米基地航空隊の空襲とは? わかりやすく解説

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米基地航空隊の空襲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 23:10 UTC 版)

ミッドウェー海戦」の記事における「米基地航空隊の空襲」の解説

日本軍空襲隊(友永隊)がミッドウェー島攻撃していた頃、南雲機動部隊は「0400に至り第一次攻撃あり、その後0730頃迄殆ど連続執拗な敵機襲撃を受ける」というようにアメリカ軍機の継続的な空襲悩まされていた。午前4時5分(07:05)、重巡洋艦利根アメリカ軍重爆撃機10機を発見するアメリカ軍攻撃隊の正体は、ミッドウェー基地から発進したTBFアベンジャー雷撃機6機(フィバリング大尉)と、爆弾代わりに航空魚雷抱えたB-26マローダー双発爆撃機4機(コリンズ大尉機)だった。シマード大佐ミッドウェー司令官)が友永隊の迎撃に全戦闘機投入してしまったため、彼らは戦闘機護衛なしに進撃してきたのである赤城利根発砲し直掩零戦10機が迎撃するアベンジャー6機のうち3機は直掩機により撃墜され残り2機も投下後に撃墜アーネスト中尉機だけが生還した赤城アメリカ軍魚雷全て回避した被害機銃掃射赤城三番高角砲旋回不能30分後に修理完了)、砲員に負傷者出たほか、両舷送信空中線使用不能となり、赤城旗艦)の通信能力支障生じた赤城狙ったB-26隊は魚雷2-3本命中を主張しているが、実際に回避されている。B-26は2機が撃墜され生還した2機もひどく損傷して放棄された。 ミッドウェー基地から発進したアメリカ軍陸上機による空襲は、ミッドウェー島基地戦力が健在である証拠であった友永隊の報告をふまえ、南雲中将ミッドウェー島基地への再空襲決定する近藤信竹中将率いミッドウェー攻略部隊第二艦隊の上開始6月7日決定されている。それまでアメリカ軍基地航空戦力壊滅させなくてはならなかったからである。午前4時15分07:15)、南雲司令部は各艦で待機中の攻撃隊に対し、「本日航空機による攻撃実施する第二次攻撃隊を編成せよ。兵装爆装転換(0415通達第二次攻撃本日実施待機攻撃爆装換え)」と通知し陸上攻撃用爆弾への換装命じたアメリカ研究調査によれば第二航空戦隊飛龍蒼龍に対しては特に兵装転換指示出されず、爆装しない状態で待機中だったとの意見もある(但しどの記録資料か、誰の研究かについては明記がない)。海戦前飛龍行われた実験では、魚雷から爆弾への転換1時間半から2時間かかっている。燃料補給弾薬補給求め直掩戦闘機着艦するため飛行甲板開けねばならず、兵装転換作業は各空母格納庫行われたその頃アメリカ海軍17任務部隊指揮官フレッチャー少将は、ミッドウェー基地航空隊活躍によって南雲機動部隊位置をほぼ特定することに成功し攻撃するタイミングうかがっていた。午前3時7分(06:07)、フレッチャー少将スプルーアンス少将に「南西進み、敵空母確認せば、それを攻撃せよ」と命じ、これを受けたスプルーアンス少将午前4時07:00)過ぎに攻撃発進命令第16任務部隊は次からなる117機の攻撃隊を発進させた。 空母エンタープライズF4F戦闘機10機(VF-6、指揮官ジェームズ・グレイ大尉SBD爆撃機33機(指揮官:第6航空司令クラレンス・マクラスキー少佐VB-6指揮官:リチャード・ベスト大尉、VS-6、指揮官:ウィルマー・ギャラハー大尉TBD雷撃機14機(VT-6、指揮官:ユージン・リンゼー少佐空母ホーネットF4F戦闘機10機(VF-8、指揮官:サミュエル・ミッチェル少佐SBD爆撃機35機(VB-8、指揮官ロバート・ジョンソン少佐、VS-8、指揮官:ウォルター・ローディ少佐TBD雷撃機15機(VT-8、指揮官:ジョン・ウォルドロン少佐) しかし午前4時28分(7:28)に日本軍偵察機艦隊上空現れたことから、スプルーアンス少将全機飛行甲板並べて一気発艦させるのを待たず出撃準備ができた飛行隊から逐次発艦攻撃に向かわせた。中には戦闘機隊の護衛なしの攻撃隊もあったものの、結果的に、このスプルーアンス少将決断勝因一つになるまた、日本軍空母4隻全ての所在確認した17任務部隊フレッチャー少将)も、警戒のために出していた偵察機当日ヨークタウン警戒担当)の収容終えた後の午前5時30分8:30)に、次からなる35機の攻撃隊を発進させた。 空母ヨークタウンF4F戦闘機6機(VF-3、指揮官ジョン・サッチ少佐SBD爆撃機17機(VB-3、指揮官:マクスウェル・レスリー少佐TBD雷撃機12機(VT-3、指揮官:ランス・マッセイ少佐ヨークタウンは(09:05)に攻撃隊を発進させると、すぐにウォリー・ショート大尉SBD爆撃機17機(VS-5)、戦闘機6を甲板並べ発進準備行った。また米潜水艦ノーチラス日本戦艦雷撃したあと、午前6時10分(09:10)に「敵巡洋艦駆逐艦嵐)を雷撃するも命中せず爆雷6発で攻撃される」と日誌記録したが、誰にも報告しなかった。 午前4時28分(7:28)、利根4号機機長偵察員の甘利洋司 一等飛行兵曹、操縦員は鴨池源 一飛行兵電信員は内山一等飛行兵)は赤城南雲機動部隊司令部に対して「敵らしきもの10見ゆミッドウェーより方位10度240浬 (南雲機動部隊から200浬)」と発信した草鹿参謀長によれば利根4号機報告南雲司令部のある赤城受信したのは午前5時(08:00)ちょうどと述べている。一方戦闘詳報功績調査用書き直されたもの)では、午前4時45分(7:45)に魚雷から陸用爆弾への兵装転換一時中断したとあり、南雲司令部発信から約10分後に受信したという意見もある。この位報告はずれており、実際の米艦隊位置は160kmも南であった新規に搭載した機体であったため、コンパス自差修正ができず、コンパス10度のずれがあった為という意見もある。この位情報錯誤南雲判断極めて重大な影響及ぼした。一航艦航空参謀吉岡少佐によれば、この報告受けた際の南雲司令部は特に動揺もなく平静だったという。しかし発着指揮所から様子聞いていた淵田中によれば予期せぬ艦隊発見報告南雲司令部興奮していたという。利根機の報告を受け、参謀長草鹿龍之介少将は、敵空母付近にいると感じたものの「敵らしき」だけでは命令変更には不十分であり、「艦種知らせ」と指示した。しかし利根4号機鈍足零式水上偵察機であり、敵が空母であれば直掩機もいるので敵への接近は容易ではなかった。また、利根4号機からの電報を受ける前、あるいは受けた直後第二航空戦隊司令官山口多聞少将が「本朝種々の敵機来襲かんがみ敵機部隊出撃の算あり。考慮せられたし」という信号文赤城送ったという主張もある。午前4時47分(07:47)、南雲司令部は「艦種確かめ触接せよ」と利根4号機命令した(これについて日本軍戦闘詳報ミッドウェー時間は約21時間ずれているので、ミッドウェー現地時間6月4日午前8時は日本軍記録6月5日午前5時となり、両軍戦闘レポート戦闘詳報)に記入され日付時刻異なることは、ミッドウェー海戦研究混乱させることがある)。 なお、利根4号機が米艦隊位置報告する前、筑摩1号機機長黒田信大尉/筑摩飛行長)が米軍機部隊上空通過していたが、雲の上飛んでおり、米艦隊発見できなかった。さらに、アメリカ艦載機接触しながらこれを報告しなかった。 利根4号機からの返信を待つ南雲機動部隊に、新たなアメリカ軍航空隊接近していた。日本時間午前4時53分(07:53)、戦艦霧島から敵機発見意味する煙幕展開されヘンダーソン少佐指揮するミッドウェー基地アメリカ海兵隊所属SBD ドーントレス爆撃機16機が艦隊上空到達した午前4時55分(7:55)、同隊は日本軍直掩機零戦)の迎撃を受けヘンダーソン機以下6機が撃墜され、なおも空母飛龍蒼龍空襲するも命中弾を得られず、ヘンダーソン隊長機を含む合計8機を失ったヘンダーソン戦死後攻撃隊を率いたエルマー・G・グリデン大尉は、航行する日本空母甲板日の丸描かれており容易に見分けられたと述べている。アメリカ軍側は飛龍命中弾2、加賀命中弾3を主張しているが、命中した爆弾は1発もない。アメリカ軍機の攻撃続いた午前5時10分(8:10)、B-17爆撃機17機(スウィニー中佐指揮)による空襲が行われ、赤城蒼龍飛龍狙われたが損害無かった攻撃したB-17隊も無傷だったが、空母直撃弾1、不確実1発を主張している。1機のB-17乗組員達は基地に戻ると、彼らの爆撃日本艦隊撃破した主張した最後に海兵隊SB2Uビンディケーター爆撃機11機(ノリス少佐)による空襲が行われた。この隊は零戦防御網をくぐり抜けて空母を狙うのは困難と判断し戦艦榛名狙った直掩機迎撃で1機を失い、2機が燃料切れ不時着直撃弾2発を主張したが、榛名無傷だった日本軍戦闘詳報は「0510:赤城飛竜爆弾命中スルヲ認ム(誤認)」、「敵飛行機、蒼竜原文ママ)ニ急降下利根偵)揚収」、「加賀後方爆弾投下命中セズ」、「赤城120500m爆弾2個弾着スルヲ認ム」、「利根100及4000mに爆弾投下蒼竜飛竜、盛ニ発砲蒼竜周囲猛烈爆弾投下」、「赤城後方爆弾投下命中セズ」、「敵飛行機10機、榛名ニ対シ急降下爆弾投下命中セズ」など、断続的に空襲受けていることを記録している。ニミッツ提督は「ミッドウェー基地隊は日本軍艦艇10隻に損傷与え1-2隻を沈めたもれない阻止失敗し基地主戦力は失われた」とキング大将報告したこの後ミッドウェー基地航空隊SB2U 5機、SBD 6機で夜間攻撃出撃したが会敵せず、SB2U 1機を事故喪失した

※この「米基地航空隊の空襲」の解説は、「ミッドウェー海戦」の解説の一部です。
「米基地航空隊の空襲」を含む「ミッドウェー海戦」の記事については、「ミッドウェー海戦」の概要を参照ください。

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