キーロフとは? わかりやすく解説

キーロフ【Kirov/Киров】


キーロフ【Sergey Mironovich Kirov】

読み方:きーろふ

[1886〜1934]ロシア革命家政治家シベリアカフカス活動後、十月革命指導1923年共産党中央委員となり、昇進重ねスターリンに並ぶ人物評されたが、1934年12月暗殺された。


【キーロフ】(きーろふ)

ソビエト連邦海軍ロシア海軍の重装原子力ミサイル巡洋艦(巡洋戦艦)。
ロシアではProject1144.1/1144.2「オルラン」と呼ばれる
また、1番艦の就役時の艦名から「キーロフ」級と呼ばれ第二次世界大戦後建造開始され水上戦闘艦では(航空母艦除けば最大の艦である。

同艦の就役を受け、アメリカ海軍モスボール保管していた「アイオワ」級戦艦4隻を(巡航ミサイル発射母艦としての機能実装した上で現役復帰させた。

技術的に特徴の多い艦で、アメリカイージスシステム数年先駆けて同時多目対処可能な艦隊防空システムフォールトS-300F(SA-N-6))」やVLS方式採用し、30mm機関砲近接防空ミサイル組み合わせたコールチク複合CIWS西側ではあまり見られない連装砲などを装備している。
また、現代軍艦では珍しく、艦の主要部分に50mm~100mm装甲施されており、舷側テーパーさせる事でステルス性持ち合わせている。
また、船体側面には、全長取り巻くように消磁コイル装着している。

現在までに4隻が就役しており(就役後、現在も稼動状態に有る艦は4番艦のみ)、4隻とも搭載され武装異なっている。

スペックデータ

艦級キーロフ級重原子ロケット巡洋艦ミサイル巡洋艦
同型艦4隻(未成5隻)
造船所バルチースキィ工廠
全長252m
全幅28.5m
吃水9.1m
排水量基準/満載24,300t/26,500t
主機CONAS方式 2軸推進(140,000shp)
KN-3加圧水型原子炉×2
GT3A-688蒸気タービン×2
重油ボイラー×2基(予備
速力30kt(56km/h)
乗員744
主砲AK-130 130mm対空水上連装砲×1基(2~4番艦)
AK-100 100mm対空水上単装砲×2基(1番艦のみ)
CIWSAK630 30mmガトリング砲CIWS×8基(1~2番艦)
コールチクCADS-N-1)」複合型CIWS×6基(3~4番艦)
対艦巡航ミサイルSM-233 長距離対艦巡航ミサイルVLS×20
P-700グラニートSS-N-19シップレック」)」ミサイル×20発)
艦対空ミサイル(1~3番艦)
B-203A 8連装回転式艦対空ミサイルVLS×12
S-300Fフォールト(SA-N-6「グランブル」)」ミサイル×96発)
ZIF-122 短SAM連装発射機×2
(9K33M「オサーM(SA-N-4ゲッコー)」ミサイル×40発)
4番艦)
B-203A 8連装回転式艦対空ミサイルVLS×12
S-300フォールトM(SA-N-X-20)」ミサイル×96発)
PU 4S-95 8連装短SAMVLS×8基
(3K95「キンジャールSA-N-9「ガーントレット)」ミサイル×64発)
対潜ミサイル
対潜ロケット
(1番艦)
RPK-3「メチェーリ(SS-N-14「サイレックス」)」対潜ミサイル連装発射機×1基(ミサイル16発)
(1~2番艦)
RBU6000スメルチ-2」12連装対潜ロケット発射機×2
(3~4番艦)
RBU12000「Udav-1」10連装対潜ロケット発射機×1基
RBU1000スメルチ-3」6連装対潜ロケット発射機×2
魚雷5連装固定式533mm対潜魚雷発射管×2
(2番以降は、RPK-6「ヴォドパート」(SS-N-16スタリオン」)対潜ミサイル発射管兼用)
搭載機Ka-25またはKa-27対潜/ミサイル誘導ヘリコプター×3~5機
レーダーMR-800(NATOコード「トップ・ベアー」)3次元レーダー
フレガート MR-710(NATOコード「トップ・スティア」)3次元レーダー(1~2番艦)
「トップフレート」3次元レーダー(3~4番艦)
「パーム・フロンド」航海レーダー×3
「アイ・ボウル」発射管レーダーSS-N-14用)×2基(1番艦のみ)
「トップドーム」発射管レーダー(SA-N-6用)×2基(1~3番艦、4番艦は1基)
ポップ・グループ発射管レーダー(SA-N-4用)×2
トゥーム・ストーン発射管レーダー×1基(4番艦のみ)
クロスソード発射管レーダーSA-N-9用)×1基(4番艦のみ)
射撃指揮レーダー「カイト・スクリーチ」射撃指揮レーダー主砲用)
1・2番艦)
「バス・ティルト」射撃指揮レーダーCIWS用)×4基(1~2番艦)
電波探知機「サイド・グローブ」電波探知機×1基
電波妨害機「ベル・シリーズ」ECM装置×10
「ラム・タブ」ECM装置×4基
ソナー「ポノリム」低周波バウ・ソナー×1基
「ホース・ティル」中周波可変深度ソナー×1基

同型艦(カッコ内は改称後の艦名)

艦名起工進水就役除籍所属艦隊
キーロフ
Киров
(アドミラル・ウシャコフ
(Адмирал Ушаков))
1974.3.271977.12.261980.12.302004.6.29
保管
北方艦隊
フルンゼ
Фрунзе
アドミラル・ラーザリェフ
(Адмирал Лазарев))
1978.7.271981.5.261984.10.31-太平洋艦隊
カリーニン
Калинин
アドミラル・ナヒーモフ
(Адмирал Нахимов))
1983.5.171986.4.251988.12.30-北方艦隊
ユーリー・アンドローポフ
(Юрий Андропов
ピョートル・ヴェリキー
(Петр Великий))
1986.4.1989.4.1998.4.18-北方艦隊
旗艦
アドミラル・クズネツォフ
Admiral Kuznetsov)
(旧名ジェルジンスキー
Дзержинский))
1989.5.9起工
→1990.10.4 建造中止
----
ロシア
(Росси́я)
計画中止----
ジュダーノフ計画中止----
スヴェルドロフ計画中止----
ジェレズニャコフ計画中止----

関連スラヴァ


キーロフ

名前 Kirov

キーロフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/29 15:18 UTC 版)

キーロフ
Киров
市旗 市章
位置

ロシア内のキーロフ州の位置
座標 : 北緯58度36分 東経49度39分 / 北緯58.600度 東経49.650度 / 58.600; 49.650
歴史
建設 1374年
行政
ロシア
 連邦管区 沿ヴォルガ連邦管区
 行政区画 キーロフ州
 市 キーロフ
市長 Vladimir Bykov
地理
面積  
  市域 757 km2
標高 150 m
人口
人口 (2019年現在)
  市域 512,954人
その他
等時帯 モスクワ時間 (UTC+3)
郵便番号 610000-610050
市外局番 +7 8332
ナンバープレート 43
公式ウェブサイト : http://www.admkirov.ru/

キーロフロシア語: Киров, Kirov)はロシア中西部の都市。ヨーロッパ・ロシアの北東部、ウラル山脈の西側にあるキーロフ州の州都。ヴャトカ川の河畔に広がり、河港を持つほか、キーロフ駅シベリア鉄道の主要駅の一つである。モスクワからは東へ約900km、最寄の都市キーロヴォ=チェペツクからは西へ22km。

人口は2009年の時点で464,069人、2002年全ロシア国勢調査では457,578人。

1781年まではフルイノフХлынов, Khlynov)、1934年まではヴャトカВятка, Vyatka)と呼ばれていた。1934年に革命家セルゲイ・キーロフを記念して改称された。セルゲイ・キーロフにちなむものとしては、ほかにもロシア海軍の巡洋艦のクラス名・キーロフ級ミサイル巡洋艦などがある。

歴史

キーロフのスパスカヤ通り

ウラル山脈のすぐ西にあるフルイノフの砦は12世紀末にはノヴゴロド共和国の商人によって建設され、さらにニジニ・ノヴゴロドからの住民が東のジョチ・ウルス領内へ入植する過程での前哨ともなった。1374年の文書でははじめて、町としてフルイノフという地名が登場する。

14世紀から15世紀のフルイノフはニジニ・ノヴゴロド公国に属する町で、ニジニ・ノヴゴロドからは離れているため大幅な自治を謳歌していた。ロシアの古い町同様クレムリ(要塞)があり、2メートルほどの高さの壁で囲われていた。1489年にはフルイノフはイヴァン3世の遠征によりモスクワ大公国に併合され辺境の防衛拠点となった。しかしカザンを中心に勢力を誇っていたタタール人カザン・ハン国に征服されたこともあった。タタール人はフルイノフを「フルン」(タタール語: Hılın)と呼んだ。

復活大聖堂。後方の至聖三者大聖堂ともどもソ連時代に取り壊された

フルイノフは古くから農産物の集散や工芸品作りで栄えた。近郊のディムコヴォ村で作られる土製の人形や笛などのおもちゃで知られ、現在でもディムコヴォ人形やヴャトカ人形などと呼ばれる。街の最古の建築は、1689年に遡る、5つのドームを頂く生神女就寝大聖堂である。

1781年にはフルイノフはヴャトカと改名された。1796年エカチェリーナ2世の地方行政改革でヴャトカ県が新設され、ヨーロッパ・ロシア北東部最大の町であったヴャトカはその県都となった。一方で18世紀から19世紀のヴャトカは流刑地でもあり、思想家アレクサンドル・ゲルツェン、建築家アレクサンドル・ヴィトベルク、風刺作家ミハイル・サルトィコフ=シチェドリンら反体制派の高位の人物がヴャトカへ流刑にされている。19世紀末にはシベリア鉄道が開通し、その重要な駅が置かれたヴャトカには工場などが集まり始める。

1917年から1922年までのロシア内戦では、シベリア鉄道上の要衝であるヴャトカは赤軍と白軍との戦場となり、町は大きく破壊された。1934年12月1日に共産党の指導者であったセルゲイ・キーロフが暗殺されると、同年12月7日、彼の故郷に近いヴャトカ市は彼を記念してキーロフと改名された。

1991年ソビエト連邦の崩壊以後、市名をヴャトカに戻す提案もあったが立ち消えになり現在に至っている。

経済

ディムコヴォ人形(ヴャトカ人形)
キーロフ市街地
キーロフの聖パンテレイモン聖堂

キーロフはシベリア鉄道などが通る鉄道の中心地で、さらにヴャトカ川の港もある水運の中心でもある。1943年にはトロリーバスが市内に開通している。同じ年に路面電車も運行を始めたが、今は運行していない。

ソ連崩壊以後のキーロフの道路事情や交通事情は芳しくない。キーロフ河川港は1990年代末に破産し、船は他の地域に売られるなどしている。キーロフの空港はポベディロヴォ空港であるが、1990年代に閉鎖され不定期便のみが運航していた。2003年から2006年の夏季には複数の航空会社がモスクワ行きやクラスノダール行きの路線を開設しようとするなど再開の機運が見られ、2006年以後は地元の航空会社がモスクワ便を運航している。

工業は機械工業が中心で、自動車製造、電気工業、電子工業、金属工業、木材加工などが盛ん。20世紀のはじめより、この町は重要な工業の拠点とされ多くの工場が立地した。16世紀以来の土人形作りでも知られる。

文化

キーロフの劇場広場の新年の飾りつけ

キーロフには複数の美術館・博物館、劇場、大学等が所在する。モスクワ法学アカデミーの分校、ロシア教育アカデミーの分校、モスクワ人間学・経済学研究所の支部などがあるほか、キーロフ医科大学、キーロフ農業アカデミー、キーロフ師範大学などがある。

プラウダ紙(2005年1月4日)の記事によれば、キーロフでは双子の出生率が特に高いという。

姉妹都市

外部リンク



キーロフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 04:25 UTC 版)

キーロフ級巡洋艦」の記事における「キーロフ」の解説

レニングラードの第189造船所建造1935年10月22日起工1936年11月30日進水し1938年9月26日竣工バルチック艦隊配属された。第二次世界大戦ではタリンレニングラード防衛戦参加タリン防衛戦では爆撃による命中弾1発と至近弾によって死者9名負傷者30名を出しレニングラード防衛戦でも爆撃受けて命中弾7発と至近弾により死者89負傷者58名を出した1945年10月17日クロンシュタット近海触雷損傷1958年4月29日予備役となり、1960年9月にはレニングラードへと移って練習巡洋艦となる。1968年のセベル演習では旗艦務め1970年にはオケアン演習参加した1974年2月22日除籍され解体された。

※この「キーロフ」の解説は、「キーロフ級巡洋艦」の解説の一部です。
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