ネオ・アトランティス
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「ふしぎの海のナディア」の記事における「ネオ・アトランティス」の解説
アトランティス人の遺産である超科学をもって世界征服を目指す秘密組織。ネオ皇帝を除くガーゴイル以下、全メンバーが仮面で素顔を隠している。幹部級の仮面は額に「第三の眼(ネオ・アトランティスのシンボルマーク)」を描いたものであり、仮面の意匠は役職などで各々異なる。通商破壊工作による市場操作や武器の販売などで莫大な資産を築き、劇中では世界中の全通貨の80分の1を操作できるほどの規模であることが明らかになっている。アメリカ連合艦隊に接触して偽情報を流すことでノーチラス号を攻撃させるなど、各界にも影響力を持つ。組織としての強大さは圧倒的であり、エレクトラの推測でもノーチラス号との彼我兵力の差が20対1以上ということが劇中で語られている(第20話)。なお、庵野が語るところでは、ネオ・アトランティス兵がみな仮面を付けているのは「人間として描きたくなかったから」で、「昔の悪の組織の戦闘員みたいに、キャラクターを持ってないものは顔を付けたくなかった」とのことである。 元ガイナックス社長で評論家の岡田斗司夫は、ニコニコチャンネル『岡田斗司夫ゼミ』2015年2月1日号で、国家という旧来の権力組織とは一線を画しながら、国際社会の裏側にとりわけ経済面から深く根を張り巡らせ、旧来の国家では対応しきれない特徴を備えた闇の組織として、小澤さとるの『青の6号』(1967年〈昭和42年〉初出)に登場する散在国家「マックス」、本作(1990年〈平成2年〉放映開始)のネオ・アトランティス、そして現実世界で2003年に顕在化したISIL(イスラム国)という、3つの反社会組織の名を挙げて共通性を指摘している。 ガーゴイル / ネメシス・ラ・アルゴール 声 - 清川元夢 ネオ・アトランティスの首領。尊大にして傲岸不遜、野望達成のためには自分の部下でさえ平然と殺す非情さと、卑劣な手段すら合理的に事を進めているだけと言い切る冷酷さを持つ男。ノーチラス号によって計画を妨害されたり超兵器を破壊されたり潜水艦隊を撃破されたりと甚大な被害を受けても、「まあいい」の一言で切り捨てそれらを惜しんだり悔しさを見せることがない。指示の合図としてフィンガースナップを使うことが多い(手袋を着用しているため、どのように音を出しているかは不明)。 自らを「アトランティス人の末裔」「神」と称し、人間を愚かな下等生物と見下してアトランティス人の下僕に戻そうとしていた。かつてアフリカにあったタルテソス王国の宰相でネモの友人でもあったが、クーデターを起こし王妃を暗殺。王国を乗っ取り、バベルの塔を稼働させるも、ネモの妨害で頓挫。バベルの塔は崩壊し自爆、タルテソス王国は滅亡してしまう。以降、自ら率いる組織ネオ・アトランティスによる野望達成を目指していた。 最終話において、最後の光を放つブルーウォーターを止めようと「アトランティス人以外その中で生きられない」光に触れたとき、自らの体が塩に変わっていったことで、自分もまた「愚かな下等生物」人間だったことを知り、驚愕と失意の中、ネモに別れを告げながら塩の柱と化していった(その一瞬だけ仮面が割れて素顔が見え、「人間として描かれた」)。「人道主義極右」として知られていたジュール・ヴェルヌ@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}の分身と見る説もある。[要出典] ネモの持っていたホログラムでも宰相時のガーゴイルが映っている。DVD-BOX(2001年版)の箱絵には仮面を外したガーゴイルが描かれている。 派手な赤いダブルの背広がトレードマークであるが、終盤になると別の服(赤いボディスーツ状の服、仮面と一体化した銀色のプロテクターに赤黒いマントを羽織る)に着替える。 メガドライブ版ゲームでは、最初は外の世界に憧れていて、外の世界へ旅をしていたネモの話を聞いて居ても立ってもいられなくなり、家族で世界旅行を決意したが、旅行中不運にも盗賊団に襲われ、妻子を殺害された挙句自身も顔に深い傷を負ったため、悲しみと絶望のあまり人間への復讐を決意した。仮面の下の容貌も異なり髭を蓄えている。 ネオ皇帝 / ビナシス・ラ・アルウォール 声 - 塩沢兼人 / 遊佐浩二(PS2版) ネオ・アトランティスの皇帝。登場話は第22,37-最終話。皇帝としての全名は、ネオ・イコン・エピファネス。実はネモの息子で、ナディアの兄。 タルテソス王国滅亡の際に重傷を負い、ガーゴイルにより身体のほとんどを機械化された上に洗脳され、コンセント付のケーブルで供給される電力で動く、文字どおりの“傀儡(あやつり人形)”となっていた。最終局面で制御装置が破壊されたことにより自我を取り戻し、洗脳された妹を正気に戻そうとした。その際ガーゴイルに機械の体を動かす電力の供給を断たれてもなお活動を続け、科学絶対主義だったガーゴイルに人間の意志の力の起こす奇跡を見せつけた。洗脳装置を破壊しナディアを正気に戻すことに成功し、事切れる寸前にナディアの脳裏に改造される前の姿で「私も人と共に生きたかった」と言い残し、爆発して果てる。なお電力を供給しているケーブルは新世紀エヴァンゲリオンでのアンビリカブルケーブルに似る。 メガドライブ版ゲームではナディアそっくりの容貌であるなど、大幅に異なる人物である。
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