小丸川とは? わかりやすく解説

小丸川

悠久歴史はぐくむ小丸川
小丸川は、その源を宮崎県東臼杵郡椎葉村三方岳に発し東流し東郷町において屈曲し尾鈴山標高1,405m、東郷町出身歌人若山牧水が「ふるさと尾鈴の山のかなしさよ秋もたなびきおりて」とうたった山である)の西麓沿って流れ途中渡川合流して木城町南端平地部出て再び東流し高鍋町切原川合流して日向灘に注ぐ、幹川流路延長75km、流域面積474km2一級河川です。

高鍋町を流れる小丸川
高鍋町流れる小丸川

河川概要
水系小丸川水系
河川名小丸川
幹川流路延長75km
流域面積474km2
流域内人32,616
流域関係都県宮崎県

小丸川流域図
○拡大図
1.小丸川の歴史
"小丸川は源を宮崎県椎葉村三方岳に発し高鍋町より日向灘注いでます。下流域では昔から稲作中心とする農業盛んでした。1918(大正7)年、木城町石河内地区武者小路実篤が、自然と人社会調和めざした理想郷、「新しき村」を建設したことで有名です。"

小丸川に生き続ける実篤の理想郷

小丸川流域気候は、上流域山地気候下流域南海気候区属し照葉樹林帯が広がっており自然環境きわめて豊かで、その一部尾鈴(すず)県立自然公園指定受けてます。この恵まれた環境のもと、下流域平野部では昔から稲作中心とする農業が盛んで、小丸川の近くにはこの地域に強い「クニ」があったことを示す「木城(きじょう)古墳群」「川南(かわみなみ)古墳群」や「持田(もちだ)古墳群」などが残されています。

新しき村
1918(大正7)年、木城町石河内(いしかわうち)地区白樺派(しらかばは)作家武者小路実篤(しゃこうじさねあつ)が、自らの文学的テーマ自然と人社会調和」を現実のものにするための理想郷建設目指し、その心に共鳴した青年と共に新しき村」を開きました。実篤達が開いた土地人家何もない所でした。そうしたところに家を建て水路開き農作業をするかたわら文学創作演劇公演や、当時まだ珍しかったレコード取り寄せベートーベンなどを聞き、絵を描き機関誌新しき村」を出版するなど、最先端文化
武者小路実篤
活動行い切磋琢磨していました。実篤自身8年後の大正末期村外会員となりましたが、より一層支援に力を尽くしました。しかし、昭和時代になると次第戦時色濃くなり、昭和13年の小丸川再開発埼玉県に「東第一新しき村」が開かれるなどしたため、しだいに村人減っていきました。「新しき村」は平成16年村立86周年迎え財団法人日向新しき村」として活動続けてます。

木城えほんの郷
小丸川を挟んだ本村地区には「木城えほんの郷」が建館され、おだやかな自然環境のなか、絵本文化普及のほか、コンサート演劇催されています。また、小丸川の渓谷見下ろしながら走る、県道東郷西都線には「この道橋(みちばし)」「眞愛(しんあいばし)」「友情(ゆうじょう)トンネル」「日日(ひびあらた)トンネル」など、銘板に実篤の書が刻まれています。
2.地域の中の小丸川
"小丸川の流域90%が山林であり、流域人口のほとんどが下流部木城町高鍋町暮らしてます。下流部河川敷運動公園として整備されクラブ活動などスポーツ盛んなほか、ジョギング散歩等で日常的に多くの人に利用されています。"

地域根付く小丸川

小丸川の流域は約90%が山林であり、上流部はほとんどが山林と深い渓谷となっており、昔からの自然が多く残されています。また、流域人口の約70%が下流木城町高鍋町住んでます。

カヌーフェスタ
木城町川原(かわばる)地区には「川原自然公園」が整備されキャンプ場のほかに小丸川の自然を利用した河川プールもあり、多く家族連れにぎわってます。ここではカヌー体験ができるほか、8月には「カヌーフェスタ」も開かれています。

運動公園
下流部河川敷運動公園として整備されサッカーラグビーなどのクラブ活動ゲートボールなどのスポーツのほか、遠足ピクニックなどのレクリエーション広く利用されています。また、堤防河川敷ジョギング散歩等で、多く人々日常的に利用してます。

川づくりポスト
宮崎河川国道事務所 高鍋出張所では木城町及び高鍋町内の幼稚園から小中学校高校、大学に「川づくりポスト」を設置しこれから将来を担う若い世代対象として、水質ゴミ問題植物生きもののこと、さらには河川の有効利用について広く意見募集し地域と一体となった河川整備目指しています。また、近隣の学校においては定期的に河川敷清掃行っており、自然環境対す思いやり育てる場となってます。
3.小丸川の自然環境
"小丸川は日向山地中央部の山間狭窄部を流れ下流部田園地帯流れます貴重な動植物として、中流域河跡湖では絶滅危惧種ミズキンバイガガブタ等の水生植物河口部ワンドではアカメトビハゼ等が確認されています。"


小丸川流域
上流水源地帯が日向山地のほぼ中央部にあたり流域の地質四万十層群覆われ流路浸食進んだ急峻な渓谷をなし、河岸岩肌露出し河床転石及び砂礫からなっています。下流部沖積地形成しその周辺にはかなり大規模な段丘発達してます。
河道状況は、上流山間狭窄部を流れ河床勾配が急であり、発電用水の取水による減水区間大部分占めてます。河口から10キロ川原ダムまでは田園地帯流れ川幅広く河床材料は砂、砂利となってます。

流域分布する貴重な動植物として河川水辺の国勢調査では、中流域には河跡湖川の流れ変わってその一部せきとめられ、池や沼になったもの)が残されており、ミズキンバイヒメコウホネガガブタノタヌキモ等、絶滅危惧種とされている貴重な植物確認されています。
ミズキンバイヒメコウホネ

河口域ワンド入り江)は夏になると一面コアマモ覆われ魚類では貴重種アカメはじめたくさんの稚魚幼魚エビカニのすみ家となっており、岸辺ヨシ群落周辺ではトビハゼ見られます。中州では小丸川の顔ともいえる貴重な植物ハマボウ群落見られ群落大きさ県内トップクラスです。
アカメハマボウ

水質流域内の人口が少ないこともあり、小丸川本川では河口から7k650の高城(たかぎはし)から上流類型指定AA類型下流A類型経年的満足してます。
4.小丸川の主な災害


発生発生原因被災市町村被害状況
昭和29年9月台風12号高鍋町死傷者行方不明者60
昭和57年8月台風11号木城町南郷村家屋半壊1戸
床上浸水1戸、
床下浸水45
平成2年9月台風20号高鍋町家屋半壊7戸
床上浸水55戸、
床下浸水204
平成9年9月台風19号高鍋町木城町家屋半壊5戸
床上浸水3戸、
床下浸水24


(注:この情報2008年2月現在のものです)




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