ハニア連邦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/21 05:17 UTC 版)
数多ある星間国家の中で帝国暦959年段階において唯一、当時のアーヴ帝国の帝都ラクファカールに大使を置いていた。また、領土内にアーヴ帝国八王国の一つであるクリューヴ王国が孤立して存在する。 アーヴに先駆けて平面宇宙(ファーズ)航法を確立したスーメイ人が各惑星に移住したことにより、人類社会で初めて誕生した星間国家。他の星間国家が戦争などによる拡大を経験しているのに対し、ハニア連邦のみが純粋な移民によって勢力拡大したという歴史を持つ(ただし、すでに他民族が開発した惑星に大量移民し、スーメイ人がその惑星を乗っ取る形で連邦に併合した例はある。また併呑される側にとっては詐欺的な取引で、惑星を併呑しようとした例がある。)。他の星間国家が多民族国家であり、国家としての統合を維持するのに苦慮、あるいは諦めているのに比べ、ハニア連邦はスーメイ系移民を共通して祖先に持つという歴史から、事実上スーメイ人の単一民族国家であり国家統合は比較的上手くいっている。連邦中央政府では「皇帝」と呼ばれる人工知性を顧問としてその勧告に従って政策を決定している。 スーメイ人は人類史上初めて平面宇宙航法を確立した先進的な民族で、その勢力の大きさから考えても民族単体としてはアーヴに次ぐ存在である。しかし、アーヴとは全く異質な民族性を有している。彼らが星間国家を運営する主な動機は、自分たちスーメイ人だけの世界(星系)を守り、その価値観と意識(アイデンティティ)を保ち続けるためで、宇宙空間や平面宇宙航法技術の独占には、全くと言って良いほど関心を持っていない。移民により勢力拡大したと言っても、ハニア連邦政府が人口過剰な惑星の住民を強制的に他の惑星へ移住させたものにすぎず、個々のスーメイ人は、なるべくひとつの惑星で一生を終えるのが最高の人生であるという価値観を有しており、各惑星への帰属意識がかなり強い。そのため、各惑星の経済格差は著しいが、ほとんどの惑星は自給自足が可能であることと、他惑星の事に関心を持たない民族性により、特に問題視されていない。宇宙軍関係者を除けば、政治家や国民の大半は自星系のみに関心を示し、宇宙には無関心である傾向が強い。しかし(あるいはそれゆえに)、国内での政治闘争はしばしば凄惨になることが多い。 上記の事情から、スーメイ人の伝統と星系内での政治的独立を容認してくれるのなら、どこか別の星間国家に服属しても構わないとすら考える「地上派(連邦側の呼称は保守派)」が存在している。服属先としては、個々の地上世界の内政に対する不干渉を決め込むアーヴ帝国が挙がっている。「地上派」は帝国暦959年時点で、連邦中央政府での実権を掌握していた。「地上派」と対極に位置する「宇宙派(同じく連合派)」と呼ばれる勢力も存在し、国家の行く末を巡って熾烈な権力争いをしている。 帝国の情報局からは、ハニア連邦の軍は規模はまずまずなものの、装備が旧式な上指揮系統にも問題があり、総力戦となれば自国の領土を守ることすらままならない、と評価されている。その一方で、情報収集能力、国外に対する自国の機密保持は非常に高く評価されている。 イリーシュ沖会戦には参加せず、会戦後、4ヵ国連合側が帝国に先制攻撃したという事実を帝国側に突きつけられて中立を宣言した。 帝国暦959年、権力闘争の末に劣勢な立場に立たされつつあった「地上派」は、自分たちが連邦中央政府の権力を掌握している間に国家ごとアーヴ帝国に帰順することを画策する。「地上派」の一人ティン・クイハン駐帝国大使は、皇帝ラマージュに接触して帝国への帰順を打診したが、大使が提示した条件を巡って帝国側の協議は難航。最終的に、大使の提案に沿った形で連邦を武力併合する「雪晶作戦」が発動することとなった。だが帝国艦隊が改称・再編された直後、連邦は突如としてクリューヴ王国へ侵攻する。それにともないティン大使は外交官特権を停止された。上述の通り連邦中央政府は「地上派」が中枢を占めていたが、宇宙軍の関係者は例外なく「宇宙派」であった(かつてわずかに存在した地上派の宇宙軍関係者は秘かに粛正されていた)。「地上派」の政策に反対していた宇宙軍は3ヵ国連合と独自に、かつ秘密裏に連絡を取り、中立の破棄と参戦を決めた。宇宙軍は連邦中央政府に無断で密かに3ヶ国連合軍の主力部隊を自国に引き入れる一方、自分たちの行動が連邦中央政府に露見しないようにわずか2隻の宇宙戦艦を出してクリューヴ王国へ侵攻した。事実上の叛乱ではあるが、連邦中央政府は結局追認せざるを得なかった。連邦中央政府と軍の分裂が結果的に雪晶作戦の失敗と「4ヵ国連合」軍による帝都侵攻作戦の成功につながった。 『戦旗VI』では10年の間に人民主権星系連合体と独自に合同軍を組織し、連合体内に連邦宇宙軍を駐留させる。結果、連合体は半ば占領された状態となった。帝国軍による霹靂作戦による連合体降伏後も、宇宙軍は「宇宙派」領袖のアイ・ライネン元帥を中心として旧連合体領エミクーシ星系に居座った状態にある。その一方、地上派は人工知性の勧告に従う形で完全に包囲した状態のスキール王国(事実上セスカル子爵領のみ)へ極秘のうちに軍使を送り込んで情報交換を行っており、事実上、連邦は地上派と宇宙派で完全に分断状態にある。 なお、料理は高く評価されているが、酒にはろくな物がないといわれる。
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ハニア連邦
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「星界の紋章・戦旗惑星一覧」の記事における「ハニア連邦」の解説
詳細は「4ヵ国連合#ハニア連邦」を参照 スーメイ星系人類で最初に平面宇宙航法を開発した。第1環にある。平面宇宙航法の独占を図ったアーヴとは異なり、スーメイ人はその技術を多額の見返りと引き換えに輸出した。統合体をはじめとするアーヴ以外の星間国家の平面宇宙航法はスーメイ人が輸出した技術に由来する。またスーメイ人自身も積極的に移民を行い、帝国・統合体に次ぐ大規模な星間国家・ハニア連邦をほぼ単一民族で形成している。様々な意味で人類宇宙全体に少なからぬ影響力を持つ存在である。
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「星界シリーズの登場人物」の記事における「ハニア連邦」の解説
ティン・クイハン 声 - 千々和竜策(ラジオドラマ『星界の戦旗IV』のみ) 帝国暦955年以降帝国に派遣されている大使。帝都ラクファカールに駐在。帝国歴958年、皇帝ラマージュに帝国との同盟を提案するも拒絶され、その後連邦が丸ごと帝国の傘下に入る案を打診する。その際、いくつかの重要星系の諸侯に連邦の有力者を任じること、自分たち降伏論者が住むために無人の居住可能惑星を1つ提供すること、そして服属星系を防衛すること、という条件を付けたため、ラマージュらはこの条件を受け入れるかどうかで悩むこととなる。ティンら和平派(地上派)は、激しい政治闘争の末に不利な立場に立たされていた。結局、ハニア連邦軍のクリューヴ王国侵攻にともない儀仗部隊により外交官特権の停止を告げられ、その後消息不明。 グェン・タウロン 声 - 長克巳 開戦当時帝国に派遣されていた大使。帝国暦955年に任期満了で離任し帰国した。アーヴ語を完璧に解するが、機械通訳を利用していた。アニメ版では、ターバンを着け、眼帯を付けた姿で登場する。離任前に当時の帝国宰相シドリュアと会談を行い、連邦内には「スーメイ人だけによる地上世界が維持できるのであれば、自らによる星間国家は必要ない」とする意見があることを紹介した。 ユー・ジーナ 連邦中央政府の「地上派」こと保守派が極秘裏に帝国の「第二方面艦隊」へ送っている秘密軍使の4代目。女性。 アム・リークン 秘密軍使の5代目。男性で、階級は大佐。ユーとの交代に伴い、同席したドゥヒールに、ラフィールが人民主権星系連合体へ進撃したことを耳打ちする。 アイ・ライネン 連邦宇宙軍の元帥で、「宇宙派」こと連合派の領袖。女性。人民主権星系連合体防衛のため派遣されるが、連合体の降伏後、元連合体のエミクーシ星系への救援艦隊を指揮している。戦闘の結果として連合派は彼女の部隊と同調者以外ほとんど残っていないと「地上派」からは目されている。
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