マックスコーヒーとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 食べ物 > 飲料 > 缶コーヒー > マックスコーヒーの意味・解説 

マックスコーヒー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/20 14:39 UTC 版)

マックスコーヒーX

マックスコーヒーMAX COFFEE)は、コカ・コーライーストジャパンプロダクツ等が製造、コカ・コーラ カスタマーマーケティング販売しているコーヒー飲料の商品名。正式名称は「ジョージア・マックスコーヒー」(1991年平成3年)以降。経緯は後述)。愛称は「マッ缶(マッカン)」「マッコー」「ちばらきコーヒー」など。

概要

1975年昭和50年)発売[1]。当初の製品名は「マックスコーヒー」。利根コカ・コーラボトリングのプライベートブランドである。黄色とこげ茶色を用いたパッケージが特徴で、現行の商品は黄色の背景にこげ茶色の商品名とギザギザ模様が記されている[注 1][注 2][2]

原料のうち乳成分に多量の加糖練乳(コンデンスト・ミルク)[注 3]を使用しており、甘味が強い。糖分量はコーラとほぼ同じ (9.8%) で、これは同社の製品である「ジョージア まろやかミルクのカフェラッテ」や他社の「UCCミルクコーヒー」(旧・UCCオリジナル ミルク&コーヒー)や「キリン 小岩井 濃厚カフェオレ」「キリン FIRE カフェデリ ビターキャラメル・ラテ」「アサヒ WONDA 贅沢ダブル」「アサヒ WONDA デラックス1」などといった甘味の強い製品と比べても2%ほど高い数値である。原材料名の表記順も「加糖練乳、砂糖、コーヒー」である[1][注 4]

味わいはカフェ・オ・レや既存のコーヒー牛乳とは全く異なり、さらに甘みを増したような味わいである。ジョージアブランドになる前年の1990年(平成2年)の売上実数では、利根コカ・コーラボトリング管内において、同社ブランドのジョージア全製品の合計が460万ケースだったのに対し、マックスコーヒーが430万ケースとほぼ拮抗しており、かなりの売れ筋商品であった。

かつては千葉県茨城県栃木県を中心とした地域で限定販売されていた商品で、これらの地域を代表する缶コーヒーであった(詳細は後述)。近年では関東近郊を中心として販売地域が広がっており、2009年(平成21年)2月16日からは正式に全国販売が開始された。

なお、マックスコーヒーに関する登録商標[注 5]は販売開始時の歴史的経緯(後述)から株式会社鈴木コーヒー(東京都千代田区麹町[3]が保有しており[2][4][5]日本コカ・コーラは鈴木コーヒーからライセンス提供を受ける形で、製造及び販売が行われている[2][6]

販売地域

左から、韓国、日本、ベトナムのマックスコーヒー缶

2014年(平成26年)1月現在の販売地域は以下の通り。

2006年(平成18年)7月から23区内をはじめとする東京都内や、群馬県埼玉県新潟県で販売が開始された(江戸川区などの城東地区、春日部市等の埼玉県東部ではそれ以前から販売されていた)。2009年(平成21年)2月16日より正式に全国で発売されたが、取り扱いボトラー社はゆるやかに減少し、再びローカル商品回帰の様相を呈している。

海外でも、韓国およびベトナムにおいてマックスコーヒーが販売されている。ただし、これらは鈴木コーヒーおよび日本コカ・コーラは関与しておらず、各国のコカ・コーラが独自に販売しているものである。そのため、味については日本のマックスコーヒーとは大きく異なっている[7]

販売エリアの拡大については、略史を参照。

略史

日本での飲料市場での缶コーヒーの伸張と製品開発を求めるボトラーに対して、米国コカ・コーラ本社や現地統括会社の日本コカ・コーラ社は、コーヒーを缶容器で飲むこと自体が理解できなかったため、また、自社の炭酸飲料との競合を恐れたため、缶コーヒーの開発や販売に消極的であった。そのため、当時有力ボトラーであった利根コカ・コーラが独自ブランドを立ち上げて発売したといういきさつを持つ。

  • 1975年昭和50年)6月16日 - 利根コカ・コーラボトリングの関連会社であった利根ソフトドリンク(当時)[注 6]が、日本果実工業山口県)にて委託製造開始。ブランドに関しては東京のスズキコーヒー店と交渉し、同店のコーヒーエキスを使用することを条件に「マックスコーヒー」の専用使用権を獲得した[注 7][2]。当初の販売エリアは千葉県茨城県で、栃木県は当初除外された。正確な時期は不明だが、利根ソフトドリンクの関連会社であった北関東食販が埼玉県でカナダドライ製品の販売を開始したことで、埼玉県の一部でも販売された。
  • 1978年(昭和53年)9月6日 - 販売地域が栃木県に広がる。
  • 1981年(昭和56年)8月17日 - ビン入りマックスコーヒーを発売。製造は富士ボトリング。
  • 1983年(昭和58年) - 利根コカ・コーラ茨城工場に製造ラインを設置し製造開始。
  • 1987年(昭和62年) - 利根コカ・コーラ千葉工場に製造ラインを設置し製造開始。
  • 1990年平成2年) - 利根ソフトドリンク五霞工場竣工。完全自社製造開始。
  • 1991年(平成3年)4月15日 - 発売元が利根コカ・コーラボトリングに移り、それに伴いコカ・コーラの全国ブランド「ジョージア」に組み込まれ「ジョージア・マックスコーヒー」となる。
  • 2001年(平成13年) - 利根コカ・コーラが製造部門をコカ・コーライーストジャパンプロダクツへ譲渡する。
  • 2005年(平成17年)11月
    • デザインがリニューアルされる。
    • 5種類の復刻バージョンが発売される。
  • 2006年(平成18年) - 繁華街を中心に東京都内での発売が始まる。同年10月には缶デザインがリニューアルされ、ウェーブラインが復活。11月には、千葉・栃木・茨城のコンビニエンスストアと一部の自動販売機で280mlペットボトル入りの「マックスコーヒーX」がホット専用商品として発売された。
  • 2007年(平成19年)
    • 5月 - 500mlペットボトル入り「マックスコーヒーX」が千葉・茨城・栃木の自動販売機や一般の小売店にて販売される。
    • 10月 - 北海道内の一部コンビニエンスストアで再発売(北海道ではジョージア・ブランドになる前にも販売されていたが正確な時期は記録がない)。
  • 2008年(平成20年)
  • 2009年(平成21年)
    • 2月10日 - 販売エリアを全国へ展開することを発表。
    • 2月16日 - 全国発売を開始。
    • 7月6日 - バニラ風味・ビタミン7種を添加した「マックスコーヒーV」を全国にて発売。
    • 10月 - 一部の地域で「I ♥ MAX」と書かれた190ml缶が発売される。
  • 2010年(平成22年)
  • 2016年(平成28年)
    • 10月 - 北海道にて期間限定で一部スーパーマーケットにて販売開始(500mlペットボトル)。
  • 2018年(平成30年)

ジョージア・マックスコーヒーになった経緯

1975年(昭和50年)当時、日本コカ・コーラ社は北九州コカ・コーラボトリング(現・コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス)と新たな缶コーヒーブランドである「ジョージア」を開発中であったが、実質的な開発はそのほとんどを北九州社が行っており、日本コカ・コーラ及び米コカ・コーラ社のほうでは、外国人幹部の「こんなもの(缶コーヒー)が売れるわけがない」という意見が多数派を占めていて缶コーヒー市場への参入に否定的であった。そこで利根コカ・コーラボトリングが、子会社である利根ソフトドリンクを通じて独自にマックスコーヒーを開発し、同年6月に発売した。利根コカ・コーラボトリングが日本コカ・コーラと結んでいた基本契約では「コカ・コーラのマーク、車、自動販売機ではコカ・コーラ認定の商品しか扱ってはならない」[注 9][注 10]の一項があり、契約上はかなり不安定なものであったが、この時点では黙認されることになる。

マックスコーヒーの発売と時を同じくして日本コカ・コーラ社より「ジョージア」が発売されるが、利根地域ではマックスコーヒーが既に発売されていたため、全製品をジョージアに切り替えることは事実上不可能であった。そのため茨城県・千葉県ではマックスコーヒー、栃木県ではジョージアを扱うという変則的な販売手法がとられることとなり、1979年(昭和54年)まで続くこととなった。他にも「ドクターペッパー」などの他社ライセンス商品を抱えていた利根コカ・コーラボトリングには、契約更新ができるかの問題が差し迫っていた。

1990年(平成2年)、社長(当時)の茂木克己がこの問題の解決に乗り出し、協議の末、1991年(平成3年)にマックスコーヒーの意匠を一部残した「ジョージア・マックスコーヒー」という新製品として発売することとなった[注 11]。これによって、マックスコーヒーはジョージアの1ブランドとなり、コカ・コーラボトラー単独としての利根コカ・コーラボトリングの売上は全国17ボトラー中5位に上昇した。

マックスコーヒーと常総

復刻バージョンを販売中の自動販売機。
茨城県土浦市にて
2006年(平成18年)3月21日

先述のようにマックスコーヒーはかつて販売エリアが限られていたため、映画漫画テレビドラマなどでその地域(主に千葉県茨城県)を象徴するアイテムとして用いられることがある。

東京モーターショーコミックマーケットが展示会場を移動するなど、1989年(平成元年)に完成した幕張メッセが大規模イベントの会場となった(その後、コミックマーケットは1996年(平成8年)に再び東京国際展示場へと移動)こともあって、場内や周辺で売られていたマックスコーヒーが千葉の「名物」として広く認識されるきっかけともなった。

また利根コカ・コーラ自身も、マックスコーヒーを千葉県を象徴する商品として位置づけ、2002年(平成14年)には千葉県の人口が600万人に達したことを記念した特別缶を発売するなどした。

2016年(平成28年)11月20日に開館した、ペリエ千葉エキナカ3Fの『カワシマパン』にはコラボ商品として、マックスコーヒーのクリームが塗られたコッペパンが売られている。

マックスコーヒーの自動販売機
ららぽーとTOKYOーBAYにて
(2020年12月5日)

2017年(平成29年)6月21日7月14日の期間限定で、ららぽーとTOKYO-BAY北館1Fにおいて『マックスコーヒーだけ自動販売機』が設置された[9]。 なお現在は通常製品も交えて今でも設置されている。

CM

1980年代には千葉テレビでテレビコマーシャルを放送しており、森川美穂が出演するもの(1986年頃)や「100円で買えるオアシス」のキャッチコピーのバージョンなどがあった。1989年(平成元年)に開局したbayfmでもラジオコマーシャルを流しており、「MAX COFFEE BAY KIDS STREET」という冠スポンサー番組も存在した。

全国発売の開始と共に再び「マックスコーヒー」単独のCMも製作された。内容は「F1の車に見立てた人間がレース中、ガソリン補給の代わりにストローでマックスコーヒーを飲まされる」というもの。F1バージョンは富士スピードウェイで撮影が行われた。また、公式サイトでは他のバージョンも視聴できる。

またMTVジャパンによってMax My Rideという、同局が放映するPimp My Rideのようにオーナーの乗り物をカスタムする番組も作られた。

脚注

注釈

  1. ^ なお、この模様は房総黒潮をモチーフにし、また背景の黄色はコーヒーエキス供給元である鈴木コーヒーの創業者である当時の社長のラッキーカラーにちなんでいる。
  2. ^ 模様は一時期デザインからなくなっていたが、後ほど復活している(本文中の復刻バージョンの写真参照)。
  3. ^ 無糖練乳(エヴァポレイテッド・ミルク、エバミルク)とは異なる(練乳を含む各項目を参照)。
  4. ^ 通常、原材料は使用量が多い順に表記される。
  5. ^ 商標登録番号第710310号、第1453284号、第1565603号他。
  6. ^ 2004年(平成16年)、イトシアに改称。2012年(平成24年)、利根コカ・コーラボトリングに吸収合併。
  7. ^ 当時、鈴木コーヒーではコーヒー牛乳を缶コーヒーにしたいと考えており、利根ソフトドリンクが鈴木コーヒーのコーヒーエキスを使って製品化して実現したのがマックスコーヒーである。
  8. ^ ハングル表記:맥스커피
    ラテン文字転写:Maekseu keopi文化観光部2000年式 / Maeksŭ k'ŏp'iマッキューン=ライシャワー式
    発音:/mɛksɯ khɔphi/
    仮名転写:メス コピ
  9. ^ 実態としては各ボトラーは建前上子会社からの販売という名目で自社製品及び他メーカーのライセンス製品の販売を行っていたため、有名無実化していた。ボトラー再編までに利根ソフトドリンクはイトシアに改称の後利根コカ・コーラボトリングに吸収され消滅したが、他ボトラーの子会社で残存していたものは後にFVジャパンとして概ね統合され、同社ではコカ・コーラ製品と他社製品を併売する自販機や、TWO DOWN等プライベートブランド製品を基軸にした自販機を展開している。
  10. ^ JR西日本の京阪神地区各駅に設置しているICOCA対応自販機(キュリコ)は、コカ・コーラウエストが管理していたものがあるが、他社商品も多く扱っているため、コカ・コーラのロゴを入れていない。なお、キュリコとは別にコカ・コーラなど各社の自販機をICOCA対応としたものもある。また同様に鉄道事業者系列で設置・管理している自販機では、コカ・コーラのものは自社の自販機でマルチマネー自販機(交通系IC楽天EdynanacoWAONiD、後にQUICPayPiTaPa・およびクレジット非接触決済に対応)を設置するようになった後も設置者の意向次第ではそれを使わずに交通系ICの単機能リーダーライターのみ設置していることもある。
  11. ^ 他社ライセンス商品の「ドクターペッパー」や「カナダドライ」ブランドも最終的に日本コカ・コーラが販売権を取得することで同様に解決している。

出典

  1. ^ a b 製品情報 | ジョージア マックスコーヒー”. 2016年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月26日閲覧。
  2. ^ a b c d 関東で愛され続けている甘〜い味”. ツクツク!!!. 鈴木コーヒー. 2025年3月4日閲覧。
  3. ^ 株式会社鈴木コーヒーの情報 国税庁法人番号公表サイト
  4. ^ 千葉茨城名物「マックスコーヒー」の商標の持ち主は? (2004年9月14日)”. エキサイトニュース. 2023年2月28日閲覧。
  5. ^ マックスコーヒー 称呼(呼称)・ネーミング | 商標(商標出願・登録商標) 情報”. パテント・インテグレーション. 2023年2月28日閲覧。
  6. ^ 「利根コカ・コーラ創立40年史」P27。
  7. ^ “似て非なる海外版マックスコーヒー”. デイリーポータルZ. (2020年6月12日). https://dailyportalz.jp/kiji/sekai-no-max_coffee 2020年6月13日閲覧。 
  8. ^ “コカ・コーラ・ベトナム、「マックスコーヒー」発売―国産コーヒー使用”. VIETJO. (2018年10月19日). https://www.viet-jo.com/news/economy/181018144453.html 2020年6月13日閲覧。 
  9. ^ マックスコーヒーだけ自販機 船橋ららぽーとに”. 千葉日報オンライン. 2021年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月28日閲覧。

関連項目

外部リンク


マックスコーヒー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 02:04 UTC 版)

茨城王」の記事における「マックスコーヒー」の解説

マックスコーヒーは東京都足立区周辺から千葉県北部茨城県南部主な販売区域として流通している缶入り清涼飲料水コーヒー)である。当地生育した作者少年期食習慣近年ペットボトル販売されている。

※この「マックスコーヒー」の解説は、「茨城王」の解説の一部です。
「マックスコーヒー」を含む「茨城王」の記事については、「茨城王」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「マックスコーヒー」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「マックスコーヒー」の関連用語

マックスコーヒーのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



マックスコーヒーのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのマックスコーヒー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの茨城王 (改訂履歴)、ヨコハマ買い出し紀行 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS