおいてデジタル彩色による製作を取り入れている。 商業アニメの制作の現場ではセル画は事実上過去のものとなっている。現行作品で最後までセル画による作画を継続していたのは『サザエさん』(通常放送の本編部分)である。製作会社のエイケンは雰囲気を出すために、あえてアナログな作り方にこだわる姿勢を見せていた。だが、セル画にはハイビジョン画像との特性的な相性で良くない面があり、エイケンの幹部もテレビのデジタル化の進展による画像品質の向上などで、他作品との比較で映像品質について汚いなどの不満が視聴者から寄せられるようになれば『サザエさん』のセル画製作を断念せざるをえない、との見解を示していた。しかし、サザエさんも既に部分的にはデジタル化を行っており、オープニングおよびエンディング部分と、CM、FNSの日スペシャル・特番などの特別版の本編については、セル画からデジタル彩色へ一部移行されていた。2013年10月6日の放送分より本編を含めて完全デジタル彩色へ移行(詳細はサザエさん (テレビアニメ)#特徴を参照)。なお、同社の2001年の作品『ゴーゴー五つ子ら・ん・ど』(実制作:マジックバス)では全編デジタル彩色が導入され、『親子クラブ』についても2004年10月のフジテレビ放送分から同様の措置が取られている。
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