ノーチラス号の乗組員
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 22:23 UTC 版)
「ふしぎの海のナディア」の記事における「ノーチラス号の乗組員」の解説
アトランティス人の宇宙船を改造した潜水艦に乗り、人知れずネオ・アトランティスと戦う。乗組員の声は兼役が多く、操舵長や水準操作員、登場当初のイコリーナなど、準レギュラーですら担当声優が明確には決まっていない者もいる。 全員が揃って登場するのは、第4、8 - 22、36 - 最終話。 ネモ / エルシス・ラ・アルウォール 声 - 大塚明夫 ノーチラス号の船長。一人称は「私」。46歳。海洋生物学者。ネオ・アトランティス打倒とガーゴイルへの復讐に非情なまでに心血を注ぐが、偶然にもノーチラス号にナディアが乗船して来たことで、その姿勢に変化を見せる。ノーチラス号は軍艦ではないため、自らを艦長ではなく「船長」と呼ばせていた。常に沈着冷静だが、グランディスの作った料理に戸惑ったり、『おまけ劇場』ではコミカルな一面もみられる。 ナディアの父親であり、アトランティス人の末裔。彼もナディアのものと対になるブルーウォーターを持つ。かつてアフリカにあったタルテソス王国の国王である。宰相・ガーゴイルの世界征服の野望を阻止するため、やむなくバベルの塔を自爆させ自らの手で国を滅ぼした。その後本名を捨て、ラテン語で「誰でもない」という意味のネモを名乗る。ノーチラス号が失われた後、旧タルテソス王国の地下にあった発掘戦艦・Ν-ノーチラス号でガーゴイルとの最終決戦に臨む。戦いでガーゴイルに重傷を負わされるも自身のブルーウォーターをナディアに差し出し、ジャンを蘇生するよう諭した。最後には大気圏突入するレッドノアから自分の命を犠牲に娘の身を案じつつ、Ν-ノーチラス号に残り、その主砲で彼女らの脱出路を切り開いた。 名前は「ノーチラス号」と同じくヴェルヌ作の小説に登場するネモ船長から。パイプオルガンを演奏する点もこれに由来。当初は冷静なキャラクターの予定だったが、演者の大塚明夫の雰囲気に影響を受け、勢いでいくタイプになった。 第22話終盤で作品の表舞台から退場し、第36話中盤で再び登場するまでの間に通常ありえないほど髪の毛が伸びている(※1年足らずで、短髪→腰まで届くほどの長髪)。これも当時の大塚のビジュアルを反映したためである。 メガドライブ版ではガーゴイルとの最終決戦でナディアを庇って死亡する。 メディナ・ラ・ルゲンシウス・エレクトラ 声 - 井上喜久子 金髪碧眼で褐色の肌を持つ女性。ノーチラス号の副長。24歳。周囲を惹きつけるほどの美貌をもち、ジャンには死んだ弟の面影を見出し、姉のように接していた。 当初は陸と縁を切ったと称し、ナディアとジャンの前でマスクをしていたが、第9話で再会した時にマスクを外した。 元はタルテソス王国の住民で、王国滅亡の際に孤児となったところをネモらに救われ、以後行動を共にしている。国を滅ぼし、家族を死なせたネモに対しては、愛憎入り混じった複雑な感情を抱いている。ネモの気持ちが娘(ナディア)に移り、ネオ・アトランティスに対する非情な姿勢が変わったことに反発し、沈みゆくノーチラス号の艦内でネモに対する激情を爆発させる(第22話)。 名前はギリシア神話のエーレクトラー(ならびに神話に由来するエレクトラコンプレックス)に由来し、養父とも言えるネモに対する彼女の心情を示している。最終的にはネモの子を身篭り、産んだらしく、ネモとの間の恋愛設定にはTVでは描けなかった裏設定も存している。物語の前半ではネモがナディアやグランディスと接するのを過剰に意識し、露骨に嫉妬心を見せることもあった。終盤ではブルーウォーターの力をネモの治癒よりもジャンの蘇生に使うようナディアに促すなど、精神的成長をみせた。 低血圧で朝が弱い(第20話)。ノーチラス号艦内の自室の壁には日本の浮世絵(葛飾北斎『神奈川沖浪裏』や東洲斎写楽『三世市川高麗蔵』)が掛けられている。 元々は黒人キャラクター。 初登場から第22話まではロングヘアだったが、36話で再登場した時にはショートカットになっていた。また、青を基調にした服装も全身白色のボディスーツに変更されている。このボディスーツは『新世紀エヴァンゲリオン』のエヴァンゲリオンを操縦する際に着るプラグスーツの原型になっている。 メガドライブ版ではガーゴイルとの最終決戦でネモを庇って死亡する。 エーコー・ウィラン 声 - 松本保典 金髪碧眼のフランス人。23歳。レーダーとソナーを担当する測的長。 以前乗っていた船がガーフィッシュに沈められたところを、唯一の生き残りとしてノーチラス号に助けられ、彼らの仲間になる。その船こそラウルが船長を務めていたエリーゼ・ル・アーブル号であった。 測的手になったのは、CDドラマ「第-(マイナス)1話」によれば、1888年にガーフィッシュの魚雷がメイン・ブリッジに直撃したことで、前任の測的長が戦死した場に立ち会ったことがきっかけ。 看護婦・イコリーナのファンクラブ会員番号1番。ネオ・アトランティスとの戦いの後、彼女と結婚した。 機関長 声 - 島香裕 褐色の肌に白髪、人生経験豊かな老人。57歳。タルテソス王国崩壊時直後に既にネモらと行動を共にしていた。子供と孫がいたが死に別れている。徳川彦左衛門に似たキャラクター。 操舵長 声 - 田原アルノ 他 ランニングシャツ姿で筋骨逞しい。42歳。エーコーとは駄洒落を飛ばしあうなど気が合う様子。趣味は酒。 航海長 声 - 清川元夢 他 インド風の風貌で、よくヨガを組んでいる。30歳。丸眼鏡と頭に巻いたスカーフが特徴。 一見すると堅物そうだが、イコリーナのファンクラブの会員の1人でもあるなど柔軟な一面も覗かせる。 劇中ではほとんど無口だが、フェイトたちの葬儀では弔辞を述べていた。 水準操作員 声 - 中原茂(第4回)、桜井敏治(第11回以降) 他 バラスト、ネガティブ、トリムの各タンクへの注排水の担当者。長髪で無口な副操舵長。24歳。ベレー帽を愛用。 イコリーナ・エッチーノ 声 - 井上喜久子、水谷優子 / 黒河奈美(PS2版) ノーチラス号のクルーを優しく手当てする看護婦で、艦内にはファンクラブまである。会員番号1番は測的長のエーコー。 初登場時まで設定されておらず、作中では単に「看護婦さん」と呼ばれていた。もともと1話限りの登場予定だった。 最終決戦ではΝ-ノーチラス号を退艦し、地上でクルーたちの帰還を待つ。戦いが終わり、ジャンやナディアたちが帰ってくるその時、彼女はマリーとともに流れ星を見上げて「もうこんな想いをしなくて済みますように」と、祈りをささげる。このシーンは『サイボーグ009』のオマージュである。 戦いの後、エーコーと結婚する。 デンギル・エッチーノ 声 - 藤本譲 医者。イコリーナの祖父。 キングが風邪を引いた際に治療を施すなど、獣医学にも詳しい一面も見られる。 科学技術部長 声 - 清川元夢 機関長同様にタルテソス王国滅亡時からネモと行動を共にしていた。第37話ではハンソンと共にグラタンを改造するも、Ν-ノーチラス号が静岡付近に寄った際にイコリーナたちと共に退艦。庵野曰く「今はとにかく生き続けて他にやることがあるはずだと考えて退艦した。本編でもっと活躍するはずだったが、毎回内容過多のために真っ先にエピソードがカットされた、もったいないキャラクター」。 フェイト 声 - 関俊彦 機関員。第15話に登場。ナディアが壊したジャンの眼鏡を元通りに修復したり、ジャンに「花で落ちない女はいない」とナディアに渡すよう艦内製の花をプレゼントしてノーチラス号の科学力を誇ってみせるが、アメリカ艦隊によるノーチラス号への攻撃の被弾により発生した有毒ガスから艦を守るべくネモの命令により閉鎖された補助機関室の中で、室内の他の乗組員と共に命を落とす。死を覚悟した当初はナディアとジャンを落ち着かせようと言葉を交わし、ネモの判断を支持するが、最期には死の恐怖に耐えきれず泣き叫びながら死んでいった。彼の死はノーチラス号の行為がれっきとした戦争(=人間同士の殺し合い)であることをジャンとナディアの2人に否応なく思い知らせた。 PCゲーム版『ふしぎの海のナディア』では、「女は追うものじゃなく追わせるもの」とジャンを激励したり、敵海底要塞への侵入作戦用にグラタンを科学技術部長と共に強化改造する。 ゲーム『〜Inherit the Bluewater〜』では、大幅に出番が追加されているが、同様に命を落とした。 その生々しい最期については、死を美化することへのアンチテーゼと、ジャンに科学は決して万能ではなく、どんな物事にも二面性があることを知って欲しかったと庵野はコメントしている。
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