前期課程教育とは? わかりやすく解説

前期課程教育

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 14:50 UTC 版)

東京大学大学院総合文化研究科・教養学部」の記事における「前期課程教育」の解説

東京大学新制大学となって以来リベラル・アーツ教育学部教育基礎として重視している。前期課程教育は東京大学入学した全ての1, 2年生を対象教養学部実施されている。教養学部大学院総合文化研究科)が運営主体となっているが、その他の学部研究所なども一部授業担当しており、先端研究の成果教養教育反映されているという特徴がある。 東京大学教養教育は、カリキュラムこそ現代合わせて変化しているものの、実質的に旧制高等学校時代重視されていた教養教育流れを汲んでいる(詳細教養学部の項を参照)。本節ではそのような事情踏まえて東京大学における教養教育を特に詳細に解説するこのような東京大学教養教育への取り組みは、2003年文部科学省特色ある大学教育支援プログラムに「教養教育大学院先端研究との創造的連携推進」として採択された。また、2007年には現代的教育ニーズ取組支援プログラムに「ICT活用した新たな教養教育実現-アクティブラーニング深化による国際標準授業モデル構築-」が採択された。その他には、大学教育国際化推進プログラムとして「国際標準学部初年次教育実現モデル構築-留学生視野入れた先進的研修プログラム試行-」(2006年)、「国際連携による初年教養教育モデル実現-職員学生参画とおした学び」のエンパワーメント-」(2007年)が採択されている。 現在のカリキュラム2006年度開始されたが、1993年〜2005年カリキュラム基本的な枠組み継承している。大きく基礎科目総合科目主題科目3つ大別されそのうち基礎科目いわゆる必修科目である。進学振分け基礎科目総合科目成績基づいて行われる。 なお、期末レポートにて剽窃などの不適切行為判明した場合当該学期履修全科目の単位無効となる処置が採られる。 基礎科目 専門を学ぶ上で土台となる基礎的知識・技能身に付けるための科目である。2006年度カリキュラム改正でさらに重要視されるようになった外国語情報身体運動健康科学実習を除くと、文科生は人文科学・社会科学科目理科生は数理科学物質科学生命科学などの自然科学系科目履修するようになっている。その一方理学部のように文科生の進学希望に対して自然科学系科目履修義務付けている学部もある。外国語 英語(既修のみ)・ドイツ語・フランス語中国語ロシア語スペイン語韓国朝鮮語イタリア語日本語外国人留学生のみ)から2か国語選択する既修外国語と初修外国語組み合わせ基本であるが、既修外国語既修外国語組み合わせ可能な場合がある(以前は初修外国語と初修外国語組み合わせも可能であったが現在は認められていない)。英語を選択する学生がほとんどである。なお、上記以外の外国語総合科目L(言語コミュニケーション)の枠内第三外国語として履修可能である。 1年生対象の英語の授業のうち、英語一列は全クラス同一カリキュラムという(大学では)珍しい授業システムをとっており、テキスト・ビデオは教養学部英語部会が自作したものを使用している。テキスト市販されており、1993年〜2006年まで使用していた『The Universe of English』(東京大学出版会シリーズベストセラーとなった情報 主に情報学的な面から情報について学習する科目である。情報と社会との関わり講義内容含まれている。2005年以前科目情報処理」との相違点は、パソコン基本操作習得済と想定していることと、コンピュータ実習だけでなく一般教室での講義もあることである。 身体運動健康科学実習 いわゆる体育実技であるが、スポーツサイエンスの講義実習含まれている。2005年以前科目スポーツ身体運動」からの変更点は、以前希望者のみであったスポーツサイエンスの実習が全受講者対象となったことである。 初年ゼミナール文科文科のみ) 少人数ゼミである。文献調査討論発表など、文科学生必要な能力養成するための科目である。共通テキストとして作成された『知の技法』(東京大学出版会)はベストセラーとなった社会科学文科のみ) 2005年以前の「方法論基礎 社会科学基礎」に相当する法・政治・経済・社会数学の5分野それぞれ科目開講されている。必要な単位数や履修条件は科類ごとに異なっている。 人文科学文科のみ) 2005年以前の「方法論基礎 人文科学基礎」に相当する哲学倫理歴史ことばと文学心理の5分野それぞれ科目開講されている。各類とも、2分野以上にわたり最低4単位履修することが求められている。 数理科学理科のみ) 数理科学基礎 (後者二つ基礎を学ぶ)・微分積分学線形代数学およびそれぞれの演習からなる数理科学基礎が2単位微分積分学線形代数学それぞれ3単位ずつ、それぞれの演習が1単位ずつ必修であり、数理科学基礎演習理科一類のみ必修理科二・三類では自由選択である。 物質科学理科のみ) 力学電磁気学熱力学理科一類)または化学熱力学理科二・三類、ただし理科一類生徒入試物理選択しなかった学生履修可)・構造化学物性化学からなる力学電磁気学は、高校物理学んでいなかった学生向けの授業Bコース)も開講される。各科目2単位ずつであり、すべて必修である。なお、2005年度入学者までは「基礎講義 物質科学基礎」という科目名で開講されていた。 生命科学理科のみ) 理科一類2006年度入学者より生命科学2単位必修となり、のちに1単位となった理科二・三類は生命科学I(生化学分子生物学)・生命科学II細胞生物学)の4単位必修である。なお、2005年度入学者までは「基礎講義 生命科学基礎」という科目名で、理科二・三類のみ開講されていた。 基礎実験理科のみ) 理科二・三類は基礎物理学化学実験基礎生命科学実験必修である。理科一類基礎物理学実験基礎化学実験必修であり、理科二・三類と同じ基礎生命科学実験を含むカリキュラム選択できる。各類とも4単位であるが、この科目1コマ1単位である。 初年ゼミナール理科理科のみ) 少人数ゼミである。文献調査グループ学習研究発表など、自然科学における基礎的な研究技法身に付け理科学生に必要な能力養成するための科目である。 総合科目 いわゆる一般教養であり、選択科目である。LとA〜Fの7系列分かれ、毎学期数百もの授業開講される。統計学量子論文科学生向けの物理学など基礎科目含まれていない授業総合科目枠内開講されている。それぞれの系列には「〜一般」(「思想芸術一般」など)と呼ばれる科目いくつかあり、それらは教養学部以外の教員自分専門近い内容を講義する授業である。文科理科ともに、複数系列またがって幅広く履修することが要求されている。L: 言語コミュニケーション A: 思想芸術 B: 国際地域 C: 社会・制度 D: 人間環境 E: 物質生命 F: 数理・情報 主題科目 2005年度までは自由選択であったが、2006年度入学者より最低2単位履修義務付けられた。テーマ講義 あるテーマに関して複数教員講義を行うオムニバス形式講義である。その研究分野世界的に知られる教員交代講義行い、前期課程教育で学んでいる内容先端学問領域どのように関連しているかを提示することを目的とする「学術俯瞰講義」(Global Focus on Knowledge Lecture Series; 略称: GFK)も2005年度より開講されている。 全学自由研究ゼミナール 担当教員それぞれ設定した主題基づいて少人数で行うゼミ形式授業である。教養学部を含む東京大学全学教員開講している。 全学体験ゼミナール 2006年度より新たに加わった科目である(2005年度までは全学自由研究ゼミナール一部として開講されていた)。東京大学全国各地に持つ多く研究施設利用して実際に体験することを通じて学習する授業である。また、囲碁コントラクトブリッジ座禅といった珍しい授業開講されている。前2つ実際にゲームをすることで考える力を養うことを目的としている。なお、教養学部附属教養教育開発機構には2006年10月より「教養教育への囲碁活用研究部門」が置かれている。

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