主系列後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/21 20:26 UTC 版)
主系列後の段階の恒星の周囲に見られる星周物質は、中心星からの質量放出によってもたらされる。星周物質は様々な形状をしており、球対称の殻から円盤状の軸対称構造まで存在する。漸近巨星の星周物質の構造は、大きな規模でみると球形に近いが、更に進化して惑星状星雲になると、多くは回転楕円体や双極流など軸対称の形状を示す。その間の進化段階である漸近巨星分枝(AGB)後の恒星は、星周円盤を持つと長らく予想されており、近年その直接的な証拠が見つかっている。 例えば、干渉計による高空間分解能の観測から、内径10AU程度の規模で星周円盤を示す結果が、AGB後の恒星ほ座V390星(英語版)の周りで検出された。進化の末期段階の恒星にみられる円盤状構造や双極構造は、連星系と関係していると考えられ、ほ座V390星の場合も連星系である。 進化した大質量星では、球対称でない星周構造は数多く検出されているが、円盤であることを示す直接的な証拠は見つかっていない。間接的な証拠から、星周円盤がある可能性が高いのはB[e]星で、ガンマ線バーストの前駆天体とも考えられる高速の自転で、赤道上への物質の集積が促されるのではないかとみられる。
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