蘭州拉麺とは? わかりやすく解説

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蘭州拉麺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/22 08:47 UTC 版)

蘭州拉麺
繁体字 蘭州拉麵
簡体字 兰州拉面
発音記号
標準中国語
漢語拼音 Lánzhōu Lāmiàn
蘭州拉麺のチェーン店(写真は上海市のもの)
蘭州拉麺(蘭州以外で食されるタイプ)

蘭州拉麺(らんしゅうラーメン、中国語: 兰州牛肉面)は、牛肉のスープに、手打ちで伸ばして茹でたを入れた料理。

中国において「ラーメン」といった場合は、蘭州拉麺を指すほどに普及している[1]

概要

麺は蓬灰(ポンフゥイ)から作った天然鹹水又はかん水を使用したコシのある麺を使用し、コシのない柔らかい麺を使用することが多い中国の他の麺とは一線を画している、麺の太さは素麺ほどの細いものから幅5センチメートル以上の平打ち太麺までさまざまである。

スープの薬味にはコリアンダー(香菜)などが使用される。蘭州など甘粛省で提供されるものは、スープの上に香辛料を加えた辛い油を加えるため、スープの表面が真っ赤になっていることが多い。それに対して他地域で提供されるものは香辛油を掛けないことも多く、スープそのものの色が見えていることが多い。

清真料理のひとつであり、一般に中華料理で多く使用されるは一切利用しない。

蘭州市内には 3,000 軒以上の蘭州牛肉麺を出す店が存在しており、通りによっては飲食店の半分以上が蘭州牛肉麺を出す店であることもある。現在では中国全土で蘭州拉麵を出す店を見ることができる。蘭州では牛肉麺と呼ぶ。牛肉拉麺と呼ぶことも多い。店頭の目立つ場所で麺を手で伸ばすところを見せる店舗も多い。

中国政府の一帯一路構想の後押しで積極的に海外にも輸出されている[2][3]

特徴

蘭州拉麺の特徴は「一清二白三紅四緑」と言い表されている[4]

一清[4]
スープが澄んだ清湯である。
二白[4]
「麺が白い」「ダイコンを入れる」の2つの説がある。
三紅[4]
唐辛子油の色を指す。
四緑[4]
麺に乗せる香菜を指す。

ここに「五黄」と続くことがあり、これは「かん水を用いた麺の色」を表し、この場合は「二白」はダイコンの意味となる[4]

歴史

光緒年間(1875年 - 1908年)に回族の馬保子が考案したとされる[1][4]牛肉麺そのものは、もう少し古くからある[4]

蘭州以外で蘭州拉麺が食されるようになったのは、1990年代以降となる[1]

なお、中国で蘭州拉麺店は数多くあるが、経営者は蘭州市出身ではなく、隣接する青海省化隆回族自治県や周辺地域からの出稼ぎも多く、回族資本ではない蘭州拉麺店もある[1]

2020年には、蘭州市に蘭州牛肉麺博物館が開館した[1][5]。蘭州牛肉麺博物館では、「最初の牛肉麺店が開店した年」を中華民国元年(1912年)としており、館内に店舗を再現すると共に、薪かまどや碾き臼、青い花模様の陶器碗、酢入れや牛肉麺を作る時の調味料などの展示を行っている[5]

出典

  1. ^ a b c d e 岩間一弘「世界無形文化遺産登録への試行錯誤」『中国料理の世界史』慶應義塾大学出版会、2021年。ISBN 978-4766427646 
  2. ^ “蘭州ラーメン、海外定着へ”. 新華網. (2018年1月28日). http://jp.xinhuanet.com/2018-01/28/c_136930746.htm 2018年3月22日閲覧。 
  3. ^ “蘭州ラーメン流行の裏側…日本のグルメ界に中国の経済圏構想「一帯一路」の影響が”. 日刊SPA!. (2018年2月20日). https://nikkan-spa.jp/1454632 2018年3月22日閲覧。 
  4. ^ a b c d e f g h 坂本一敏「プロローグ 蘭州牛肉拉麺に惚れ込む」『誰も知らない中国拉麺之路 日本ラーメンの源流を探る』小学館小学館101新書〉、2008年。 ISBN 978-4098250097 
  5. ^ a b 蘭州牛肉麺博物館がオープン 甘粛省”. 中国国際放送 (2020年11月3日). 2025-0122閲覧。

関連項目

外部リンク


蘭州拉麺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/04 18:16 UTC 版)

拉麺」の記事における「蘭州拉麺」の解説

詳細は「蘭州拉麺」を参照 甘粛省省都蘭州では、蘭州拉麺は牛肉麺呼ばれ至るところ提供されている。この牛肉拉麺は、回族イスラム教徒少数民族)の馬保子が、清朝光緒年間19世紀末から20世紀初頭)に考案したとされる回族イスラーム戒律豚肉食すことが出来ないが、牛肉食すことができる。漢民族中国人もこの牛肉拉麺食し朝食としてとる人々もいる。 蘭州拉麺は特徴として「一清二白三紅四緑五黄」といわれ、「一清」はスープ澄んだ清湯」であること。「二白」は大根入っていること。「三紅」は唐辛子油の赤い色。「四緑」は麺の上乗せる香菜指し、「五黄」は麺が黄色がかっていることを表している。 麺にはかん水用いられており、「灰」 (péng huī, ペンフイ) と呼ばれる植物の灰や、「積積」(積は草かんむりに積の字)と呼ばれるヨモギ仲間から作った灰汁使ったものなどが使用されてきたものの、現代では化学合成のものも代用されている。麺の種類は、丸くて細い麺(細い順に、毛細、細、二細)から、平たい麺(幅の狭いものから順に、韮、小寛、寛、大寛)まで種類がある。幅 5 cm越え幅広い麺もある。 スープ牛骨煮込んだ湯(たん)で澄んでいるが、蘭州牛肉拉麺は、醤油、すり下ろしたニンニク辣油山椒に酢を合わせて煮込んだ、どろっとしたタレを麺の上からかける。

※この「蘭州拉麺」の解説は、「拉麺」の解説の一部です。
「蘭州拉麺」を含む「拉麺」の記事については、「拉麺」の概要を参照ください。

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