星周構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/27 23:07 UTC 版)
ヘルクレス座X星の周りには、赤外線や電波で特徴的な構造がみつかっている。遠赤外線では、恒星の周りに軸対称な形で広がった構造が検出された。長軸は、ヘルクレス座X星の空間運動の方向に沿っており、ヘルクレス座X星からの恒星風と、星間物質が相互作用して形成された構造ではないかと考えられる。一酸化炭素や水素原子が放射する電波の観測では、速度分布が広い成分と狭い成分の2種類の成分が検出されており、双極的な質量放出と、円盤状の構造があるものと考えられる。また、水素原子の電波では、彗星のコマと尾のような構造も見受けられ、「尾」はヘルクレス座X星の空間運動方向に沿って伸びており、やはり恒星の質量放出と星間物質の相互作用によって生じたと考えられる。
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星周構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/25 21:19 UTC 版)
カシオペヤ座R星の周りには、IRAS衛星によって、星から放出された物質によって形づくられたとみられる、遠赤外線で光る星周殻の存在が見つかっている。その後、あかり衛星やスピッツァー宇宙望遠鏡による観測から、恒星風と星間物質の相互作用でできたバウショックも検出され、両者がぶつかる領域で塵が加熱されている様子が確認されている。
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星周構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/25 21:17 UTC 版)
オリオン座S星の周囲には、星から放出された物質が凝結した塵が分布している。塵の層の大きさは、星の変光周期と強い相関があり、光度極小付近で塵の生成が進み、光度極大後に塵の層は大きく膨張、塵の層の大きさは、光球半径の1.8倍から2.4倍まで変化する。塵と似たような領域からは、一酸化ケイ素などのメーザーも放射されている。メーザー源となる分子の分布も、光球半径の2倍程度の広がりを持つが、こちらは全体として規則性のある運動はしていないとみられる。
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星周構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 07:52 UTC 版)
ポンプ座U星は、IRAS衛星の観測から、早くに遠赤外線の超過と塵でできた星周殻の存在が示されていた。その後、一酸化炭素分子輝線観測に基づくガス運動の空間分布から、星と星周殻の間にはガスがほとんどみえない空洞が存在する、非接触型の星周殻であることがわかり、また、IRAS画像の詳細な分析から、星周殻は二重になっていることもみえてきた。更に、可視光における散乱光で星周殻を観測したところ、IRASの観測でみえた内側の殻は、中心星からの距離がおよそ25秒、37秒、43秒、46秒の位置に、第1から第4の4つの殻からなるようにみえた。 その後、追観測によって、可視散乱光でみえる星周殻は、中心星から半径43秒、50秒の位置にある第3、第4殻が実在する一方、第1、第2殻は、外側の殻の副次的な構造がみえたものである可能性が示唆された。第3殻は、赤外線天文衛星あかりの中間赤外線、ハーシェル宇宙天文台の遠赤外線、アルマ望遠鏡のサブミリ波でも確認され、アルマによる観測では、殻内側に繊維状の複雑な副構造もみえ、第1、第2殻が外側の殻の副構造であったという説を補強する結果となっている。第3殻と第4殻は、散乱光の特徴の違いから、成分の違いも推定されている。第3殻は、金属原子による共鳴散乱の特徴が強いことから、ガス主体の殻と考えられ、第4殻は塵粒子による散乱の特徴が現れていることから、塵主体の殻と考えられる。アルマによって観測された一酸化炭素分子の殻が、第3殻と一致することも、第3殻がガス殻であることと整合する。 ポンプ座U星を取り巻く星周殻は、ガス殻が太陽質量の1000分の1、塵殻が太陽質量の10万分の1以上の質量があると推定される。一方で、これらの観測が行われている時点でのポンプ座U星の質量放出率は、1年当たり太陽質量の10億分の1程度と低調であることから、星周殻は熱パルスによって一時的に質量放出率が大幅に増大していた時期に形成されたと推測されている。第3殻と第4殻は異なる構成を持っているが、両者の間隔は狭く、予想される時間差からすると別々に形成されたものではなく、一度の熱パルスで放出された殻が分離したものと考えられる。理論的にはこのような複構造の星周殻が形成できることが予想されており、塵粒子は中心星からの放射の光圧を受けて膨張速度を保つ一方、ガスは恒星風との相互作用によって減速することで、両者が分離していった、という筋書が考えられている。大規模な質量放出を引き起こした熱パルスは、大体3000年から4000年前に発生したと予想される。
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星周構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/05 21:08 UTC 版)
「カシオペヤ座カッパ星」の記事における「星周構造」の解説
カシオペヤ座κ星は逃走星で、周囲の星間物質に対する運動の相対速度は数十km/sに達する。また、B型超巨星で強力な恒星風を放出しており、その終端速度は1000km/sにもなるとみられる。恒星風は、カシオペヤ座κ星を取り巻く星間物質と衝突し、顕著なバウショックを形成している。 カシオペヤ座κ星の周りのバウショックは、IRAS衛星の観測によって1980年代に発見された。スピッツァー宇宙望遠鏡がとらえたバウショックは、はっきりした弧に加えてたくさんの巻雲のような繊維状構造を示している。この繊維状構造は、恒星風に衝突される星間物質が、星間磁場の影響で不均一に分布していたことの現れであると考えられる。カシオペヤ座κ星のバウショックは、恒星に最も近く最も明るい弧まででも、およそ2.4光年ある巨大な構造とみられる。
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星周構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/31 16:39 UTC 版)
わし座V1302星は、太陽質量の20倍以上という大量の物質が中心星から放出された結果作られた、反射星雲に囲まれている。ハッブル宇宙望遠鏡による観測で、星雲の中には弧状、筋状、塊状の複雑な構造があることがわかっている。同じように、複雑な構造を持つ星周星雲がみられる天体に、おおいぬ座VY星やIRAS 17163-3907があり、特にIRAS 17163-3907は同じ黄色極超巨星で、星の周りで強い分子からの放射がみられるなど共通点が多く、重要な比較対象である。 わし座V1302星のスペクトルにみられる輝線のプロファイルは複雑で、星の光球のすぐ外側には、星周円盤のような球対称から外れた構造があるものと予想された。これに対し、輝線プロファイルの更に詳しい分析や、電波での観測結果から、星周外層は概ね球対称であると考えられている。一方で、面分光観測や、電子による散乱の分布を調べた結果は、軸対称な形の恒星風が存在することを示唆しており、星の近傍における構造は、一筋縄ではいかない難解な成り立ちをしているものとみられる。
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星周構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/31 17:12 UTC 版)
おうし座IK星は、外層大気や星周物質が強いメーザーを放射している。メーザーを放射する層は、星の周囲に北西-南東方向へ延びるように広がっており、その動きは複雑で、恒星の脈動周期に応じて変化している。星の周囲には塵が豊富で、恒星の半径の2倍以内にある恒星に近い層ではアルミニウム酸化物、恒星の半径の3倍以上にある恒星から遠い層ではケイ酸塩が多い。塵の粒子は恒星から遠ざかるにつれ成長し、恒星の半径の6倍から8倍の辺りでガスの密度が低いため成長が止まる。中間赤外線による観測では、塵の層に周期的な構造があって時間と共に膨張しているのがみられ、およそ12年ごとに塵の層が形成されるものと思われる。
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星周構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 15:38 UTC 版)
おうし座T星は、おうし座-ぎょしゃ座星形成領域に位置しており、星形成の舞台となる巨大分子雲に取り囲まれている。そのため、おうし座T星から放射された光や、放出された物質が、分子雲と相互作用することで、様々な星周構造がみられる。
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星周構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/05 02:13 UTC 版)
このような、超音速で星間物質中に恒星風を放出する逃亡星は、ラム圧によってバウショックを形成する。1988年、IRASの観測データを精査することでバウショックの可能性がある構造が見つかり、紫外線や可視光でもショック形成の証拠が得られ、WISEによる観測では見事なバウショックが撮影されている。写し出されたショックの大きさは、長さ15pc、幅4.7pcにも及ぶ。
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星周構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 04:08 UTC 版)
IRAS衛星の観測から、からす座η星に、恒星自身のスペクトル型から予測される赤外線放射よりも強い赤外線、つまり赤外超過が検出され、恒星の周りに星周塵でできた星周円盤が存在することが示唆された。 一方、JCMTによるサブミリ波での観測で、恒星の周りに大量に存在する低温の星周塵からの放射を、空間的に分解することに成功。半径がおよそ150AUの環状構造で、半径100AUより内側は空洞となっている残骸円盤が存在することが、はっきりした。内側の塵が少ない領域は、惑星の存在によって塵粒子が一掃された可能性も考えられる。外円盤は、ALMAでも観測が行われており、円盤の幅は70AUくらいあることがわかった。円盤に含まれる塵の質量は、地球質量の2%程度、温度は40K程度と見積もられている。 また、スピッツァー宇宙望遠鏡による観測から、中間赤外線でも赤外超過が非常に強く、それも中心星にかなり近いところから、赤外線が放射されていることが明らかになった。この暖かい塵による放射は、中心星から数AU以内、或いは更に近くにある残骸円盤から出ていると考えられる。更に、ハーシェル宇宙望遠鏡による観測で、外側の円盤と内側の円盤がはっきりと分離していることが明らかとなり、地上の大望遠鏡を用いた赤外干渉計による観測では、内側の円盤が1AU以内の中心星にとても近い領域にあることも示唆されている。円盤に含まれる塵の質量は、地球質量の100万分の1以上、温度は400K程度と見積もられている。 からす座η星系は、年齢が10億年以上と若くないのに対し、からす座η星で観測されている星周塵の寿命は、桁違いに短いため、何らかの仕組みで塵が補充されているものと考えられる。 外側の低温の塵は、ポインティング・ロバートソン効果によって、2000万年もすれば中心星まで落下してしまう。にもかかわらず塵が存在しているのは、塵の円盤と同じ領域に存在する微惑星が、衝突を繰り返して細かく砕け、塵となって補充されているためと考えられる。この領域に、合計で地球質量の20倍程度の微惑星が存在すれば、10億年円盤を維持できるとする計算もある。 内側に位置する暖かい塵は、中心星からの放射圧によって散逸してしまうまでの寿命が、外側の塵より更に短い。からす座η星における中間赤外超過から推定される、内側の残骸円盤からの放射は、太陽系における黄道光の1,800倍にも及ぶと推定され、これ程大量の塵が、年齢10億年に達する主系列星のごく近傍に存在する例は、極めてまれである。 からす座η星の惑星名称(恒星に近い順)質量軌道長半径(天文単位)公転周期(日)軌道離心率軌道傾斜角半径塵円盤 0.5—1.0 au — — 塵円盤 115—185 au 35° —
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星周構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/23 20:56 UTC 版)
HD 100546には、強い赤外超過がみられることが知られており、ラ・シヤ天文台のESO3.6m望遠鏡と補償光学を用いた観測で、星周円盤の画像が得られた。 ハッブル宇宙望遠鏡や、大口径の望遠鏡と補償光学や干渉法の組み合わせによって、星周円盤のより詳しい構造が徐々に明らかとなり、非対称性や複雑な形状がみえてきた。円盤の見かけの形状は、概ね楕円形をしているが、楕円の短軸方向に面輝度の非対称性があり、円盤の断面は中心から遠ざかる程裾が大きく広がっており、円盤の中心に空洞が存在し、渦状の構造もみえている。円盤中心の空洞の広がり、或いは円盤内縁の半径は、おおよそ15AU程度とみられる。15AUより外側の円盤には、渦状構造がみられるほか、円盤の短軸方向に沿って弧状構造などもみられる。 電波による観測では、中心面に分布する大きい塵粒子からなる円盤の構造が調べられており、中心の空洞は可視光/近赤外線でみえているものの2-3倍大きく、円盤は内側と外側、2つの円盤があることが示された。
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星周構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/23 20:55 UTC 版)
「きょしちょう座ゼータ星」の記事における「星周構造」の解説
波長70μmの遠赤外線が過剰に放射されていることから、この星系は星周塵の円盤を伴っていると考えられる。分光観測でも円盤が存在する証拠が得られている。円盤は、半径が少なくとも2.3AUで、恒星の周囲を公転しており、温度は最高で218Kと推定される。2009年時点で惑星は見つかっていない。視線速度の変化の観測からは、少なくとも木星サイズの惑星の存在は否定される。
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