進学振分けとは? わかりやすく解説

東京大学の進学選択

(進学振分け から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/26 02:12 UTC 版)

東京大学の進学選択(とうきょうだいがくのしんがくせんたく)は、東京大学教養学部前期課程で行われる所属学科の選択制度。長らく「進学振分け」として知られていたが、2015年に「進学選択」に改名された。通称は進振り(しんふり)。

概要

東京大学では、後期課程の各学部・学科への進学は2年生の前半終了時に内定する。学科により進学可能な定員があるため、希望者の多い学科に進む場合はそれまでの1年半の履修成績により選考が行われる。この選考のことを進学選択と呼ぶ。

内定過程

後期課程の学科ごとの定員は、科類(又は文理)ごとに定められているのが主であり、それを科類ごとに整理すると以下のようになる[1]

2008年度進学者より全科類進学枠が設けられ、どの科類からでもすべての学部(学科ではない)に進学できるようになった。文科から理科(理転)、理科から文科(文転)も僅かながら見られる[3]

2007年度進学者までは、文科一類から法学部、文科二類から経済学部、理科三類から医学部医学科へは、希望すれば全員進学できたが、2008年度進学者からは他科類と同様に成績による選考がなされる。

進学振分けで内定した学生は、2年生の後半(Aセメスター)には主に、内定した学部の後期課程の講義を履修する(前期課程の講義も履修できる)。ただし、法学部・文学部と教職課程は2年生の前半(Sセメスター)から開始される。

また、内定できなかった学生は2S(2年生のAセメスターのこと。以下同じ)から1Aに戻る。留年の一種であるが、同じ学年に留まる留年とは異なるため「降年」と呼ばれる。内定していても、前期課程の修了要件を満さないか、内定を辞退すると留年する(2Aから2Sに戻る)。なお、前期課程では、学修計画上留年する旨を自ら申し出るか、休学していなけれれば、1年次で留年する(1Aから1Sに戻る)ことはない。

2015年度入学者からは、進学振分けに代わる制度として進学選択が行われている。それに伴って1セメスター内で取得できる単位に上限がつくキャップ制が導入された。

評価・批判

進学選択は、学生が前期課程教育で教養を習得した後で進路選択をできるようにするためのシステムであり、多彩な進路選択が可能になるというメリットがあるが、その一方で成績競争が起きていることや希望の学科で学べない学生が発生していることなどが問題とされる。

専門学部から「前期課程を廃止し、専門教育を早い時期から行うべきだ」と主張する教員も一部いるが、教養学部は断固反対している。

他大学の類似制度

脚注

  1. ^ 東京大学 大学案内2025”. 東京大学. pp. 10-11. 2024年12月16日閲覧。
  2. ^ 理科二類から医学部への進学は健康総合科学科が中心であるが、医学科にも指定科類枠が設けられている。
  3. ^ 例えば工学部のうち、社会基盤工学科機械工学科などで数名文科からも進学している[1]
  4. ^ 総合入試入学者の移行 ||| 北海道大学 高等教育推進機構 総合教育部”. sougou.academic.hokudai.ac.jp. 2022年3月15日閲覧。
  5. ^ 系の選択どうしよう… 教えて先輩!”. 東京工業大学. 2022年3月15日閲覧。

関連項目

外部リンク


進学振分け

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/08 08:49 UTC 版)

東京大学大学院薬学系研究科・薬学部」の記事における「進学振分け」の解説

教養学部前期課程からの進学振分けは2学科区別せず行い4年生6月研究者養成課程薬科学科72名)と薬剤師養成課程薬学科(8名)に分かれる研究者養成重視する立場から、薬学部定員の9割が薬科学科充てられているのが特徴である。

※この「進学振分け」の解説は、「東京大学大学院薬学系研究科・薬学部」の解説の一部です。
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