併用軌道区間とは? わかりやすく解説

併用軌道区間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 17:27 UTC 版)

富山地方鉄道富山港線」の記事における「併用軌道区間」の解説

北陸新幹線建設あわせて実施される富山駅周辺連続立体交差事業計画具体化する段階で、富山港線の取り扱いについても検討されたが、費用対効果用地などの面で高架駅への乗り入れ見送りとなった。そのため、旧富山港線が市道田北代線を横断していた中学校踏切までの区間廃止した上、その代替となる延長1.1 km併用軌道市道上に建設して富山駅までのルート確保すると共に既存区間路面電車仕様改良することになった。この計画妥当性検討するため、2003年平成15年)に「富山港線路電車化検討委員会」が組織され路面電車化のほか、現状維持しながら高架化全線廃止してバス代替、の3案について様々な試算が行われた。その結果路面電車化した場合2006年平成18年)から30年間で累積される社会的便益が最も大きくなるとの報告出された。 新設された併用軌道区間の名称は、富山市都市計画審議会で「富山ライトレール線」とすることが決められた。なお廃止区間のうち富山駅から富山口駅までは、高架化工事間中仮線用地転用された。 この区間経路について下り方向で順に挙げると、起点富山駅停留場は、JR富山駅高架下にあり3面2線構造である。駅を出ると直ち富山駅北口交差点横切ってその先で1線に合流してから市道富山駅北線の路肩を北に進み牛島町交差点達する。ここで右に曲がって市道田北代線に移り以降道路中央を東に進みインテック本社前停留場牛島新町西交差点牛島新町交差点いたち川架かる八田橋永楽町交差点通過するその後2線に分岐して北向き曲がりながら市道東行き車線横断して旧線との合流点である奥田中学校前駅到達する。なお八田橋については、強度の面で従来橋桁流用できなかったため、橋桁中央部分を一旦撤去した後、新たに軌道専用の下路プレートガーダー橋架設している。 軌道施工に際しては、インファンド (INFUNDO) と呼ばれる技術導入されている。これは2列の溝が形成されコンクリート板を路面埋設して、この溝の中に樹脂などを介して溝付レール固定するもので、騒音振動従来よりも抑制されている。また積雪対策として、軌道両側沿って撒水式の消雪装置設置されている。 富山駅北口交差点牛島町交差点は、その手前に列車検知するセンサー設置されており、交通信号切り替わる際、専用信号機列車だけを通過させる方式になっている。しかし列車止まることなく通過できる優先信号設置されている交差点はない。そのため信号待ち発生することや、右折車が軌道をふさぐことがあり、若干の遅れが出ることがある。特に朝ラッシュ時10分間ダイヤ維持するには、インテック本社前停留場での停車含めて、各列車がこの区間を5分以内走り抜ける必要があるが、現実には難しく富山駅周辺ダイヤ乱れやすい。なお列車を検知するセンサーとしては、トロリーコンタクターのほか、左右レール内側接するように埋め込む方式の物も使用されており、いずれの場合も、列車進行方向検知するため複数個を並べて設置している箇所が多い。 市道田北代線は、軌道敷設によって、当初の4車線から2車線交差点付近右折車線を含む3車線)に削減された。そのため一部区間拡幅する計画があり、併せて八田橋東側から奥田中学校前駅までの軌道複線化する予定で、これに備えた分岐器当初から設置されている。この複線化あわせて永楽町交差点付近に停留場設置する計画公表された(後述)。なお現状では、永楽町交差点付近での渋滞激しくなったほか、この周辺で、自動車との接触事故開業初年度に6件発生するなどの問題出ている。この対策として2008年3月ドライバーなどに列車接近知らせるため、八田橋東側永楽町交差点に計4台の電光掲示板設置された。列車トロリーコンタクター区画され範囲内にあるとき、「電車接近中」と「軌道横断注意」が交互表示される2014年1月富山市インテック本社前停留場から奥田中学校前駅間の道路一部いたち川八田橋東詰から奥田中学校前駅間約340mを拡幅車道4車線化、また無電柱化した上で2017年度より軌道複線化八田橋東詰付近に新たに地元からの要望のあった永楽町停留場仮称)の設置工事取り掛かる正式に発表した2018年ごろには富山駅在来線北陸本線あいの風とやま鉄道線)の高架工事完了し富山地方鉄道富山軌道線との南北接続予定しているため、それに合わせ完成目指すとされた。なお複線化により新停留場設けても、これまでどおりのダイヤ運行定時性確保できるとみている。2015年12月4日国土交通省富山市富山ライトレール富山地方鉄道から出されていた軌道運送高度化実施計画変更12月7日付で認めると発表した。これによると、軌道延伸南北接続工事平成31年度(2019年度)、複線化含めた完成平成32年度(2020年度)の予定とされた。富山駅北停留場は、既設富山地方鉄道富山駅停留場2015年3月14日移設開業済)に統合されるまた、既存区間含めた富山ライトレール軌道区間上下分離行い富山市軌道施設保有する形に変更するとした。なお、南北接続後富山ライトレール富山地方鉄道鉄道均一運賃、かつ運行主体についても南北接続後一元化する構想があり、2019年4月25日には2020年2月22日をもって富山地方鉄道富山ライトレール吸収合併する事が決定した。これにより、国による買収から77年ぶりに富山地方鉄道路線復帰することになる。2019年2月時点では、延伸工事完成2020年3月、新停留場着工2019年度とされていた。軌道複線化2018年南北接続2020年完成し、新停留場龍谷富山高校前(永楽町)停留場として2021年開業した富山駅北口交差点から牛島町交差点までの区間は、市道富山駅北線の西側路肩軌道設置されており、縁石によって車道区画されているため、中に自動車入り込むことはない。富山駅北停留場構内バラスト軌道に溝付レールという構造になっていた。 2005年度富山駅北停留場から牛島町交差点までの軌道緑化されたが、富山駅北停留場構内日当たり悪くコケ繁茂するなどしたため2015年小松精練(現・小松マテーレ)が開発した新素材により再施工された。富山軌道線との接続工事により、富山駅北停留場跡地にはシーサスクロッシングが設けられたため、構内緑化軌道現存しない。 この区間施工に際して海外技術導入されており、例え分岐器や、レールボックス(列車検知センサー軌道内に埋め込むための箱)や、地上と列車との情報伝達装置両端駅の軌道中央にループコイル状のアンテナ設置されており、車両運転席左側には操作パネル埋め込まれている)は、ドイツにある HANNING&KAHL 社の製品使用されている。なお同社公開している情報誌で当線が紹介されている。 この区間最高速度は、法令従い40 km/hとされるが、曲線などによる速度制限点在しており、また信号による停止のほか、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}安全確保のため徐行する場合もあり、30km/h程度頭打ちとなることが多い[独自研究?]。なお奥田中学校前駅以北では、駅間距離長い区間中心に最高60 km/h運行されている。 ポイント永楽町交差点2006年9月芝生軌道牛島町交差点2006年9月富山駅北停留場出発信号機2006年5月

※この「併用軌道区間」の解説は、「富山地方鉄道富山港線」の解説の一部です。
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