非対称性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:30 UTC 版)
脂質二重層は、外側の小葉と内側の小葉の2つの層で構成されている。二重膜を構成する成分は、2つの表面間で不均等に分散され、外面と内面の非対称性を生み出している。このような非対称な組織は、細胞シグナル伝達などの細胞機能にとって重要である。生体膜の非対称性は、膜の2つの小葉の異なる機能を反映している。リン脂質二重膜の流体膜モデル(英語版)に見られるように、膜の外側の小葉と内側の小葉は、その組成が非対称である。特定の種のタンパク質や脂質は、膜の一方の表面だけに存在し、もう一方の表面には存在しない。 原形質膜と内膜の両方に、細胞質ゾル面と細胞質外面がある。この配向(方向性)は、細胞膜輸送の間も維持され、小胞体(ER)やゴルジ体の内腔に面したタンパク質、脂質、糖鎖は、原形質膜の外面に発現する。真核細胞では、小胞体膜の細胞質に面した部分に結合した酵素によって、新しいリン脂質が作成される。遊離脂肪酸を基質とするこれらの酵素は、新しく作られたすべてのリン脂質を二重層の細胞質ゾル側の半分に沈着させる。膜全体を均一に成長するためには、新しいリン脂質分子の半分を反対側の単分子層に移す必要がある。この移動は、フリッパーゼ(英語版)と呼ばれる酵素によって触媒される。原形質膜では、フリッパーゼが特定のリン脂質を選択的に移動させることで、それぞれの単層膜に異なる種類のリン脂質が集中する。 ただし、選択的フリッパーゼを使うことは、脂質二重膜の非対称性を作り出す唯一の方法ではない。特に、動物細胞の中で最も顕著で一貫した非対称分布を示す脂質である糖脂質については、異なるメカニズムが働いている。
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非対称性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/07 05:59 UTC 版)
下大静脈が体の中心より右に走っている関係で左腎静脈の方が右腎静脈より長い。逆に、右腎静脈は左の3分の1ほどの長さしかないので下大静脈と右腎がかなり接近している。そのため右腎の手術は左腎よりも複雑とされる。また、左右対称でないために左腎静脈は以下の静脈をも受けている、 左副腎静脈 左精巣静脈(男性)・左卵巣静脈(女性) 左第2腰静脈 右半身ではこうした静脈は直接下大静脈に流れ込んでいるのが普通である。ただし、通常右側にあるはずの下大静脈が左側にあるような変異(左下大静脈)などでは、右精巣静脈(右卵巣静脈)が右腎静脈に合流していることもある。
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非対称性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 05:00 UTC 版)
背弧海盆生成と通常の中央海嶺の違いは、非対称な海洋底拡大にある。たとえばマリアナトラフ中央部では現在の拡大速度が西側の辺縁と比較して2倍から3倍速く、マリアナトラフ南端の火山前線に近接する拡大中心の位置から、地殻の付着成長全体がほぼ100%非対称であることがわかる。この状態はやはり非対称がみられる北部でも同様である。ラウ海盆などその他の背弧海盆では大規模なリフト上昇がみられ、拡大の中心が火山弧の遠位から近位に移動するという増殖的事態が進行してきた。一方、新しい調査によれば拡大速度は比較的対称的な傾向をみせ、小規模なリフト上昇を伴うらしい。背弧海盆が非対称に拡大する理由はまだよくわかっていない。そこで拡大軸をはさむ非対称性の原因を、マグマ弧の溶融産生過程・熱流量・スラブ(沈み込みプレート)からの距離と水和作用の変化度の関係・マントルのくさび効果・リフトから拡大への進化に求めるのが一般的な考え方になった。
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