コマと尾とは? わかりやすく解説

コマと尾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 03:06 UTC 版)

彗星」の記事における「コマと尾」の解説

太陽から遠いところでは、低温のためはすべて凍りついており、地球上から見てもただの恒星状天体にしか見えない。しかし、彗星太陽に近づいていくと、太陽から放射される熱によってその表面蒸発し始める。それにともなって発生したガスや塵は非常に大きくきわめて希薄な大気となって周り球状に覆う。これはコマ呼ばれる(これは「髪」という意味であり、実際に古く日本語訳されて「髪」と呼ばれることもあった)。コマの最外層水素ガス雲となっており、水素コロナ呼ばれる。 そして、太陽からの放射圧太陽風により、太陽反対側の方向に尾が形成される。尾には、ダストテイル(塵の尾)という、塵や金属から構成され白っぽい尾と、イオンテイル(イオンの尾)またはプラズマテイルという、イオン化されたガス構成される青っぽい尾がある。ダストテイル曲線状となる。これには、から放出された塵が独自の軌道公転するようになり、徐々に本体から遅れていくためまた、太陽自転により太陽風渦巻いていたり、太陽の光圧力光圧)の影響など受けていたりするためなどの理由がある。2007年マックノート彗星歴史上大彗星いくつかでは、何本もに枝分かれしたダストテイル扇状広がって見えた。これに対しイオンテイルは、ガスが塵より強く太陽風影響を受け、太陽引力よりも磁場に従って運動するため、太陽のほぼ反対側に直線状に伸びていく。ただし、太陽風乱れによって、時には折れ曲がったちぎれたりするなど、激し変化見せることもある。なお、地球彗星軌道面通過するとき、彗星曲がった塵の尾と地球との位置の関係で、尾の一部見かけ太陽方向伸びているように見えることがあり、アンチテイル呼ばれるアラン・ローラン彗星(C/1956 R1)のアンチテイル殊に有名である)。実際に太陽に向かって尾が伸びているわけではなくあくまでも視覚上の錯覚である。アンチテイル観測太陽風発見大きく貢献したコマや尾は、比べて非常に規模大きくなるコマ水素コロナ含めると、時には太陽直径139キロ)よりも大きくなることがあるまた、尾も1天文単位上の長さになることがある1996年春に明るくなり、観測史上もっとも尾が長く伸びた百武彗星では、尾の実長は実に3.8天文単位(5億7,000キロ)にも達した。コマと尾はどちらも太陽照らされ太陽系内側入り込んでくると地球から肉眼見えるようになることもある。塵は太陽の光直接反射しガスイオン化されるため明るく輝く。ほとんどの彗星暗すぎて望遠鏡なければ見ることができないが、10年数個ほどは、肉眼でも充分見えるほどに明るくなる1996年百武彗星観測から彗星X線放射していることが初め観測された。彗星X線放射していることはそれまで予測されていなかったため、この発見研究者たち驚かせた。このX線彗星コマ太陽風との相互作用により生じると考えられている。イオン急速に彗星大気突入すると、イオン彗星原子分子衝突する。この衝突により、イオン1つ複数電子捕獲し、それがX線遠紫外線光子放出につながると考えられている。

※この「コマと尾」の解説は、「彗星」の解説の一部です。
「コマと尾」を含む「彗星」の記事については、「彗星」の概要を参照ください。

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