描写中に見られるその他の要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 00:41 UTC 版)
「ヨコハマ買い出し紀行」の記事における「描写中に見られるその他の要素」の解説
スクーター アルファのスクーターはガソリンを燃料とするレシプロエンジンだが、ココネのスクーターは電気式である。この電気式スクーターは電磁気を使うモーターではなく、電気的刺激で収縮する人工筋肉が動力らしい。 アルファのスクーターは黄色で、ココネのスクーターはピンク色をしている。 アルファのカメラ オーナーがアルファに贈ったカメラ。形状は本作品の連載開始と同年の1994年2月に発売されたApple QuickTake 100と類似している。「ロボットの人」専用の品。ロボットはこのカメラにつないだコードの先端を口にくわえた状態で、情景をリアルに記録および再生でき、目を閉じればカメラが見ている情景が見える。作中、特別に重要なアイテムとして頻繁に登場する。ココネによれば、このカメラのレンズはアルファたち「ロボットの人」の目に近いものである。記録媒体は「キャラメルのようなもの」である(「一粒300枚」ほど)。いわゆるスチル写真をプリントするための銀塩カメラではなく、今で言うデジタルカメラに近い。(連載時における登場時期は、現実においても民生用デジタルカメラの黎明期だった)。 アルファはこのカメラを、本来は鉄砲用に作られたポーチの中にしまっており、外出時にしばしば携行する。似たカメラをナイも持っているが、アルファのカメラはより高性能な(ナイによれば「並でない」)仕様であり、一品物であるらしい。モニターやプリンターにつなげば、(ロボットでない)人間にも単純な画像として一応見ることはできるらしい。 『ヨコハマ買い出し紀行 -芦奈野ひとし画集-』(以下「画集」)に収録されている作者インタビューで、人間の五感それぞれを記録する実験があったことと、その各々がA1~A5(アルファ型の1から5まで)に対応することが語られている。うちA1は目(視覚)に相当し、アルファのカメラがその実験成果であることが明かされている(A2は耳(聴覚)に相当し、その実験成果はA-2と標記されたレコードである)。 A-2と標記されたレコード ココネが世田谷の児童館で見つけたレコード。ジャケットにA-2と標記されている。2枚組であり、表裏にM-1からM-4までがスタンプされていて、ココネたちロボットの機種名(A7M3など)との関連を思わせる。同じレコードを子海石先生も所有している。内容はある種のリズムや音のサンプル集。聞いたココネは「私の知っている景色に似ている」と感じた。 このレコードは、A2(アルファ型の2:人間の五感のうち耳(聴覚)を記録する実験)の成果であることが、画集に収録されている作者インタビューで語られている。 月琴 月琴は中国伝来の弦楽器。胴は丸く、ピックで弦を弾き、弦の数は2~4本。アルファの住む初瀬野宅にも月琴が1本あり、3本の弦が張ってある。その正式な所有者はアルファのオーナー(初瀬野先生)だが、アルファは普段よくひとりでこの月琴を弾いており、ときおり人前で弾くこともある。アルファが月琴を弾きながらココネと一緒にハミングしたときは、信じがたいほどの調和が起こって、2人とも我を忘れた。アルファはこの月琴を非常に大切にしており、台風メイホワからの避難時にも、数少ない携行品の1つに選んだ。月琴は当作品に登場する唯一の楽器である。 街灯 人工の街灯が、かつての市街地や自動車道の名残りとして、上昇した海面から突き出ている。特に「北の町」の街灯の群れは、夕刻になると無数に点灯し、これをアルファはときどき眺めに来る。一部の好事家たちは、この街灯を海上の小舟から眺めながら酒を飲む。 街灯の木 街灯そっくりの形をした光る植物。半人工物と思われる。暗くなると自動的に点灯し青い光を放つ。かつての主要道に沿って無数に自生している。 巨大な柿・栗・ヒマワリ 巨大な実が数種登場する(バイオテクノロジーの成果か?)。いずれも大きさは一抱えほど。単行本(旧第8巻の4コマ漫画)では、巨大な桃と栗は実を結ぶまでに3年、柿は8年かかるとし、桃については実のついた房も描かれているが、梨については言葉を濁している。栗は、焼くとはじけて飛び、危険である(味はよいらしい)。パワーヒマワリという品種のヒマワリが登場し、5mほど(推定)に成長して巨大な花を付ける。その種は、量は多いがサイズは普通のヒマワリと同じである。 人型キノコ、水神さま キノコ質の白い物体であり、地面に生えている。形が人間に似ているが動かない。多くは水か景色の見える場所に生える。さいたまの国の水神さまは、人型キノコの1つであり、だるまのように座った格好で動かず、顔が少年であって脳波もあり、地元の人々から参拝され大切に管理保護されている。また、ある山にある公園の廃墟には、だるま型の人型キノコが1体生えている。そのすぐ隣には、より小型の人型キノコが1体生えている。小型のものは、顔がなく、全体が疑問符「?」に似た形をしている。アルファも小型の人型キノコの別個体を、別の場所で1つ発見する。また、千葉の国の刑部岬の、突端の崖っぷちには、女性の姿をした1体の人型キノコが生えており、海に向かって遠くを見ている。 巨大直方体 ある山の上にそびえる、ビルのように大きくて四角い、のっぺりした白い物体。表面はキノコかコルクのように柔らかい。少なくとも3つあり、ほぼ稜線上に並んでいる。なお、巨大直方体がそびえる山のそばに公園の廃墟があり、そこには人型キノコが生えている。 ターポン 高高度を飛行する巨大飛行機。地上にはもう降りることができないらしく、延々と飛び続けている。6年周期で航路を変更する(北半球航路⇔南半球航路)。内部には乗組員たちの部屋のほか、膨大な本を納めた図書室らしき所もある。子海石アルファとほか2名の乗組員が登場する。機内で新茶が採れる。地上と連絡を取り合う描写は一切なく、地上からは見上げるばかり、機内からはただ地上を見下ろすばかりとなっている。ある乗組員は地上の変化や気象の様子を観測し続けている。 マックスコーヒー 『月刊アフタヌーン』1996年7月号表紙にアルファが登場した際、アルファの横にさり気なく置かれていた缶コーヒー。ちなみに、マックスコーヒーは実際に利根コカ・コーラボトリングが販売している商品であり、千葉県・茨城県を中心に地域の名物コーヒーとして親しまれていたが、2009年2月16日からは正式に全国販売が開始された。 ひょうちゃん 陶器製のしょうゆさし。第40話でアヤセが持っていた。作中では貴重品または希少品らしく、これを譲られた人物が驚いて恐縮する。現実世界では、崎陽軒のシウマイの箱の中に封入されている。 メイポロ 架空の木の名前。この木の汁を煮詰め、お湯で割って飲む。カフェ・アルファのメニューの一品。
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