中央部分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/29 08:18 UTC 版)
「キーファーマルクトの祭壇画」の記事における「中央部分」の解説
中央部分は3つの浅い壁龕に分かれており、それぞれにペトロ、ヴォルフガング(英語版)およびクリストフォロス各聖人の等身大よりも少し大きな彫像がおさめられている。これらは豪華に彫刻された持ち送りで支えられ、天蓋が冠されている。教会の守護聖人たる聖ヴォルフガングは中央の壁龕を占めており、他の2聖人よりもわずかに大きい。ペトロが聖ヴォルフガングの右側に、聖クリストフォロスが左側に立っている。聖クリストフォロスはクリストフ・フォン・ツェルキングの個人的な守護聖人であり、ゆえに祭壇画の中で目立つ場所に据えられている。聖クリストフォロスの彫像は一人の芸術家によって作られたようだが、聖ペトロとヴォルフガングの彫像は側板同様に他の手によるものである。特に聖クリストフォロスの彫像はそのやせ細り、意味深長ながら繊細な顔で称賛されているが、他の彫刻は表現が硬く、衣服の飾り布はやや劣る技術と精巧さで作られていると解説されている。珍しいことに、聖クリストフォロスは中世の伝統であった強力な大男としてではなく、若い男として描写されている。彼の頭部は「後期ゴシック彫刻の最高の作品のみに見られる感性を裏切っている」。 聖ヴォルフガングの彫刻は3つの中で最大であり、220cmの高さがある。聖人はコープ(英語版)を纏い、司教杖を持った司教の正装で描かれている。足元には聖人の特質の一つである斧が屋根に取り付けられた模型の教会が置かれている。彼の顔の特徴は「かなりのエネルギーと意欲のある人物であることを示している」と美術史研究者のライナー・カースニッツは述べている。高さ196cmの聖ペトロは、聖ヴォルフガングよりもさらに豪華な服を着ている。装飾されたブロケードのコープが聖人をほぼ完全に包み込んでいる。手袋をはめた手には聖人の属性である天国の鍵と本を持っている。服のひだの間には教皇杖(英語版)が左肩に寄りかかっている。最後に、聖クリストフォロスはキリストを肩に載せた若い男として描かれている。像の大きさは190cmである。無冠で裸足である。川を渡ってキリストを運ぶ際にでこぼこの枝で自分を支えており、風が衣服をはためかせている。 中央部分の横には聖ステファノと聖ラウレンティウスを描写した2体の小さな彫像が内向きに配置されている。どちらも高さ95cmで、かなり伝統的な祭服を着た聖人として描写されている。
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