春記とは? わかりやすく解説

春記〈永承三年/〉

主名称: 春記〈永承三年/〉
指定番号 172
枝番 00
指定年月日 1999.06.07(平成11.06.07)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 古文書
ト書 紙背花月百首
員数 3巻
時代区分 鎌倉
年代
検索年代
解説文:  『春記』は祖父藤原実資養子小野宮家嫡流となった資房(一〇七-五七年)の日記である。日記には摂関藤原頼通批判記事を含むなど、平安時代中期まとまった日記第一に挙げられる
 書名は、資房が参議東宮大夫任じていたところより、東宮春宮)から「春記」と称された。また名前から「資房卿記」、小野宮流から「野房記」とも呼ばれている。日記年代は、長暦二年(一〇三八)から天喜二年(一〇五四)に至るまで現存する
 本巻は、永承三年一〇四八)春上、春下、夏の三巻からなり正月から六月に至る記事である。奥書によると、建久元年一一九〇)に藤原俊成一一一四-一二〇四年)が藤原能成に依頼して書写させ、さらに承元三年一二〇九)に他本で校合加えられている。
 本巻の僚巻として重文花月百首撰歌稿藤原俊成筆〉』一巻前田育徳会所蔵)がある。この巻子装の紙背永承三年二月十四日後半より三月十三日前半までの『春記』である。本巻の「春上」最後一行「被奉幣春日大原野吉田今日可定申使□」の文字は、紙継目により半分欠けているが、前田育徳会本最初一行目とつながって完全な文字列となる。前田育徳会本最後三月十三日前半部は、本巻の「春下」最初十三日後半部本文連続することからも、前田育徳会本本巻一連の巻子で、もとは一巻であった
 書写過程は、俊成所持している書状類を藤原能成に与え巻子装にして書写が行われ、書写終了後折本装とされた。俊成は、約二五センチメートル幅に畳まれ折本装の「夏」巻末書写の旨を書き付けた折本装としたのは、儀式次第参照しやすい形態したためであろう内容興福寺供養事・石清水臨時祭賭弓季御読経等の儀式関係である。承元三年一二〇九)に至って他本で校訂の際には、折本装から巻子装に戻されている。
 紙背には、俊成自筆花月百首撰歌稿』の「月十首」部分撰者俊成になる勅撰集千載和歌集関係文書多く用いられている。料紙宿紙白紙もあり、後世紙背文書を相剥ぎされた箇所もある。
 平安時代中期重要な日記である『春記』の永承三年分の最古本であり、紙背藤原俊成関係文書として貴重である。

春記〈長暦四年、永承七年/〉


春記〈自長暦二年八月十七日/至同年十月廿九日〉


春記〈長久二年二月/〉

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春記

読み方:シュンキ(shunki)

分野 日記

年代 平安中期

作者 藤原資房


春記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/12 07:00 UTC 版)

春記』(しゅんき)は、平安時代公卿藤原資房日記。別名『野房記』(やぼうき)。




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