優先使用権とは? わかりやすく解説

優先使用権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 09:55 UTC 版)

明治神宮野球場」の記事における「優先使用権」の解説

神宮球場が他の球場決定的に違うのは、学生野球東京六大学東都)に優先使用権が認められていることである。これは神宮球場建設拡張東京六大学連盟尽力資金提供があったという事実からである。また、所有者明治神宮アマチュア野球優先してきたという歴史的な経緯もある。しばしば他の一般的なプロ野球本拠地球場になっている球場同じように「神宮球場スワローズ本拠地大学野球間借りしている」と誤解されることがあるが、スワローズ側が間借りしているのが正しい(ただし他の球団本拠地球場球団所有ではなく間借りであるものが少なくない)。 収益力の高いプロ日程最優先させるべきだとの意見以前から一部にはあり、時代経過とともに大学野球全体人気の低下がその声を後押しする傾向強まり近年興行収入問題から大学連盟側がヤクルト球団側に譲歩するようになってきている面もある。ただし、神宮球場側の基本的な認識は、前述歴史的な経緯から、現在でも球場使用割り当て最優先東京六大学野球連盟与えている。 明治神宮ヤクルト球団は、神宮球場使用契約1年ごとに更新している。このことが、度々取り沙汰されるヤクルト他地域への移転根拠として挙げられている。 学生野球使用割り当て優先的にするのは、あくまで基本的に春先行われるその年度の球場使用割り当て決定する場合においてである。一年通して春先決定した内容年間通して遵守される後日順延等の都合調整必要な場合は、基本的に未使用空いている日時やりくりして調整を行うことになる。 この手誤解を招く元になっている代表例として、東京六大学(以下、六大学)と東都の関係を紹介する大学野球リーグ戦間中は、基本的に六大学土曜日 - 水曜日東都木曜日金曜日割り当てとなっている。実際に東都火・水日程組まれているが、これは「六大学リーグ戦間中六大学使わない日は東都側が使用して構わない」という六大学東都間の従来からの協定に従ってのものである。そのため六大学順延などで月曜までにその週の対戦前週の未消化試合がある場合はそれも含む)が決着しない場合は、翌日以降六大学開催日変更される東都開催日はそれに従い順延され、最悪木・金のみに変更されることもある。この順延制度のためいつでも六大学自由に使えるという誤解一部生じている。事前球場使用割り当て時では六大学リーグ戦日程および六大学連盟からのその他の使用申し出従った割り当て優先的に行う(従来ら行われている使用申請がほぼ認められる)が、リーグ戦期間外では優先権はない。そのためリーグ戦後に行う新人戦と、リーグ戦消化しきれなかった場合では六大学優先的に割り込めわけではない東都側についても同様で、リーグ戦期間外でも東都が木・金曜日自由に使えるわけではないシーズン固有の事情などにより事前に何らかの使用権成立している場合例外となる。球場年間使用スケジュール概況は各年の「神宮球場ガイドブック春季号に掲載されていた(廃刊)。 プロ野球ナイター開催)と大学野球日中開催)の併用日には、大学野球試合開始時間通常より30分ないし1時間早めたり東京六大学東都では別の処置となる)、延長なしの9回打ち切りとなる。2009年平成21年)からは併用日でもプロ野球試合開始時間18となっているが、それまで遅らせて試合開催していた。1989年平成元年)までは一律18時30分延長戦15回までに変更されたことをきっかけ1990年平成2年)から2008年平成20年)まで1820開始となっていた(併用日以外は一部年度を除いて18時)。大学野球長引いた場合試合開始時間遅らせる処置取られている。このように学生野球スケジュール優先されてきたが、1985年昭和60年10月16日阪神タイガース21年ぶりのリーグ優勝決めたヤクルト阪神戦試合当日は、日中予定されていた東都大学リーグ試合延期される事態となった。これは前日から阪神ファン球場前多数詰め掛けたため、学生野球試合開催した場合混乱避けるべくなされた措置で、当球場始まって以来異例のものであったヤクルトではオープン戦間中と、公式戦でも主として学生野球試合組まれない4月初旬ないしは9月初旬デーゲームを組むことがある1990年以降神宮でのデーゲーム1991年平成3年)と2001年平成13年)の4月に各2試合開催したのみだったが、近年大学野球側との折衝交渉積極的に行うようになり開催数が若干増加している。2005年平成17年)は6月4日5日東北楽天ゴールデンイーグルス戦、6月18日西武ライオンズ戦(交流戦予備日)と7月2日3日中日ドラゴンズ戦をデーゲーム開催した。更に2006年平成18年)、「F-PROJECT」の一環としてデーゲーム開催数の増加について大学野球側と折衝行った結果前年引き続き6月3日4日加えて従来東都大学野球連盟リーグ戦使用であった5月3日4日デーゲーム開催東都大学リーグ戦はナイター開催)に変更した2011年平成23年)も東日本大震災による省エネ節電対策により4月公式戦ヤクルト主催試合一部デーゲームで行うことになり、東京六大学東都大学両野連盟協力得てプロ同日開催である場合学生野球試合1試合減らし(それも午前9時開始)、プロ野球試合午後から開催できるようにした。 2017年平成29年)は5月3日5月4日阪神タイガース戦をデーゲーム開催することにし、これに伴い、本来であれば上記の木・金曜日(および東京六大学連盟使用しない火・水曜日)のデーゲーム基本使用日としている東都大学野球連盟リーグ戦は、5月1日5月2日3回戦もつれたり雨天延期生じた場合5月5日予備日設定する)の月・火曜日前倒し開催行ったアマチュア野球プロ野球同日開催される場合観客通常入れ替え制とするのが原則である(アマチュア野球観客がすべて出場してから、プロ野球観客入場させる)。ただし、曜日注目カード優勝決定等の理由入場待ち列長くなり、神宮外苑内に並ばせる余地がない場合試合中に主に外野席から優先してプロ野球観客入場させることがあるアマチュア野球外野席開放するのは原則として東京六大学リーグ戦のみである。 下記はその一例六大学野球東都大学野球双方例外入場歴あり)である。 1997年平成9年9月28日 - ヤクルト優勝かかった試合日曜日などの条件重なりさらには隣接する国立競技場でサッカーフランスワールドカップ予選日韓戦が行われており、神宮周辺史上高の人と言われるほどにまでなったため、外野自由席の客を東京六大学試合中入場させた。六大学野球でも高橋由伸当時慶大4年)が1968年昭和43年田淵幸一当時法大4年)の持つリーグ戦通算本塁打記録更新する可能性があり、こちらも多く集客があった。高橋ヤクルトファン埋まったライトスタンドにホームラン打って記録更新している。 2007年平成19年10月7日 - ヤクルト大功労者である古田敦也引退記念試合であり、日曜日ということもあって早朝から多数観客詰めかけたため、東京六大学試合中入場させた。 上記のようにファンサービス観点で、学生野球組まれていない時期にもデーゲームが行われることがあるが、これまで8月開催について暑さ対策のためデーゲームとはしなかった。2013年以後は、8月にも17時開始薄暮開催の形でデーゲームをする試合増えている。なお2018年4月から6月昼間開催行ったほか、6月30日7月1日には17時からの薄暮デーゲーム実施した。それ以後はすべて18以後ナイターとなり、夏季薄暮含めたデーゲーム行われない

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