チュオタン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/04 05:20 UTC 版)
チュオタン | |
---|---|
![]() |
|
各種表記 | |
ハングル: | 추어탕 |
漢字: | 鰍魚湯 |
発音: | チュオタン |
日本語読み: | しゅうぎょとう |
英語表記: | Chueo-tang |
チュオタン(朝: 추어탕、鰍魚湯)は、朝鮮料理のひとつ。ドジョウを入れてピリッと辛く煮たスープである。ドジョウをじっくり煮込んで漉したものを白菜、モヤシ、ゼンマイ、ネギ等を入れて味噌、コチュジャン、山椒の粉で味付けして煮る。
江原道地方ではドジョウよりヒメドジョウで作ったチュオタンをより高級としている。
歴史
最初の記録は1123年、睿宗の弔意のため高麗を訪問した北宋の使臣徐兢が記した『高麗図経』第二十三巻雑俗二の「漁」の部分に、次のような句節が現れる。
しかしこれはドジョウを食べたという記録であるだけであり、チュオタンという料理が登場したという記録はない[1]。
1850年、実学者の李圭景が作成した『五洲衍文長箋散稿』には、《鰍豆腐湯》に関する内容が記されている。それは以下のようなものである[2]。
これはいわゆる「どじょう豆腐」の作り方である。
一方、日本統治時代の1924年に初版が出版され、以後何度も改訂版が出版された『増補朝鮮無双新式料理法』には「鰍魚湯」として以下のレシピが記されている[3]。
ドジョウに水を掛け塩を少々振ると激しく動くので、2分間そのままにして、真水を2度差して泥抜きする。真水で牛の胸肉や牛すねをとろけるほど煮込んでから取り出す。その煮汁を冷まして小麦粉を混ぜてとろみをつける。豆腐は平たく細かく切る。皮をむいた生姜、種を抜いた唐辛子、葱をそれぞれ細かく刻み、ゼンマイ、シイタケ、マツタケは粗く裂いて入れる。コプチャン(牛の小腸)、ヤン(胃袋)は茹でたうえで刻んで入れる。小麦粉を入れてかき混ぜ、焦がさないように煮込んだら、ドジョウを素早く入れてすぐ蓋をして、また開ける。飛び出してきたものは使わない。ドジョウに火が通って柔らかくなったら卵を溶き入れる。盛り付けて、食べるときに胡椒や肉桂を振り、麺を入れてもよい。
脚注
参考文献
- 周永河 著、丁田隆 訳『食卓の上の韓国史』慶応義塾大学出版会、2021年。ISBN 978-4766427844。
関連項目
- チュオタンのページへのリンク