星周円盤の進化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/21 20:26 UTC 版)
星周円盤は、その構造と主成分が、進化にと共に変化することで、いくつかの段階に分類される。 一つの分類方法は、円盤を構成する主成分の塵などの粒子の大きさによって判別される。具体的には、1μm以下の微粒子が主成分の段階、微粒子が成長してより大きな粒子になった段階、それが更に密集して微惑星となった段階、微惑星が更に成長して惑星系が形成された段階、と分けられる。 あるいは、ガスの量および星形成の理論による描像に基づいて、以下の様な3段階に分類する。 原始惑星系円盤は、ガスや塵などの始原的な物質が大量に存在し、惑星が形成される可能性のある円盤である。 遷移円盤は、ガスや塵の量が減少し、原始惑星系円盤と残骸円盤の間に位置付けられる円盤である。塵の粒子の大きさは原始惑星系円盤より大きくなり、円盤の外周の厚みも減少する。進化が進むと、円盤の中心には穴ができる。 残骸円盤は、微惑星と細かい塵、それらの衝突・気化によって生じたガスからなる円盤で、ガスは少量か、場合によっては全く存在しない。元から存在したガスや小さい塵粒子は、散逸するか、惑星に捕獲されている。 太陽系内では、小惑星の衝突や彗星の気化によって生じた黄道面塵あるいは惑星間塵は、地上から黄道光としてみることができる。 この他、原始惑星系円盤から残骸円盤へ進化するまでの間には、円盤外周でのミリメートル大の塵粒子の減少、円盤内周での高温の塵の増加、ガスの消失、微惑星に関連するとみられる塵の環の出現、といった現象が観測されることがある。
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